シャット「…ハァー…」
満月の夜外でタバコを吸っていると後ろからドアが開く音がした
ハスク「…ファー…?シャル?」
シャット「あら、まだ起きてたんですか?ハスカー」
ハスク「お前こそ…まだ起きてたのか」
シャット「うん…ずっとタバコ吸いたかったから」
ハスク「1本くれ」
シャット「あー…はい」
ハスク「ありがとう」
火をつける
ハスク「スゥー…ハァー…」
シャット「…なんで外に来たの?」
ハスク「落ち着くだろ?しかも満月だぞ酒が進む」
シャット「ならお酒持ってこればいいのに」
ハスク「そうだな。一緒に飲むか?」
シャット「うん」
ハスク「よし、とってくる」
ハスク「ほら、いい酒だろ?」
シャット「そうだね。」
ハスク「てか思ったけどなんで触手が椅子なんだよ椅子作れよ」
シャット「…そんなこと言われても…疲れてるんだ自由にさせて」
ハスク「なんだよまたなんかあったか」
シャット「いや、なんにもない」
タバコを咥えて火をつける
ハスク「…何本目だよ」
シャット「まだ二本目だよ」
ハスク「吸いすぎるなよ」
シャット「…大丈夫…心配してくれてありがとう」
ハスク「?どこに行く?」
シャット「散歩する」
ハスク「そうか。気をつけろよ」
シャット「…どうも」
ハスク「あ、待て」
シャット「ん?」
ハスク「酔った勢いで人殺すなよ」
シャット「まだ酔ってないよ」
ハスク「ファー…俺も寝るか」
ハスク「……」
あいつ…なんでアラスターのコート着てたんだよ。
シャット「…やっぱりここにいた」
アラスター「ん?なんで?」
シャット「この赤いコート目立つから嫌です。もう着たくない」
アラスター「あなたが上着を破るからでしょ?」
シャット「あれは…」
アラスター「咄嗟に出した触手が服を破るなんてね」
シャット「あれは私も驚きました」
アラスター「あなたの下の服は体のラインが分かりやすいから手入れが終わるまで私のコートを着てください」
シャット「別に気にしないですけどね」
アラスター「一緒にいる私が気になります」
シャット「そうですか」
アラスター「さて鹿肉を買い終えたところです帰りましょうか。」
シャット「そうですね。」
ホテルにつく
ルシファー「?おや、仲良くお2人でデートかな?」
シャット「あらルシファー陛下ご無沙汰してます。」
ルシファー「どうした?2人でデートでもしてたのか?」
シャット「いえ、何も」
ルシファー「そうか…じゃあ君がベルボーイのコートを着てるのは?」
シャット「……」
アラスター「おや陛下やはり小さくて見えなかったですよいい加減子離れでもしたらどうです?」
シャット「…では失礼します。」
ルシファー「なぜ、猫が君のコートを?」
アラスター「そんなこと気にする前にいつボケるかお考えになられば?それか葬式代でも稼いでおられては?」
ルシファー「いい加減生意気な口をきく…」
アラスター「まぁ、でもそこでゆっくり休んでください。もうすぐ皆起きますよ」
シャット「……」
アラスター「?どこに?」
シャット「…外に」
ルシファー「待て外に行くのか?私もついて行こう」
シャット「…何も楽しくありませんよ。」
ルシファー「みなが起きるまで君に付き合ってあげよう。」
シャット「フッ笑 よほど暇なお方だ。こんなつまらない人間を構うなんてな」
ルシファー「なんだそれが本当の性格か?」
シャット「そうですかね。」
ルシファー「最近君のラジオを聞いた。相談を聞いてくれるのだな」
シャット「えぇ、なんですか?リクエストですか?」
ルシファー「あぁ、どうやったら娘と上手く関係を築けるんだ?」
シャット「……」
立ち止まる
ルシファー「?猫?」
シャット「…そういうのは私には分かりません。まぁでもこれだけは言えます…」
ルシファー「?」
シャット「家族という存在は当たり前では無いんですよ。すぐに失う。あなたは死んだことないから分からないと思いますが…」
ルシファー「……」
シャット「…私には家族の愛情を受けたことがないんです。あなたには妻や娘がいるだけで充分恵まれてるんです。」
ルシファー「…そうか」
シャット「…だから言ったでしょ…つまらない人間だと」
ルシファー「…いいや、聞いた私も悪かったよ」
シャット「いい。立場も地位も権力も大きな差がある。私のことを好きに使うがいいさ」
ルシファー「お前が苦しんでるのはそれじゃないだろ」
シャット「……」
ルシファー「お前は人を失ったから苦しんでる。しかも失ったのは自身の手で」
