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Side💙
10月8日、今日は俺の29歳の誕生日だ。
珍しく完全オフだった俺たちは、昼に集まって俺の家でゲームしたり、思い出話に花を咲かせた。
元貴と涼ちゃんが持ち寄った料理や、特注で頼んでくれた苺とクリームたっぷりのケーキを食べ、久しぶりにゆっくりした時間を過ごした。
俺がリクエストしたプレゼントをもらって、大切な親友と愛しい恋人と過ごせて、最高の誕生日になったと思う。
あらかた料理や飲み物がなくなったところで、元貴がゆっくりと立ち上がった。
「・・・・・・さてと、俺はそろそろ帰るわ」
「もう帰るのかよ。明日は昼からだし、もう少しゆっくりして行けば?」
「いやいや、俺だって空気くらい読みますよ。あとはおふたりでごゆっくり」
意味を理解して真っ赤になった涼ちゃんと俺の顔を交互に見てふふ、と含み笑いをして俺の肩をぽんぽんとたたき、元貴は玄関へ向かう。
俺と涼ちゃんも見送るために、立ち上がって元貴のあとを追った。
「今日は本当にありがとな、元貴」
「改めておめでとう、若井。明日は昼からとはいえ仕事あるから、ほどほどにな。じゃあね、りょうちゃん」
「・・・・・・あっ、うん。気をつけて帰ってね」
涼ちゃんはまだ顔を赤くしたまま手を振る。
それを見た元貴は、面白そうに笑いながら帰って行った。
玄関が閉まり、静かになった部屋。
「涼ちゃん、部屋に戻ろうか」
「・・・・・・うん」
そっと涼ちゃんの手を取り、リビングに戻る。
「片付け、俺がやっとくからお風呂入っておいで」
お互いの家に行ったときは、よほど朝が早いとき以外は泊まって帰る。
俺たちの中ではそれが当たり前のようになっていた。
「今日は僕が片付けるよ、誕生日くらい若井が先にどうぞ。」
「んー、でも涼ちゃんお風呂で時間かかるでしょ?」
俺に抱かれる準備で、とはあえて口には出さないけど十分伝わったようだ。
「・・・・・・もうっ、若井のばか!」
「いてっ」
首まで真っ赤にして涼ちゃんが俺の背中をばんっと叩いてくる。
こういう時の涼ちゃんって結構容赦ないんだよね。
「あっ、ごめん!!大丈夫?」
大げさに痛がってみせると、慌てて俺の背中をさすってくれる。
「んー、平気平気。ほら、お風呂行ってきな」
にこっと笑って見せると、涼ちゃんは安心したように笑った。
「じゃあ、ごめんけど先に入らせてもらうね」
「はーい、ゆっくりしてきていいからねー」
寝室に入り常備しているお泊りセットを持って風呂場へ向かう涼ちゃんを見送り、俺は素早く片付けを始めた。
Side💛
若井に片付け任せちゃったけど、誕生日なのに申し訳ないなぁ・・・でも僕がやると時間かかっちゃいそうだし。
若井もそう思って自分がやるって言ったのかも、なんて考えながらお泊りセットを用意してお風呂場へ向かう。
シャワーを出してボディソープを用意し、まずは若井に抱かれるための準備を始める。
後孔を洗浄する作業にはだいぶ慣れてはきたけれど、やはり自分でやると気持ちよさなんてものはなくて、違和感しかない。
若井の指だとすごくに気持ちいいのになぁ・・・。僕が女の子だったら、こんなことしなくてもすぐに抱いてもらえるのに。
ああ、こんなこと考えちゃだめだよね。若井は、こんな僕を好きだって言ってくれるんだから。若井は「ほぐすのも俺の楽しみなんだよ」って言ってくれるけど、せっかくの誕生日に手間をかけさせたくない。
暗くなっていく思考を振り切って、いつもより念入りに洗浄をして、しっかりほぐしていく。
あとは全身と髪の毛をさっと洗ってお風呂から出る。Tシャツと短パンを履いてスキンケアを済ませ、リビングに行くと、若井はもう片付けを終わらせてドライヤーを片手にソファに座っていた。
「若井ごめんね、全部やらせちゃって」
