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いつかの君と今の僕。

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いつかの君と今の僕。

2 - 第2話 悪い夢と悪いこと

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2023年02月24日

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っはぁ!!はぁ…はぁ….



ベットから体を勢いよく跳ね上げる、

息が荒い。目覚めたのだ。周りを見渡して、ここが自分の家の寝室であることを理解した。

今さっきみた夢の感覚があの沈んでいく感覚が、まだ、体のあちこちに残っている。



この夢を見た日はきまって悪いことが起きる。見る頻度は大体1ヶ月に2、3回。今日は2月25日で、この夢を見るのは今月3回目。1回目は2月6日で、お気に入りのマグカップを落として割った。2回目は2月17日で、仕事の大切な案件でミスをしてしまった。それ程に大きなミスでもなく特に大事になることはなかったが。だがやはり、小さな不幸でも溜まれば大きな不幸となる。この夢を見た日の朝、いつも考えることは、

”起きると分かっているのならば事前に対処できるんじゃないか”ということ。

何回かは『悪いこと』が起きないよう、丸一日慎重になるべく動かず過ごしてみたが、やはりどんなに気をつけていても、ふとした瞬間にそれは起こってしまった。

普通の日は、毎日朝から気持ちよく過ごし、1日の終わりには『充実した1日だった』と思えるほどに快適だが、今日のように、あの夢….”悪い夢”をみた日は朝から憂鬱である。そんな日こそポジティブに!とも思うが中々そうはいかない。


今日はどんな悪いことが起きるんだろう….。あ、今日は5時から会社で会議があるな、、前回のプレゼン、いつもより出来が悪かったし怒られちゃうかも…。

僕は一体いつまで”悪い夢”と共に生活して行かなければならないんだろうか。


なあんていう不安が頭の中をぐるぐる駆け巡る。

離れない不安を抱えたままリビングへ移動する。



朝はまず起きたら愛犬に挨拶をする。

「ダニー!おはよう、お腹が空いているだろう?ちょっと待っててね」

「ワン!」

彼の名前はダニー。僕の大切な家族の一人だ。ダニーと出会ったのは小学五年生の頃で、段ボールに入れられ捨てられていたところを僕が拾った。捨てられていたのは人通りの少ないところにある公園で、僕だけが知っていた小さな秘密基地。そこで僕たちは出会った。まるで運命じゃないか。初めて会った時は、誰がこんな酷いことを…..と思っていたけど、今では少し感謝している。それと、ダニーとは初めて会ったという感じが全くしなかった。前にどこかで会っていたような….。

とにかくダニーは僕の大切な家族。


ダニーにご飯をあげてから自分の食事を用意する。食事を済ませた後は顔を洗う。必要な荷物を準備し、身なりを整えて靴を履く。ダニーに行ってきます、と言ってからアパートの自室を出る。普段と変わらずに職場へ向かう。


午後6時頃

今日は不思議と仕事が捗り、朝心配していた会議も上手く行った。

そう、『悪いこと』がまだ起きていないのだ。いつもなら仕事が終わる前には必ず起こっているのに。

おかしい、なんて思わなかった。悪いことが起きないことに越したことはない。特に何も考えずに家へ帰宅した。


家の近くのコンビニまでやってきた時、なにやら騒がしい声が聞こえた。声がする方と目をやると黒い何かが、。煙だ。バチバチと何かが燃えるような音がする。

少ししてから火も見えてきて、火事だということを理解できた。

大変じゃないか、中の人は避難できたかな?などと考えていると、

身に覚えがある名前が聞こえてきた。


「ジョースターさん!!あの階のあそこら辺ならジョースターさんの部屋じゃあないか!?」

「管理人さんこっちよ!ここよ!ジョースターさんのお部屋よね??!」


時が止まった。ほんの少しだけ。

しばらく動けないでいたが、勝手に足が前へと進んでいた。


燃えていたのは僕の部屋だ。まだ隣の人の部屋に火は移っていないようだったが僕の部屋は、かなり赤くメラメラと燃えている。これが今日起きる『悪いこと』か?


いや違う、家が燃えたことじゃあない。もっと悪いこと




「ダニー!!!ダニー、、、!!!

部屋の中に愛犬がいるんだ!!通してくれ!!」













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