【叶×剣持】不安定な僕らは恋をはじめる（紫陽花組）

⚠︎︎叶視点⚠︎︎

僕らがバーチャル世界で同棲をはじめて1週間が経った。帰宅時の幸福感はさきに述べた通りだが、最近僕は朝の生活にも嬉しい変化があることに気づいた。

それはこの間のある朝。。

「んん…」

意識が少しもどる。しかしまだ朝早いようだ。カーテンから光が漏れている。

「ふぁぁあ」

われながら天使のような声で欠伸をすると、ドアの向こうからなにやらまな板をたたく音がする。

「ｼﾞﾘﾘﾘﾘ」

急な爆音にびっくりし冷静になると、スマホの目覚ましの音だ。

てことはアラーム前に起きたのか？？

今までは夕方ぐらいになってやっと起き、その後も二度寝するような怠惰な日々を送っていたのに。。。

ようやく完璧に意識が戻り、のそのそとベットからでてリビングへ向かう。

5月と言えど少し寒い部屋に震えながら歩く。

「おはよぉ」

なにやら食材を切っている彼に声をかける。

「おはよう、起きれたの？えらいね」

包丁を動かしていた手を止めこちらを向いてくれる彼。もう1時間前には起きたらしく、完璧な容姿で笑いかけてくれる。

褒めてもらえたのが嬉しくて思わずしっぽを振りながら彼に近づき肩に頭を擦り付ける。

「ww、なになにwくすぐったいよw」

「…かわいいから誰かにとられないようにマーキング。」

「もう笑あぶないから向こうで待ってて笑」

少し前までは起きたらすぐにTwitterを開いていたのが、剣持刀也と同棲してからは、こんな具合にスマホよりも彼の顔が見たくなってしまう。

（ほんと、どうかしてるよな…）

意外とまな板の音は眠くなるらしい。朝ごはんができるまで、ソファで二度寝することにした。