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「ごめんください」
兄と(使い魔?と)共に来た夜の街
言っておくが今の僕達の姿は凄い事になっている
兄と僕は片目と腕がない状態+頭に角が生えている+血まみれ+ボロボロの服を着用した子供、皆はもう分かるだろう?
(クーリーは人には見えていないから大丈夫)
「ッ……、次の人〜!」
スルーされた、当たり前だろうな。
「……、行こっか」
「、ぅん」
兄に誘われて僕達はその場を去る
パンを売っていたおばさんは気まずそうに僕達を見ていた
【チッ…べーだ!】
クーリーが威嚇する、そんな事しなくて良いのに
惨めに感じちゃうじゃないか
「コソッ) ちょっと!」
僕が注意すると、
【良いだろ別に!我の事なんて見えてない!】
キッパリと言われてもう僕は何も言えない
「良いよアキト、見えてないなら」
兄さんまで言い始めちゃった、
「えぇ……、」
「取り敢えず今はご飯、パンでも食べないと飢えちゃうから」
……、ごもっとも…
「さ、行こうか」
兄さんに手を引かれて道を進む
クーリーも後から飛んで付いてくる
その時に見た夜空がやけに綺麗で、今の僕達と綺麗に対比していて、なんだか僕には…
僕にはそれがとてつもない皮肉に見えて、
グッとうつむいて歩いた
結局、僕達にパンを売ってくれる人はいなかった
誰一人
子供にとっての冬は危険だ
ましてや夜だなんて
僕達はひっそりとくっついて暖を取った
僕達は魔術師といえどまだ子供、力加減が効かない火の魔法を容易に人がたくさんいる街では使えない
「…寒いね、」
ちょっとした弱音、だって寒いんだもの
「うん、寒い」
夜空を見ながら少し微笑んで言う兄、可愛らしく笑う姿。不覚にも綺麗と思ってしまった、
【チッ……我は食べ物でも探してくるぜ、そこ離れんなよ!】
「あ、ありがとう」
「ねぇアキト」
唐突に兄が喋りかけてきた
「私達家族は2人だけ、もう2人だけしかいないんだ。」
「……そうだね」
たったの9年、僕があの両親と暮らしたのは10年にも満たない。
でも、僕はその9年で大好きな物が増えた。
しかし、それももう崩れ去って……、
「これからは私達2人、2人で1つ、ずっと一緒」
「ね?」
兄は不安だったのだろう、兄と言えどまだ14の子供
僕よりも培った絆が多い両親を目の前で殺されたのだから、信じられる家族は僕だけ。
だから僕もそれに応えたかった
「うん、ずっと一緒。離れないよ」
兄と僕はかじかんだ指を絡めて寄り添った
「なんだか温かいや」
「……、そうだね」
何かを噛みしめるような顔をして兄は頷いた
「ふぁ…ぁ…ん、」
眠い、気付くともう夜だ
「アキト、眠い?」
「うん、少しだけ」
「肩貸すよ、眠い時に寝た方が良い」
そう言うと兄は頭の位置まで肩を低くした
僕は兄の肩にコツンと頭を置いてそのまま眠った
「Good night, my lovely little brother. Have sweet dreams.i love you.」
弟の頭にキスを1つ落とす、私の、たった一人の、可愛い可愛い、私の弟。もう、失わない。