「ううん、大丈夫だよ。そんな散らかってなかったし。こっちおいで」
若井に導かれてソファに座っている若井の脚の間にすとんと座る。
こうやって僕がお風呂から上がると、若井は必ず僕の髪を乾かしてくれる。
そこまで甘えるのはどうかと思って最初は断ってたけど「いいの、俺涼ちゃんの髪触るの好きなんだよね。柔らかくてふわふわしてて気持ちいいから」と押し切られ、今では完全に任せてしまっている。なんだかんだ言って、若井の大きな手のひらで乾かしてもらうのすごく気持ちいいしね。
「熱かったら言ってね」
「はーい。お願いします」
僕のお気に入りのヘアオイルをなじませ、少しずつドライヤーを当て、丁寧に乾かしてくれる。優しい手つきが気持ち良すぎて眠くなってきたけど、もう少し頑張らなきゃ。
「はい、終わり」
ウトウトしかけたところで若井の声が聞こえて目が覚める。
「ありがとう、若井」
「どういたしまして。じゃあ俺さっとシャワー浴びてくるから寝室で待ってて」
「ん・・・・・・待ってる」
若井は僕の頭を優しく撫でて、お風呂場へ去っていく。
言われた通り寝室へ向かい、ベッドに腰を下ろす。
今日、僕はある目標を持って来た。
それは僕が若井を気持ちよくしてあげること。行為のときはいつも若井がリードしてくれて、僕は気持ちよくしてもらってばかりだから。
誕生日くらい若井に思いっきり気持ちよくなって欲しい。自信は・・・・・・あんまりないけど。若井受け入れてくれるかな?
うわぁどうしよう、緊張してきちゃった。
あ、そうだ。スムーズにいくようにゴムとローション出しとこう。ベッドサイドの棚から必要なものを取り出していると、かすかにドライヤーの音が聞こえてきた。
えっ、早すぎない?まだ10分も経ってないんだけど。まだ心の準備できてないよ・・・・・・。
「涼ちゃん、お待たせ・・・って何で正座?」
ガチャっとドアが開いた瞬間、緊張のあまり床の上で正座してしまった僕に若井のツッコミが入った。まあ不思議に思うよね、でも身体が勝手に動いちゃったんだもん。
ああ、早く何か言わなきゃ。
「・・・・・・あの、若井。今日は僕が全部するから・・・・・・若井に気持ちよくなって欲しいの。僕からの誕生日プレゼント」
言っちゃった。若井、どう思うかな?
Side💙
早く涼ちゃんを抱きたくて、烏の行水で風呂から上がり、わしわしと髪を乱暴に乾かす。どうせあとでぐちゃぐちゃになるんだし。涼ちゃんと同じようにTシャツと短パンをさっと身に着ける。
涼ちゃんさっき眠そうだったけど、起きてるかな・・・。急いで涼ちゃんが待ってる寝室を開ける。
「涼ちゃん、お待たせ・・・って何で正座?」
そこにはなぜか硬い表情で正座した涼ちゃんの姿。
え、何これ。まさかここまできて別れ話とかないよな。よく見たらゴムとローションが準備されてるし。むしろやる気満々な気がするけど。
「・・・・・・あの、若井。今日は僕が全部するから・・・・・・若井に気持ちよくなって欲しいの。僕からの誕生日プレゼント」
不安を抱きながら正座してる理由を聞いたら、予想の斜め上をいく返事が返ってきた。涼ちゃんの言葉に一瞬頭が真っ白になる。
キスすら自分からするのを恥ずかしがる涼ちゃんが?誕生日だから俺に気持ちよくなって欲しいって・・・・・・何それ、くっそかわいいんだけど。
「・・・・・・こういうの、いや?」
俺が固まってしまったせいで不安になったんだろう。涼ちゃんの目がうるうるしてくる。
やばい、早くうれしいって伝えないと。
「っ嫌じゃないよ!!びっくりして頭真っ白になっちゃって・・・涼ちゃんの気持ち、うれしいよ・・・じゃあ、今日は涼ちゃんにお任せします」
「よかったぁ・・・・・・なら、まずここに立ってくれる?」
ふわっと笑った涼ちゃんが、俺をベッドサイドに立たせる。
何すんの?と思った瞬間に下着ごと一気に下され、もうすでにゆるく立ち上がった俺のモノを涼ちゃんが軽く握る。
