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「つらい」
ある夏の日、僕と2人だけで一緒に帰っている途中、彼女は涙目で急に僕に向かって言ってきた
彼女…いや、永宮 奏帆は中学2年生になってからはいつもつらそうだった
中1の頃は僕達5人組といる時もいつも「楽しそう」にしていたのになにかがあったのだろうか
1学期中盤からとても気になっていたが、いつも喉でつっかえてしまい、たったの5文字の言葉すら出てこない
僕は永宮さんにすら「どうしたの」が言えないなんて…
そう思っていた…
きまずい…
僕が口を開こうとしたら
「あっ…ごめんね。 こんなこと言ったって意味無いもんね… 私があんなこと言ったからきまずい空気にしちゃったね。 …私ってホントにバカだなぁ」
永宮さんはそういったそして、また2人とも沈黙してしまった
僕は永宮さんに言いたいことがあった
だがそれを今話したら永宮さんはまた泣き崩れてしまうだろう
「永宮さん…後で話したいことが…」
そう僕が言うと
「尚翔くん、今。話して欲しいな… …あっ!ごめん!無理なお願いしちゃって! 今話したくないなら後で話してもいいんだよ! 今じゃなくて平気だよ!」
永宮さんは申し訳なさそうな顔をしている
永宮さんが今話して欲しいと言っているから静かなところに連れてって言うとするか…
「永宮、さん、今、話す、けど、こっち、来て。」
しどろもどろになりまくった…
終わった…
自分の中での死を覚悟していた
だが彼女は同意してくれた
永宮さんと僕は静かなところに行った
「びっくり…しないでね?」
心臓がバクバクとうるさい
「うん…」
覚悟していそうに言う永宮さん
この永宮さんも好きだ。
もちろん、恋愛対象としてだ。
友達に恋愛感情が湧くなんて僕は何してんだ…
「言うよ…? 実は僕…」
「うん…」
「永宮さんのことがとても好きなんだ…」
ついに僕は言ってしまった…
今言っても引かれるだけなのに…
僕はなんてバカなんだ
「あっ、ありがとう…」
永宮さんはそう言って微笑んでくれた。
微笑んだ永宮さんはとても可愛い
いつも笑っていたら可愛い顔なのに、なぜ笑わないのだろう
少しの沈黙の後、僕と永宮さんは1歩1歩、
帰り道を歩んだ