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待ってましたァァ!
少女に物心がついた時にはそばに「両親」はいなかった。でも生きてはいるらしい。
成長し、大人になった少女は両親を捜し歩いた。自分も友達と同じように家族が欲しかった。
両親を探す旅の中で、少女はロスサントスにやってきた。
ロスサントスではいろいろな出会いがあった。
生きていくために働き始めたメカニックで友達ができた。
店番をしていても客が来ない時が多かった。それでも友達と話をしているのが楽しかった。
その友達はあろうことか少女の目の前でギャングに誘われ、メカニックに帰ってこなかった。
少女はこの出来事で警察官になることを心に決めた。
メカニック以外にも友達がいた。同じ時期に街に来た青年二人だ。
仲の良い3人はよく遊びに出かけた。
少女が無事警察官になり仕事を覚える事が大変な時期、その友達の一人がギャングになった。
仕事中に犯人として連れてこられて出会ってしまった。
同じようにメカニックからギャングになった友達とも警察官と犯人として出会うことが多くなった。
だが、警察官の仕事も悲しいことだけではなかった。
同じ時期に街に来たもう一人の友人も警察官となったので再会できた。
お互いに支え合いながら過酷な仕事を頑張ってきた。
警察内でも出会いはあった。
少女を指導してくれた先輩方は時に先生であり、兄・姉のように優しかった。同期も後輩もできた。
同僚・仲間でもあるがその温かい雰囲気に、家族とはこういうものかと思い始めた。
月日が過ぎ、同じ警官として再会した友人が休みがちになり、なかなか会えない日が続いた。
そんな頃、頼りにしている先輩の同期の一人が長い休暇から復帰した。
先輩ではあるのに後輩のようで不思議な人だった。
少女はそんな先輩に仕事を教えたり、一緒に練習したりしているうちに、仕事以外でも出かける仲となった。
街を巡り、話をし、たくさん遊んだ。先輩の思い出も聞けた。
ある日、少女が怪我をし二人で病院を訪れた時。
不在の医師に連絡を取ってくれた先輩の様子を見て、少女が思う母親像と重なった。
それ以来、男性である先輩を「お母さん」と呼ぶようになった。
始めは否定されたがどうやら折れてくれて、娘として接してくれる事も増えた。どこまで本心かは分からないが。
やがて、そんな先輩と同期の男性警官とも相談をしたり遊んでいるうちに、少女の「お父さん」となった。
さらに月日が過ぎた時、少女は警察以外の仕事をしないかと勧誘された。やってみたいと思った。
「お父さん」「お母さん」に相談した。
仕事を誘ってきた人と同席で話し合い、父は父らしく、母は母らしく、少女のやりたいことを応援してくれた。
ああ、やはり二人はこの街での少女の父と母なのだ。
父がいて、母がいて、少女がいる。
血のつながりはないけれど、3人は家族となった。
青年は家族を知らない。
幼い頃に世話をしてくれた人やたくさんの兄弟はいたが、父と母はいなかった。
外の世界を知ると、やはり自分が育った場所は一般的な環境ではないように思えてきた。
大人になり住んでいた田舎を離れ、友人と3人でロスサントスにやってきた。
ロスサントスではいろいろな出会いがあった。
右も左も知らない街でお世話になった警察官に恩返しをするために、3人で警察官になった。
同じ時期に採用された同期も二人いた。
その後、青年は長い休暇についてしまった。
長い休暇から復帰した時、同期や顔見知りの同僚たちは快く青年を迎えてくれた。
休暇中にたくさんの出来事があったらしい。
同期との差は生まれ、お世話になった警察官はおらず、慕っていた先輩はギャングとなり、知らない後輩が増えていた。
青年は警察官になったばかりのあの日に取り残されたままの気がした。
このまま仕事を続けるか悩んでいた時に少女と出会った。
青年が眠っていた間に変わったことや分からない事を丁寧に教えてくれた。
仕事に行くことをためらっていると、それでも来てくださいと言ってくれた。
仲の良い友人がいない時間が増えた時、遊びに連れ出したり話を聞いてくれたりした。
仕事に慣れてきた頃、少女の誕生日を知った青年はこっそりお祝いをした。
時には口げんかもするけれど、一緒にいてくれるお礼のつもりだった。
いつもの二人を見ている後輩に恋人同士と言われたこともあったが、これは青年の知識にある恋愛感情とは異なると思った。
ある日、少女が怪我をし二人で病院を訪れた時の様子を見て、少女が青年を「お母さん」と呼ぶようになった。
性別自体異なるし、母親を知らない青年は最初からやめるように言った。
それでも少女は青年を母と呼び続けた。
徐々に少女と話している時に感じる感情は、知識で知る母親のそれと同じものかもしれないと思い始めた。
青年は結局折れ、母親と呼ばれることを否定しなくなった。
いつの間にか、青年の同期の一人が少女の「お父さん」となった。
だからといって夫婦ではないが、仕事以外の話をするようになり、やがて三人で出かけることも増えた。
少女と一緒に同期の家の鍵ももらった。
父がいて、母がいて、少女がいる。
血のつながりはないけれど、3人は家族となった。
青年には父と母と弟がいた。
軍人となり家族と離れ、退役後はロスサントスに移り一人で過ごしていた。
ロスサントスではいろいろな出会いがあった。
軍人時代の知識を生かそうと警察官になった。同じ時期に採用された同期も4人いた。
そのうちの一人が「黄金の時代だ」と言った。新時代の始まりだと思った。
青年は警察官の仕事に没頭していた。人手が足りず大変な日が続いた。その中で昇進もした。
ただ「黄金の時代だ」と言った同期が長い休暇につき、慕っていた先輩はギャングとなり、日々の仕事に忙殺され、心は少しずつ死んでいった。
後輩もたくさん増えたある日、長い休暇についていた同期が復職した。
仕事のことを同期には聞きづらいのか、面倒見の良い後輩の少女と一緒に仕事を覚え始めた。
彼が仕事に慣れ始めた頃の事件現場で、自分が倒れた後に犯人を制圧する姿を見た。
長いブランクがあっても、やはり自分の同期なのだと思った。
月日が流れ、彼の友人の同期が休みがちになった頃。彼や少女と仕事以外で一緒に出かける事が増えた。
気付いた時、同期の彼は少女に「お母さん」と呼ばれていた。
元々、自分と少女とは仕事の相談に乗っていた関係だがこうした日々を過ごすことで距離が縮まり、青年は「お父さん」と自称し受け入れられた。
自分は未婚だが、娘がいればこの少女のような子が良いと思った。
だからといって同期の青年とは夫婦ではないが、前よりも仕事以外の話をするようになった。
新しい車やバイクを見せたり、家を買う時に相談もした。
自分の店を始める時も、唯一の男性従業員として雇用した。少女もアルバイトとして雇用した。
少女の将来を3人で話した時に、自宅の鍵を少女と同期に渡した。
父がいて、母がいて、少女がいる。
血のつながりはないけれど、3人は家族となった。
普段は書かない後書き
実際にあったエピソードを元にしているのでアーカイブが消える前に見て欲しいです。