「きゃぁぁぁぁっっっっっ♡」
「ウミ様よぉぉぉっっっ♡」
ー
廊下から、幼馴染に対する声が聞こえる。
ウミは、あれでも一応イケメンだからモテる、一応。
それに、対して自分は地味なメガネキャラだ。
「サァクくんっおはようさん‼」
「うん、おはよう」
こいつは、クラスメイトの《五月雨 ミズキ》
関西人の人気者。
自分の数少ない友達だ。
ミズキは、自分以外にも友達が沢山いる。
が、何故か自分の近くにいることが多い。
「サクくんっ、あのな‼〜〜」
「〜?、、、〜〜〜」
いつものように、ミズキは色んなことを話す。
だけど、自分はミズキに思う所がある。
〝五月雨ミズキ〟という人間は、時折冷たい瞳をする。
それは、限って自分が何かしらに関わっている時だ。
「そんでなぁっ_」
「あっ‼ミズキ聞いてくれよ〜、こいつさぁw〜〜」
ほら。
今だって、目が笑ってない。
「へぇ、、、ふぅん」
ーこいつが嫌いだから?
ーもっと自分の話をしたいから?
いや、どちらも違う。
恐らく、自分との話を遮られたからだ。
これは、自惚れだとか自意識過剰だとかじゃない。
「、、、サクくん。話の続きしようや?」
こいつは__
「うん、そうだね」
自分に依存してる。
ーー
ー自分は、小さい頃から異質だった。
自分には、相手の本音や感情が手に取るように分かる。
でも、それはどこぞのファンタジー漫画のような魔法とか能力とかそういうのじゃない。
「(あ、今悲しんでる)」
ー
「(、、、今は、喜んでる)」
ー
生まれながらに、観察力が人一倍に優れていた。
その程度だ。
だから、コレを利用して生きてきた。
誰にでも、印象良く愛想良く思われるように生きてきた。
だけど、1人だけ。
〝ユキメだけは〟自分の虚偽に気付いていた。
だって、最初に会った時はー
「あ、貴方の眼、、、怖い、っ」
こんなことを言われた。
自分は、人生で初めて驚いた瞬間だったと思う。
そして。
「、、、名前は?」
自分が初めて他人に興味を持った瞬間だった。
「(今日は、雪が沢山降るなぁ、、、)」
訳:今日は良くユキメを思い出す
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