side らっだぁ
あとから知ったけど、
ゲラは元人間で、
自分という存在が気に食わなかったらしい。
何不自由ない生活だったけど、
みんなに嫌われている気がして、
自分だけが遠くにいる気がして、
自分という存在が悪いと思ったらしい。
「なんでそう思っちゃうかなぁ」
少なくとも人は誰かには愛されている。
親でも友人でも
これから出会う人たちでも。
それでも愛しているという気持ちは届かず
愛されていないと感じる。
人間にはよくある事だ。
誰かが歩いてくる。その方向に向かって俺は
こういった
「どっかの誰かさんもそう感じてた時期があったんだって?」
「____」
その言葉はらっだぁにしか聞こえなかった
「大丈夫」
自分にか誰かにか、
言い聞かせるようにそう言い放ったひとつの単語
何もかも使いようによるのだ
「「らっだぁ〜!今度こそ遊ぼうぜ〜!」」
「はいはーい。何で遊ぶの?」
「そこら辺でとりあえずらっだぁをボコすっていう遊びがあって……」
「いいのか〜?かっちゃうよーん?」
「じゃあコマンドで」
「ずっる!w」
同じ地球に住んでいる
近くにいるのに遠いように感じる
声が遠く聞こえる。
手を伸ばす
届かない声と手
あなたが羨ましかった
ただ私は、みんなに愛されていたかった
愛されているなんて知らなかった
間違えなければ、愛されているってわかっていたのかな。
誰も見えない空間で聞こえる1つの単語、
『大丈夫』
「wwでさ〜」
「あの件大丈夫だったの?」
「あ〜、あれ?全然大丈夫!」
あの件があったからこそ俺にはわかる
人も人外も誰かには愛されること
「今日も頑張るか〜!」
「みんな俺が嫌いなんだって」
____完結
コメント
1件
完結おめでとうございます! めちゃめちゃ最高でした(*`ω´)b!