「・・・・・・あっ」
そのまま股間に顔を埋めた涼ちゃんの舌が、そこに絡みついた。
熱くて柔らかい感触に腰がビクッと跳ねる。
「ん・・・・・・涼ちゃんっ」
小さな口いっぱいに俺のを頬張り、入りきれない分は手で扱いてくれる。
「・・・・・・ひもちひ?・・・」
「んっ・・・うあ・・・・・・やばっ」
上目遣いで聞いてくる涼ちゃんのかわいさを堪能したいけど、正直気持ちよすぎて余裕がない。
尖らせた舌で裏筋を舐め、ぴちゃぴちゃと先端を抉られる。
だめだ、気持ちよすぎる。腰を突き上げたくなる衝動を、涼ちゃんがのどを痛めてしまってはいけないと、奥歯をかみしめて手を強く握りしめて我慢する。
「ふ・・・ん、はっ・・・・・・」
涼ちゃんの吐息と、顔を上下させる度にちゅぽっと漏れる音に、射精感が急激に高まってくる。
「涼ちゃん、イきそうだから離してっ」
「んん、イってひーよ」
いやだめだって。
だめって言ってるのに、涼ちゃんはそのまま鈴口を舌でぐりぐりと刺激してくる。
「やば・・・でるからッ」
「んんっ・・・・・・」
引き抜こうとして間に合わず、涼ちゃんの口の中で精液を放ってしまった。
「・・・・・・うぁ、にがっ」
「涼ちゃん、もしかして飲んじゃったの?」
「ん、若井のならおいしいかなって。でも苦かった・・・・・・」
涼ちゃんがわずかに眉をしかめて、舌をべっと出して見せる。
いつの間にこんなエロい子に育ったんだろう。あ、育てたの俺か。
「ああもうっ、お腹痛くなっても知らないからね!」
「んー大丈夫だよ、多分・・・ほら若井、ここに座って」
へらっと笑う涼ちゃんに軽くため息をつきながら、指示通り枕を背もたれにしてベッドに座る。
「さっきはありがとね、すごく気持ちよかった」
「うん・・・・・・」
ふにゃっと溶けるような、俺の大好きな笑顔で笑う。
「えっと、次は・・・ばんざいしてくれる?」
「はーい」
「じゃあ、失礼します」
涼ちゃんは俺のTシャツを脱がせて恥ずかしそうに顔を赤らめながら、涼ちゃんも自分の服を脱ぎ捨ててお互い一糸まとわぬ姿になる。
用意していたゴムを手に取った涼ちゃんは、射精で少し萎えた俺のを数回扱いて、少し手間取りながらもゴムを付ける。手慣れていない感じがまたかわいいんだよなぁ。
俺にまたがってゴムの上からしっかりをローションをまとわせ、後ろ手に俺のモノを握ってゆっくり腰を下ろしていく。
「涼ちゃん、ごめん。ちょっと待って」
「なに?」
ローションのぬめりはあるとはいえ、ほぐさなくても大丈夫だろうか。
「ちゃんとほぐさないと、つらいんじゃない?」
本当はこんなこと言いたくない。涼ちゃんが、準備しないと入れられないのを気にしてるのを知ってるから。でも、俺のために涼ちゃんに痛い思いはさせたくない。
「大丈夫、ちゃんとほぐしたから。このまま入れたいの、おねがい・・・・・・」
そんな悲しそうな顔されたら、これ以上だめって言えないじゃん。
「わかった。痛かったらすぐにやめてね」
「うん、ありがと・・・・・・」
そっと抱きしめるとうれしそうに微笑んで、再び俺のモノに手を伸ばし自分の後孔にあてがう。
「んっ・・・ふ、ぅっ・・・・・・」
ぐちゅっと音を立てて雁首が飲み込まれていく。
涼ちゃん、大丈夫かな。
心配でじっと見つめていた俺に気が付いて、涼ちゃんがにこっと笑う。よかった、平気そう。
ゆっくり深く息をしながら慎重に腰を進め、俺の太ももにぺたんとおしりがくっついた。
「は、ぁっ・・・・・・はいった?」
「うん、全部入ったよ。がんばったね」
「やった・・・・・・うれしい」
ありがとうの意味も込めてぎゅっと抱きしめると、涼ちゃんも嬉しそうに抱きついてくる。こういうところも、たまらなくかわいい。
「動いてみていい?」
「もちろん」
返事を聞いた涼ちゃんは、俺の肩に手を置いてゆっくりと腰を上下させ始めた。
