残りは家で食べることにした。お母さんにもあげよう。
「、、あの、LINE返さなくてごめん、別にその、なんもないから」
「、、これ」
萩原はポケットから何かを取り出した。
「、、え、これ、なんで萩原が持ってんの?」
「ゴミ箱漁った」
「見てたってこと?」
「ああ、篠田だろ」
「、、、、、でもその、沙羅ちゃんは、あの、、」
萩原のこと。
「さっき、篠田に告白された」
「、、、、え、、?」
好きって言われたってこと、、?
先越された、、ってこと、、?
「今すぐじゃなくてもいいからって」
「、、、じゃあ、、もうすぐ沙羅ちゃん、、彼女、、、?」
目が合った。
「こんなことする奴と付き合わねえよ」
安堵の感情が一気に溢れ出した。
まだ自分にチャンスがあることに安心した。
「最近変だったのも篠田のせいか」
「、、いや、まあ、、気、遣った、みたいな」
「大人しいとつまんねえんだな」
「どゆことよそれ」
「花田はうるさいくらいがちょうどいい」
「、、うるさいってなんだよ」
ああ、やっぱり好きだ。
「ありがとう送ってくれて」
「ああ、すぐそこだし」
「萩原3学期からも学校来いよ」
「まあ、それなりには」
萩原らしい返しだ。
「じゃあ、気をつけて」
「ああ、じゃあな」
私は萩原に手を振った。
「萩原」
呼び止めると、萩原は振り向いた。
「萩原さ、好きな人とかいたりする?」
「恋愛とかには、疎いから」
「そっか」
「花田は」
「いるよ」
「そうか」
好きだよ。萩原。
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