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cp、ヤマ、オチ、全てありません。
自衛は各自でお願いします。
ベースが某3人のオリ曲です。
日も傾き、空に大きな月が浮かぶ夜、立ち並ぶビル群の電気が明々と街を照らしている。
そのうちの一つ、珍しくもない社畜たちが仕事に追われていた。
いや、その場にいた6人のうち、3人は既に帰る支度を始めてはいたが。
「じゃあ3人とも、お先ね〜!」
「大人たちは頑張って〜」
「ほとけっちのお金で飲みでも行こーよ」
「はぁ!?なんで僕の奢りなの!!」
「ご馳走様っす!いむくんさん!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎながら部屋を出ていく3人に残っているないこ、If、悠佑は恨めしそうな視線を向けた。
「そりゃ仕事の種類が違うから帰る時間が違うのは承知の上だよ…だけどさ〜〜!!俺も早く帰りたい〜!!」
「言うなないこ。それを言ったら終わりや。」
「アニキだって早く帰りたいんじゃん!!」
先に退社した3人、りうら、-hotoke-、初兎が扉を閉め終わった途端、ないこは声を上げて喚き出した。それを死んだ魚のような目で窘める悠佑。仕事は一向に進まない。
ないこはこれ以上パソコンに向き合っても埒が明かないと諦めたのか1度回転椅子をくるりと回して伸びをする。
グッと体が伸びて少しだけリラックスできたようだった。
しかし再びパソコンに向き合う元気までは取り戻していない。
その様子に悠佑は苦笑しつつ自分も首をコキコキと音を鳴らす。
と、これまで何も反応せずただ黙っていたIfが、痺れを切らしたかのように叫び出した。
「っあぁぁ〜~~!!ないこた〜〜ん!!!疲れた〜〜〜!!!」
「うわ!うるさいなぁ!俺も疲れてるよ!」
「まあまあ、確かにこんなやってたら集中力も続かへんしちょっと休憩にでもしよか?」
「アニキ!」
「ったく、ホントにアニキはまろに甘いんだから。」
「ないこも根詰めすぎると効率落ちるで?出前でもとってちょっとええ気分味わおうや。」
屈託のない笑みを浮かべる悠佑をさあ誰が断れようか。
「っっ……ピザ食いてぇ!!!」
「お、ええやん。ピザ頼もうぜ。」
「何ピザがええかな。まろは酒も欲しい」
「酒はダメ。さすがに職場で飲むんはアカンよ。」
「いいやつ頼もうよ。子供組に送ってやれ!」
ぎゃいぎゃいと、先程までの意気消沈ぶりが嘘かのように騒ぎ立てる3人。
悠佑を中心に、ないことIfはスマホのメニュー表を覗き込む。
「王道にマルゲリータもええけど照り焼きとかも気になる。」
「クアトロフォルマッジ!あまじょっぱいは正義や!」
「シーフードだって!俺ガッツリいきたい。」
「お前ら何枚くらい食える?」
「まろは人並みや。そこの胃袋お化けと同じすんなよ」
「1人ずつ好きなの頼むか、ハーフ2つ頼むか。」
「2つでええんちゃう?」
先程までの仕事の進捗とは反比例に、話はどんどん進んでいく。
結局、マルゲリータ&クアトロフォルマッジ、シーフード&照り焼きと決まり、オーダーも済んだことで3人はほっと息をついた。
「給料日前のこの背徳感!堪んねぇな!」
「ほんま、精神的にもお財布的にも、な。」
「…今日何時に帰れると思う?」
「むしろなんで今日帰れると思った?むりだろ、この仕事量は。」
「あああぁぁぁ、ですよねぇ〜〜〜!!」
どこに話題を振っても仕事に帰結することに3人はげんなりしつつ、それでも少しずつ仕事を進める。
「社畜にも休みがほしいです。まろは酒入らんとやってけへんよ…」
「明日も仕事あるからなぁ。でも明日乗りきったら休みやから。」
ポン、と悠佑がIfの頭に手を乗せて慰めると、それだけでIfは顔をほころばせた。
「よっしゃ、大人組、もういっちょ気合い入れ直して頑張るか!」
今日も今日とて社畜はパソコンに向き合う。
ビルの電気が消えることは当分なさそうである。