「ん・・・あっ・・・・・・はぁ」
「ぁ・・・涼ちゃん、気持ちいいよ」
涼ちゃんのナカは熱くて、俺をからめとるようにキュッと締め付けてくる。
「ああ、はぁん・・・ぅ、んっ」
涼ちゃんは一生懸命動いてくれてるけど、肩に置いた手と太ももがプルプル震えてるし、だんだんペースが落ちてきてる。
普段からランニングしてて、ライブの時とかまだ動けるの?ってびっくりするくらい体力あるけど、行為のときは結構すぐへばっちゃうんだよね。
そろそろ限界かな。
「ふっ、うぅ・・・・・・わかいぃ」
予想通り完全に動きを止めた涼ちゃんが、目に涙をいっぱいにためて俺の名前を呼んだ。
「ごめん、僕・・・・・・も、むりかも」
「ん、涼ちゃんからのプレゼントはちゃんと受け取ったから。すごく気持ちよかったよ、頑張ったね、ありがとう。だからここからは涼ちゃんが気持ちよくなる番ね」
「・・・僕だけ?若井は・・・・・・?」
ああもう、かわいすぎるんだって!元貴から「ほどほどに」って言われたのに、我慢できなくなっちゃいそう。
「もちろん、俺も。一緒にたくさん気持ちよくなろうね」
「ッあああああああ!」
言い終えると同時に下から一気に奥に突きあげる。涼ちゃんは衝撃に耐えきれずにのけぞって白濁を吐き出した。そのままぐったりと俺の肩にもたれかかる。
「・・・っあ・・・・・・は、はぁ・・・・・・んぁぁっ」
息も絶え絶えの涼ちゃんの腰を持ち上げ一度自身を抜く。イったばかりの身体には刺激が強かったのか、涼ちゃんの脚がびくんっと震えた。
位置を入れ替え、そっと涼ちゃんをベッドに寝かせる。
「挿れるよ」
ちゅっ、と額にキスを落として、涼ちゃんの後孔に自身をあてがう。涼ちゃんはごくりと息を呑んで、大きく息を吐いた。
「あ・・・・・・あっ、う、ああ・・・・・・っ」
「は・・・・・・」
内壁を割いて入れていくと、俺のを咥え込んだ内壁は、きゅうきゅうとそれに絡みついた。涼ちゃんは背を仰け反らせ、無意識なのかあおるように腰を振る。
「ぁ、あ、ああっ・・・、わかい・・・・・・っ」
「気持ちいい?・・・・・・あっ、やば・・・涼ちゃんちょっと力抜いて・・・・・・」
「ぁう、う、うぁ・・・・・・っ!」
俺が腰を打ち付けるたび、ぐちゅぐちゅと濡れた音が部屋に響く。
「も・・・だめ、だめ・・・・・・ああぁ!」
「どうしてだめなの?」
「あ・・・・・・っ、きもち、よすぎてっ、んあぁっ、やめてぇ・・・・・・」
「んー・・・・・・?」
根元までを埋めるよう奥深くまで入れて、ゆっくりと腰を引いて奥までずんっ、と一気に貫くのを繰り返す。
「あっ、ん・・・ふ、ぅ・・・んんっ」
余裕のない涼ちゃんを落ち着かせるために手を握り、唇をふさぐ。舌を絡めて弱い上顎をなぞると、握っていた手の力が少し抜けた。一生懸命に俺のキスに応えようと舌を絡めてくるのがかわいい。
「あ・・・・・・っ、ァ、あぅ、うう・・・・・・っんぁぁ!」
「んー・・・・・・っ、すご・・・・・・」
握った手はそのままに、唇を離してよりも奥深くまで押し込み、最奥をぐりぐりと抉るように動かすと、涼ちゃんちゃんは泣き声に近い喘ぎを漏らす。
「ぁ、あうう・・・・・・っ!あ、ぁん!ァッ、あああ」
開きっぱなしの涼ちゃんの口からは、ひっきりなしに喘ぎ声が上がる。
内壁のかたちを堪能するように動かしていた俺は、徐々に腰の動きを速めていく。大きなグラインドで、涼ちゃんの前立腺を擦り上げるように。
「ぁ、あああ・・・・・・っ!」
俺の動きに合わせてビクビクと跳ね上がる身体。
「涼ちゃんかわいい・・・・・・そんなに気持ちいいの?」
「も・・・・・・い、いく・・・・・・ッ、むり・・・おかしく、なるッ・・・・・・っああぁ!」
涼ちゃんの限界が近いとわかり、繋がったまま汗ばんだ身体を抱きしめる。涼ちゃんもすがるように、俺の背に腕を回して応えてくれる。
