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「いっくよ〜〜!!そりゃっ!!」
ぽすっ。
Hoolaの投げた雪玉がHyeheheの頭に直撃し、白い粉雪がふわっと舞い上がった。
「おわっ!?冷て!!……ったく、やるじゃん」
Hyeheheはにやりと笑いながら、すぐに雪を手にとって丸め始める。
一瞬のうちに始まった雪玉合戦は、まるで子供みたいな笑い声と、真っ白な冬の空に溶けていった。
「ふふっ、どう?うち、雪合戦もいけるっしょ?」
「……そのわりに、おれの雪玉は全部避けてたくせにな」
「え?そりゃあ避けるっしょ?髪に入ったら最悪じゃん〜」
Hoolaは軽やかに笑って、ふわふわのマフラーをくいっと巻き直す。
そんな彼女の後ろに回り込んで、Hyeheheが小声で言った。
「……でも、狙ってたのは当てたんだよな」
「……っ!ばっ、なにそれ……!」
真っ赤になったHoolaが雪玉をぶん投げようとした瞬間、Hyeheheがその手をそっとつかんだ。
「……そろそろ、冷えたろ。あっち、行こ?」
***
2人が入ったのは、古民家風の小さな飲食店。
外には雪がしんしんと降り続け、窓の向こうの世界が白く染まっていく。
木のテーブルに並べられたのは、湯気を立てるおでんと、熱々の肉まん。
「……うわぁ〜、しみる〜〜〜……」
Hoolaはおでんの大根を頬張りながら、至福の表情を浮かべる。
Hyeheheはというと、肉まんを手に取ったまま、隣に座る彼女の横顔をぼーっと見ていた。
「……え、なに。なんで見てんの?」
「んー……可愛いから?」
「……~~っ!!ちょっ、いきなり何言ってんのよ!!」
「うるせ、返しがダサいんだよ」
Hyeheheはそう言って、くすっと笑いながら自分のマフラーを少し緩めた。
その仕草があまりにも自然で、あまりにも暖かくて、
Hoolaはちょっとだけ視線を落として、小さく息を吐いた。
「……今日、来てよかったね」
「だな」
テーブルの下、ふたりの手がそっと触れ合った。
寒い冬の中に、ひときわあたたかいぬくもりが、そこにはあった。
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