頑張ったやつ

青黄です。

苦手な方は回れ右。

※間接的なDV表現があります。

※”キャットラビング”を題材にしています。

黄side

ボコッ ドカッ

醜い音が今日も耳に響く。

いつからだろう、君がこうなったのは。

前は幸せだったのになぁ。

沢山甘えて、愛も沢山伝えてくれて、

気持ちいい事もいっぱいして。

今の君はすごく怖い顔で僕を睨んでいる。

昔は僕の名前を呼びながらふわりと

笑いかけてくれていたはずなのに。

毎日毎日僕の身体に傷を増やしていく。

はじめの頃は君が怖くて怖くてたまらなかった。

でもね、僕もおかしくなったみたい。

今は、それすら君からの”愛”だと思って

受け取っちゃうの。”やめて”なんて言わない。

言えないんじゃないの、言わないの。

痛いことはもちろん嫌いだし、傷が増える

のも嫌だけど、君の手は好きだから。

それにね、彼は殴ったりした後に必ず

こう言ってくれるの。

“るぅとくん、愛してるよ”

って。

僕は単純だから、いくら殴られても

君のそのひと言で安心しちゃう。

“あぁ、僕は愛されてるんだ”って。

いつだったかな、彼に聞いたことがある。

“どうして僕を殴るの？”って。

君はいつものように笑ってこう言った。

“るぅとくんの事を愛してるからだよ”って。

僕はその言葉が嬉しくて、傷が増える度に

君はこんなにも僕を愛してくれてるんだって

感じるようになった。

なのに、最近君は僕を殴ってくれなくなった。

お家に帰ってくるのも遅いし、甘くて

変な匂いもするし。きっと君は僕をおいて

綺麗な女の人と会っているんだ。

僕のことは束縛するくせに、君は自由なの。

こんなの、全然フェアじゃない。

でも僕は君から離れられない。

だから、そこら辺にいる女の人よりも

もっともっと可愛くなって、君の好みに

なって、沢山愛してもらうんだ。

今日はね、1人でしちゃったの。

もちろん、君にお仕置きをしてもらうため。

僕は悪い子だから、だめって言われても

君の愛をもらうためならなんだってする。

いい子になるのは君の下にいる時だけ。

その時は君の目に僕しか映ってないから。

君の目に映るために悪い子になるの。

君の目には、僕しか映らなくていいでしょ？

僕はこのままでも大丈夫なのに、友達に

顔の傷を見られて、心配された。

“早く別れた方がいい”

“そんなやつやめとけ”

みんな口を揃えて言う。

どうして？どうしてそんな事言うの？

彼は僕のこと愛してくれているのに。

僕の頭の中は常に彼でいっぱいだし、

彼の頭の中も常に僕でいっぱいのはず。

ちゃんと愛してるし、愛されてる。

もう僕は君以外信じられない。

みんなの言葉は飲み込もうとしても

喉に引っかかるけど、君の言葉はすっと

身体の中に溶けていく。

今日はどうやって僕を愛してくれるのかな。

優しい君ももちろん好きだけど、泣いても

やめてくれない意地悪な君も好き。

どんな君でも大好きだし、愛してる。

君の重すぎる愛に耐えられるのは生涯で僕だけ。

僕も君から離れられないみたいに

君も僕から離れられないよね？そうだよね？

ほんとは

“なんで帰るのが遅いの？”

“これはなんの匂いなの？”

って聞きたい。

でもどうせ君は答えてくれないし

また怒っちゃうから、言わない。

だから、今日も君の下で

いい子にするから、可愛い声で鳴くから

いっぱいいっぱい愛してね。

また嫉妬して怒り狂ってる君。

ほらまた、手をあげた。

いい加減気付いてよ、

僕には君しか見えてないんだって。

君は最近、よそ見してるくせに。

君だって僕しか見えなくなればいいのに。

今日もまた沢山身体に傷が付く。

でもね、どれだけ傷付けられてもいいの。

だってそれは彼からの愛だから。

身体中にある青紫の痣も、赤いキスマークも

全部全部、君からの愛の証。

これからもいっぱい愛してね、ころちゃん。

ちょっと上手く書けた気がしてます。

褒めてくれたら喜びます。