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拝啓、俺を知らない君へ

拝啓、俺を知らない君へ

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拝啓、俺を知らない君に。

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2023年12月03日

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俺がタヒんでもう一ヶ月の月日が経った。

つい最近まで若井と涼ちゃんと話していたのに…一ヶ月も経ったなんて信じられない…。

二人とも何してるかな?

犯人は見つかったかな?

俺はずっと一人……。

もし、生まれ変われるのなら、もう一度だけ、“大森元貴”として…生まれ変わりたい……。

あの二人に…会いたい……。


?「生まれ変わりたいですか?」

大「もちろん…って誰!?」

?「そんなことはどうでもいいでしょう。あなたが生まれ変わりたいのなら、生まれ変わることだって出来ます」

大「本当ですか!?」

?「しかし、条件があります…」

大「条件って……?」

?「あなたが生まれ変わる代わりに、あなたを知る全ての人から、あなたの記憶を消します…それでも生まれ変わりたいですか?」

大「……はい」

?「いいでしょう。その願い…叶えてあげます」



チュンチュン……𓅫⸒⸒

大「ん……あれ!? 生きてる!?」

夢だったのだろうか?

大「若井…涼ちゃん…!!」

?『あなたが生まれ変わる代わりに、あなたを知る全ての人から、あなたの記憶を消します』

大「……っ」

そうだった。みんなから俺の記憶が消されてるんだった…。

玄関の血…花…手紙はそこにはなかった。

“Mrs. GREEN APPLE 大森元貴”で調べても出てこない……。そもそも、Mrs. GREEN APPLEさえも出てこない……。


俺は──────────。


若「あれ? ポストに手紙が入ってる…俺宛…?」


藤「ん…? 手紙だ……」




拝啓、俺を知らない君へ


信じられないと思いますが、俺は一ヶ月前に亡くなった大森元貴です。

二人とはMrs. GREEN APPLEというバンドを組んで活動していました。

俺が作詞作曲して、歌う。

二人はピアノやギターで、俺をサポートしてくれます。

きっと今でも二人の心にポッカリと埋まらない隙間があると思います。

だって、そこには俺が居たから…。

いつもの場所で会いませんか?

二人なら思い当たる所があるはずです。

待ってるよ、若井…涼ちゃん…。



君を知ってる俺より___。




若「はぁはぁ……っ」

藤「あ…こんにちは…はじめまして…もしかして、若井…さんですか?」

若「はい! 若井滉斗って言います。じゃあ、涼ちゃん…さん?」

藤「ふふ、藤澤涼架です」

若「この手紙…」

藤「思い当たる所は…一つ…」

若「俺も…実は……」



ガチャ……ッ

大「来たね……若井…涼ちゃん…」

若「あの、大森元貴さんですか?」

大「正解! はじめまして。なんでここだって分かったの?」

藤「なんでって……ここに来たことがあるような気がして……」

大「なんだ…覚えててくれてたんだ……」

若「それで…なんでこんな手紙を…? てか、なんで俺…たちを知ってるの…?」

大「俺たちでバンドを組みませんか?」 




遥か彼方の俺を知らない君を…俺は見つけた。





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