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ふえぇぇ~~~(泣)「ジ―ーーン!ももちゃんが泣いてるよぉ~~」
明が自分の部屋に連れて行っていたのに、泣いている百子を慌てて連れてもどって来た、するとリビングに入って来たお福さんが、ひょいと百子を抱き上げる
「さっきまでご機嫌さんだったのにぃ~~」
「オムツが濡れているんですよ、さぁ!さぁ!キレイキレイになりましょうね~」
明が甲斐甲斐しく百子の世話を焼きたがって、お福の後についてソファーに行った
「公営掲示板に貼る、選挙ポスターできたから持ってきた、広報担当チーム長は信夫か? 」
直哉が大きな薄型の段ボールをバンッとダイニングテーブルに置いて開封しだした
「管理委員会がとりあえず1000部だってさ、また後日にもあと2000部は届くそうだ」
箱を開けると成宮北斗と大きく書かれた横に、厳めしい北斗の顔が映ったポスターが現れた、一同はそれをみてさまざまな反応を示した
うえ~~~~「北斗〜なんだかおじさぁ~~~ん!」
「ひどいな・・・・・ 」
「顔色悪くね?」
「大衆受けは良くないわね」
「鬼龍院のはカッコよかったぞ」
「これは・・・10歳は老けて見えますわ」
立候補発表があってからみんな、大量に摂取しているカフェインのせいか、少々ハイになっていてものの言方に遠慮はない、北斗が真っ赤になって弁解する
「しかたがないだろ?選挙管理委員会の推薦する写真館で撮影したんだ、俺も仕上がりをみてどうかなと、思ったんだけど・・・・ 」
「このカメラマンいつくだったの?」
「・・・・70歳ぐらいのおじいちゃんかな?」
「だろうな・・・・画質が昭和だよ」
「これが後2000枚も来るの?これを町中の公営掲示板に貼るの?」
貞子が指摘する
さすがのアリスもう~んと考え込んでしまった、ストロボがキチンと焚かれかなったのだろうか・・・
恐ろしく顔色が悪いし、まず全然笑っていない、本当に老けて見える・・・目も緊張して吊り上がっているし、これじゃいつもの素敵な北斗さんの良い所が一つも反映されていない
ボソッ・・・
「撮り直す?・・・ポスターは候補者がどんな人間か知ってもらう大切な道具よ・・・・あまり妥協したくないわ 」
直哉が三ツ矢サイダーをグビグビ飲んで言う
「撮り直すって誰に頼むんだ?」
「あの~・・・今日中に北斗のプロフィール画像が欲しんだけどぉ~、全部のSNSサイトに公式アカウント早く作んなきゃ動けないし・・・ 」
信夫が恐る恐るみんなに言った
「このポスターの画像データは貰ったぞ?これじゃダメか? 」
すっと北斗が自分のスマホ画面を信夫に見せる、すると信夫がじーっと画面を見つめてフッ・・・と苦笑いする
「なっ・・・なんだ!信夫!言いたいことがあるなら言えよ!」
北斗が必死で信夫に意見を求めるのに、信夫はダイニングテーブルの端の、北斗のノートパソコンに無言で向かった
う~ん・・・・「誰か北斗さんの選挙ポスター素敵に撮ってくれる、プロのカメラマンさんどこかにいないかしら~」
「あっ!」
明の頭に電球が光った、目をキラキラさせて、指をピストルの形にして言う
「い~子達がいるよぉ~~~♪」
..:。:.::.*゜:.
「お呼び頂いて光栄です!!」
「お呼び頂いて光栄です!!」
「お呼び頂いて光栄です!!」
ビシッ
「私達!」
「私達!」
「私達!」
ビシッ
「明君のファンクラブメンバー」
「明君のファンクラブメンバー」
「明君のファンクラブメンバー」
ビシッ
「新星・『アッキーズ』です!」
「新星・『アッキーズ』です!」
「新星・『アッキーズ』です!」
アッキーズの三人が作り出す、土台の二人の付き合わせた両膝に一人が立ち上がり、組体操の(三人ピラミッド)のポーズが北斗、アリス達の前で綺麗に決まった
「まぁ!フォーメーションのレベルが上がったわ」
アリスがヤンヤとパチパチ拍手をする
「え~っと・・・この子達は?」
北斗が困惑気味にアリスに聞く
「永原さん達~来てくれてありがとう!北斗をよろしくね~!」
明がキラキラ笑顔で永原さんに微笑む、ポッと頬を染めた永原さんが、こくこく頷く
「この子達の写真が凄いのよ!もうプロ顔負け!私もアキ君の写真(表垢)をlineのグループアルバム共有で見せてもらったの」
野々村さんが颯爽とスカートの両端を手でつまみ、片足を追ってお辞儀する、ビクトリア調の王族の様な素敵な挨拶だ
「初めまして!アキ君のお兄様ですね!私・・・生徒会長の野々村静子と申します!」
「お・・お兄様?・・・あ・・ああ・・よろしくね 」
北斗の笑顔が益々困惑気味に引きつる、永原さんが野々村さんにボソボソと耳打ちをする
「早速ですがお兄様!永原さんが選挙ポスターを見せて欲しいそうです」
..:。:.::.*゜:.
「これが問題のポスターなんだけど~」
リビングで明が北斗の選挙ポスターを、テーブルに広げて見せると、永原さん達がそれを囲んで眺める
「・・・これは・・・・明治時代の人かしら?・・・ 」
「でも着物を着ていないわよ」
ボソ・・・・「60歳ぐらいに見える」
「犯罪者?」
「パパの運転免許の失敗したヤツみたいだわ」
ボソ・・・・「いずれにせよ撮り直しが必要だわ、この写真を世に放つのは犯罪よ」
Z世代のアッキーズの一言、一言が北斗の頭にハンマーのように打ち込まれ、自己嫌悪の沼にズブズブ落ち込んでいく
キャー「北斗さんが埋もれている~~!(困)」
「大丈夫だ兄貴!この子達の言うことを聞くな!」
「気を確かに!沼から上がってきて~」
アリスが必死で落ち込みの沼に、ズブズブはまっている北斗を引き上げようとし
直哉は鼻梁を揉みだした、早くもストレスにより頭痛がはじまっている
かくしてなんとか気を取り直して、浮上した北斗を筆頭に、成宮陣営はアッキーズの指導の元、写真撮影のロケーションに出向くことに決定した