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ギデオンに背負われて着いた所は、そこそこ立派な家だった。ギデオンは小屋だと言ってたけど、リオからすれば家だ。しかも村で暮らしていた家より二倍は大きくて頑丈そうだ。 ギデオンが分厚い木の扉の前に立つと、すぐに開いてアトラスが飛び出てきた。


「ギデオン様っ、リオは?」

「無事だ」


リオはギデオンの背中から顔を出す。

アトラスはリオに気づくと、くしゃりと顔を|歪《ゆが》めた。


「リオぉ、よかったぁ。崖から落ちたって聞いたからさぁ。あの崖高いんだよ…あそこから落ちて助かった人いないんだよぉ…」

「あ、そうなんだ。落ちる時に枝にぶつかったからかな?死なずに済んだよ」

「でも容態がいきなり変わるかもしれない。しばらくは油断したらダメだよ。頭とか打ってない?」

「たぶん…。足が痛いけど」

「ええっ!ギデオン様、早く城に帰りましょう!一刻も早く手当を!」

「まあ落ち着け」


ギデオンが落ち着いた声でアトラスをたしなめる。アトラスの横を通って中へ入り、暖炉の前の椅子にリオを下ろした。


「アトラス、布を」

「ああっ、俺がやります!ギデオン様も身体を拭いてください」

「俺は濡れたままでも平気だ」

「わかってます。ですがギデオン様も油断はダメです!」

「おまえはうるさいな。わかったから、早くリオを拭いてやれ」

「はい。ギデオン様もお早く」


アトラスから大きな布を受け取ったギデオンが、ゴシゴシと無造作に髪の毛を拭く。

リオがその様子をぼんやりと見ていると、良い匂いのする布を頭から被せられた。


「わぁ」

「リオ、寒くない?なんか震えてるよ」

「え?寒くないし震えてないけど」

「いやいや、震えてるって。熱が出てきたんじゃない?」

「いやいや、大丈夫だって」


リオの頭を拭きながら、アトラスが正面からのぞきこんでくる。すごく心配してくれているとわかっているけど、アトラスの情けない顔に、リオは思わず微笑んだ。


「アトラス、心配してくれてありがとう。俺、昔から運が強いんだ。前にも崖から落ちたけど大丈夫だったし……あ」

「はあ?前にも落ちたことあんの?それって運が強いっていうより悪いと思うよ!」

「ええ、そうかな」

「そうだよ!な、アン」


リオの頭に布を被せたまま、アトラスが小さな布でアンの全身も拭く。

アンは気持ちよさそうに目を細めながら、アトラスに同意するように「アン」と鳴いた。

余計なことを言ってしまったと、リオは心の中で舌を打つ。


「前にも崖から落ちたことがあるだと?」


その時、いきなり頭上から低い声がして、リオは顔を上げる。

ギデオンがリオを見下ろしている。黒髪の先から垂れた雫がリオの頬に落ち、思わずリオは目を閉じた。


狼領主は俺を抱いて眠りたい

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