シャット「…だから?」
ルシファー「殺した理由は知らんだがお前は殺したことに後悔をしている。もう取り返せないという恐怖」
シャット「…いえ、もう慣れてるから…なんとも」
ルシファー「殺した相手は君の元大切な人だったからだろ?」
シャット「…なにを分かった口で聞いているんだよ…」
ルシファー「ん?」
シャット「私の何を知って言うか!分かるのか?何も分からないのに理解しようとするな!!」
ルシファー「……」
シャット「…同じこと…アラスターに言ったんです。その優しさは私には今不愉快なんだ…」
ルシファー「…これを優しさと思うならお前はどんな人生を歩んだんだ」
シャット「……」
ルシファー「…まぁ、理解出来ないのは当然かもなまだお前のことを全然知らない」
シャット「…ッ…」
ルシファー「そろそろチャーリー達が起きる頃か…では私は戻る好きな時に帰って来い。アラスターには私から伝えておく」
シャット「……」
髪がグシャッとなるほど頭を抱えうずくまる
シャット「……」
まず…私の話を黙って聞いてた時点で優しいんだよ…
ルシファー…この世に完璧などはないんだ。けれどあなたの絶大な権力偉大な歴史があるそれだけで完璧だ…王よ…
ホテルにて
アラスター「…そうですか…」
ルシファー「もしかしたらしばらく帰らないかもしれない」
アラスター「分かりませんが精神不安定で帰ってくるでしょうね。」
シャット「…ルシファー…キリスト教の堕天使…明星…傲慢や嫉妬から堕天…神に逆らい堕天」
昔は憧れてた。神話や歴史を好きになった理由だった。明星の「ルシファー」夜の「リリス」…神話には無い「ルシファー」と「リリス」の娘地獄のプリンセスの「シャーロット・モーニングスター」
シャット「…チャーリー…」
アラスター「…無責任なことを言いやがって」
ルシファー「聞こえてるぞ」
アラスター「仕方ない…ですね。」
ルシファー「よく何十年も一緒にいれたものだな」
アラスター「…あなたと同じですよ。私はあの人から離れられないし離れたくない」
ルシファー「…そうか…」
その日の夜
シャット「…アラスター…」
アラスター「あ、早かったですね」
シャット「…ルシファーはいないですか」
アラスター「さぁ」
シャット「…ねぇ…アラスター」
アラスター「ん?」
シャット「チャーリーが羨ましいと思う私はあなたのパートナーとしてやっていけますか?」
アラスター「…なぜそう思う?」
シャット「たかがあんな頭が花畑の小娘にみんなに頼られてる太陽のような存在だと思ってしまう」
アラスター「…なるほどね…」
シャット「…なんであなたはチャーリーを気に入っているんですか」
アラスター「…それは」
シャット「ルシファーの娘だから権力が欲しかったから?それとも…」
シャット「自分の契約主の娘だから?殺せると?」
アラスター「“もう1回言ってみろ”」
シャット「契約主の娘を人質にとり殺せるからか?」
アラスター「“お前…本当に殺られたいか、なぜその事を知っている?答えろ”」
シャット「あなたのことなんて私はよく分かっていると思う。でも私にもあなたにも秘密はあるでしょ?」
アラスター「……」
シャット「お互い好きでも知らない事はある。」
アラスター「そう…ですね」
シャット「…多分数日は帰らないと思います。コートは返します。」
アラスター「……」
シャット「…あ、知ってる理由は本人から聞きました。不快にさせてすみません…」
アラスター「…そうですか…あの人…」
シャット「……」
いつかその契約から救ってあげますから…待っててください
アラスター「そういえば指輪はめてますか?」
シャット「はい、ネックレスが切れたので」
アラスター「…あなた指輪の意味知ってますか?」
シャット「いえ、薬指は特別な場所ってこと知ってます」
アラスター「…その指輪…死んでるか生きてるか分かる指輪なんですよ。」
シャット「そうなんですね。だから死んだら分かるって言ったんですね。だからあなたも指輪つけてるんですか?」
アラスター「えぇ、死んだらこの指輪は無くなるんです。」
シャット「そうですか…では…」
アラスター「…ッ」
クソッなんで…なんでいつも彼女を不機嫌にさせてしまうんだ…俺は全て分かっているし理解しているのに
アラスター「クソ…が…」
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