「ん・・・んう、ふ、あ、ぁあ・・・・・・わかい、好き・・・ああァッ・・・大好き」
「うん、俺も愛してるよ」
普段口にするのはちょっと照れるけど、行為中はこんなに簡単に口にできるんだから不思議だよな。
俺の言葉に涼ちゃんは生理的な涙と汗でぐちゃぐちゃになった顔でへにゃっと笑う。
「は・・・・・・っ」
その瞬間にぎゅっと締め付けられて、射精感が急激に襲ってくる。
「ああっ、は、あんっ・・・ぅあ、ああっあッ」
「りょちゃん・・・・・・きもちい、ッあ、俺すぐイっちゃいそう」
はっ、はっ、とお互いの吐息が荒くなって、それとともにピストンの動きも速くしていく。涼ちゃんは必死に俺の動きに合わせて腰を振る。
「あ・・・・・・っ、わかい、も・・・だめぇッ」
ふたりの荒い呼吸音と水音、肌と肌のぶつかる音が部屋を包み込む。俺は一心不乱に腰を振って、ガツガツと涼ちゃんの奥を突き上げる。
「や、あっ、ああっ・・・ひっあ、いく、いっちゃ・・・あああああぁッ!」
涼ちゃんは全身を激しく震わせて、ほとんど密着したお互いの腹や胸に白濁をまき散らしながら絶頂を迎えた。
「あー・・・・・・っ、出る・・・・・・くっ」
俺は身も心も満たされながら絶頂を迎えていた。
「ん、はぁっ、ぁ・・・・・・っ、ァ、う・・・・・・っ」
「は・・・・・・涼ちゃん」
涼ちゃんの痙攣が落ち着くのを待って優しく髪を撫でると、涼ちゃんはうれしそうに目を細めた。
本音を言うとまだ足りないけど、気だるげな涼ちゃんを見るとこれ以上は無理そうだ。そう判断してちゅぽんとナカから引き抜くと、涼ちゃんは「ぁ、っん」と小さく喘いで、甘えるようにして俺へ擦り寄ってくる。
明日もお互い仕事で、これだけ盛り上がってしまったのだから、もう寝たほうがいいのだろうとは分かっているのだけれど。
忙しい中での束の間の恋人の時間。この幸せな時間をまだ過ごしていたいと思うのは、俺も涼ちゃんも同じだった。
ひとまず色んな汚れでベタベタになった涼ちゃんの身体をタオルで綺麗に拭いて、あらかじめ敷いておいたバスタオルを除けシーツを替える。俺はまたさっとシャワーを浴びてベッドに入り、そっと涼ちゃんの髪に口づけた。
それから、頬に、額に、やさしく触れるようにキスを落とす。
「元貴に感謝しなきゃな。あいつがいなきゃ、涼ちゃんと出会えなかったんだから」
「僕のこと、お試しの人だと思ってたのに?」
涼ちゃんがいたずらっぽい顔でふふふと笑う。
「だから、それはごめんって!」
だって、ぼさぼさの金髪であんな奇抜な格好したやつ、マジでスカウトしたなんて思わないだろ。あの時は、涼ちゃんがこんなにも愛おしい存在になるなんて、夢にも思わなかったな。
「ねえ、若井」
出会った頃のことを思い出してぼーっとしていた俺のTシャツをきゅっとつかんで、涼ちゃんが真面目な顔で俺を見つめる。
その目はわずかだけど不安げに揺れていた。
「なに?」
「来年の誕生日も、僕が隣にいていい?」
「当たり前だろ。来年も、その次も。ずっと一緒にいてほしい・・・・・・俺たちさ、これからもいろんな壁あると思うけど」
「うん」
「一緒に乗り越えていこうな」
俺は、涼ちゃんの細い身体を強く抱き締める。
「一緒に・・・・・・うん、そうだね」
涼ちゃんは俺の胸元に顔をうずめ、安心しきったように息を吐いた。
「もっとこうしてたいけど、明日も仕事だしそろそろ寝ようか」
「・・・・・・ん」
小さくうなずいた涼ちゃんの唇にキスをひとつ落とす。
「おやすみ、涼ちゃん。大好きだよ」
「おやすみ若井・・・・・・僕も、大好きだよ」
来年も、再来年も。ずっとその先も。
ふたりの将来なんて、まだ全部は見えない。
だけど、確かに“いま”ここにいる。
隣で笑ってくれる、抱きしめたらあたたかくなる。
俺は隣にいるこの温かい体温こそが、自分の人生の全てを支える光だと確信していた。
wkiさん、お誕生日おめでとうございます🎂