この二人のBL無さすぎて自給自足してます。
もっと増えても良くないか。
そこの貴方、増やしましょう、一緒に。
文才なんかありません。
案の定駄文。駄文。
cpはどこかに記載してます。
主はにわかです。解釈違いがあると思います。
※ご本人様には関係ありません。
学パロ
年齢操作
倫理観が終わってる
にわとりさん可哀想
tyym、ymtyお好きにどうぞ
とあるショート動画に影響されてます
キーンコーンカーンコーン…
今日最後の終業のチャイムが鳴ると同時。先程までは比較的静かだった教室が、途端に騒がしくなる。
一番後ろの窓際の席に座り、元気だなぁ、なんて他人事に捉えながら、中途半端に数式が書かれたノートを閉じ、教科書とまとめて机の中に突っ込んだ。
担任はまだ来ていない。来たとしても教室は騒がしいままだろうし。これは帰るまでにもう少しかかりそうだ。
SHRが始まるまで、音楽でも聞いていようか。そう思い、鞄から愛用しているヘッドホンを取り出し、スマホのプレイリストを開く。校則が緩いとこういうことできるからいいんだよなぁ、とヘッドホンをつけようとしたとき、喧騒の中でもよく通るような、心地の良い声が鼓膜を揺らした。
『はい、みんな座ってー!そろそろ先生来るよ』
声のした方。隣の席に目を向ければ、制服をきちんと着こなした男子生徒の姿。
教室に居た生徒達がその声に反応して、各々自分の席に戻っていく。やんちゃな生徒も素直に従っているのは、その男子生徒への信頼が故だろうか。
⌜わざわざみんなに声かけるとこ、剣持って真面目だよなぁ⌟
⌜分かるわ、うちのクラスの優等生くんだもんな⌟
『何言ってんの。僕は早く帰りたいだけだから。ほら、お前らも早く座れって』
⌜あらヤダ剣ちゃんのツンデレー!⌟
⌜男子校の姫ー!⌟
『ぁ”ー、うぜぇ…』
そのやり取りに各所で笑いが起こる。それに剣持、と呼ばれた生徒も小さく笑いながら、椅子に腰を下ろした。
ふと、僕からの視線を感じたのか剣持さんの翡翠の瞳が此方を向く。
やば、と思ってほぼ反射的に目を逸らした。悪いが僕は陰キャに分類される人間であり、イケメンと目を合わせるなどハードルが高いにも程がある。あまり話したこともないんだから、目を合わせたら気まずくなるのが目に見えてるんだ。許して欲しい。
誰にともなく心の中で言い訳をしつつ、そろりと横目で剣持さんを見遣る。剣持さんはまだこちらに顔を向けていて、にこにこと僕を見つめていた。
僕は今度は窓の方向へと思い切り顔を逸らす。多分奇行だったと思う。
『んふふ、そんなに怖がんなくていいのに』
隣から鈴を転がすような可愛らしい笑い声が控えめに聞こえてきて、終わったことを確信した。すごい気まずい。最悪だ。
窓に映った僕の顔が赤くなっていくのを見ていられなくて、思わず俯いたとき、ドアの開く音と担任の声が聞こえた。これ程まで担任に感謝したことが今までにあっただろうか。
SHRも終わり、連れ立って教室を出る生徒。教室の掃除をする日直の生徒。部活へ向かう生徒。友達と戯れる生徒。それぞれが好きに放課後を過ごし始める。
そういえば終わってない課題があったし、早めに終わらせておこうかとプリントを取り出す。どうせあと数問だからすぐ終わるだろう。
紙の上にシャーペンを滑らせつつ、隣から聞こえてくる会話に静かに耳を傾ける。どうやっても聞こえてしまうものだし、聞かれたくないなら他所でやったらいいし、なんて、また言い訳をしながら。
⌜剣持、今日部活ないんだろ? ゲーセン行こうぜ⌟
『やだよ、お前ら騒がしくて恥ずかしいし。あと僕今日予定あるから』
⌜あら剣ちゃんったら思春期なのね!?お母さん悲しいわ!!⌟
⌜いつの間にそんな子に育っちゃたのかしら…!!⌟
『きっっ…』
⌜ドン引きすんなって剣持ぃ!⌟
『するだろ男子高校生がそんなのしてたら』
⌜ぴぇん…!⌟
『…..』
⌜おい。…まあ、用事あんならしゃあないわ、また今度な!⌟
⌜何の用事か知らんけどいってらー⌟
『ありがと。じゃあ、また明日ね』
The・男子高校生のような会話に自分の中で劣等感と罪悪感が渦を巻くが、それを頭を振って霧散させ、最後の解答欄に答えを書き込んだ。
課題を机の中に突っ込み、筆記用具を鞄に仕舞うと、ヘッドホンを首にかける。別に首にかけなくても良いのだが、やはりこちらが落ち着くと、小さく満足気に頷いた。
ふと教室を見渡せば、ほとんどの生徒はもう廊下に出ていて、教室の中には僕以外に数人しかいないようで。別にここに残る理由もない。鞄を肩にかけ、足早に教室を出た。
上履きから靴に履き替え、正門へと向かおうとしたとき、視界の端を藤色が掠める。
あれ、剣持さんだよな? さっき用事があるって言ってたけど…
少し気になって、藤色が消えていった方向に足を向ける。ほんの少しだけ様子を見たらすぐ帰ろうと、校舎裏の方へ足を進めた。この先に何があるのかなど、露程も知らずに。
突然だが、うちの高校には鶏の飼育小屋がある。数羽の鶏がおり、動物と触れ合うことで生命の尊さを知ることや、それを飼育し、責任感と社会性を養う目的がある、らしい。らしいというのは、一応僕は生物係として世話をすることはあるし、そこそこ愛着はある。が、他の生徒もそうかと言われれば首を捻る。場所も校舎裏なこと、飼育小屋自体あまり清潔とは思われないこと、そのためほとんどの生徒はあまり頻繁に様子を見に来ることは無いのだ。
そんな鶏の飼育小屋の前に、剣持さんは静かに佇んでいた。校舎の柱の陰に隠れ、様子を伺う。剣持さんはしばらく小屋の中の鶏を見つめたあと、鞄を地面に置き、そこから何かを取り出してポケットに突っ込んだ。取り出した物が小さかったことと、見えたのが一瞬だったせいで、それが何かまでは分からない。
キィ…
軋んだ音を立て、剣持さんが飼育小屋の扉を開く。え、何してんだろ、なんて困惑しながら見ていれば、剣持さんは扉の近くにいた鶏を一羽両手で抱えあげ、素早く扉を閉めた。
本当に何をしているんだろうか。鶏は基本的に生物係か先生の監視下でないと小屋から出しては行けない。そもそも鶏を出すことに何のメリットがあるだろうか。悪ふざけや悪戯か。剣持さんは誰かが悲しむような悪戯をするような人ではないと思っていたが。
『…….あはっ』
瞬間、その思考は霧散した。
「…..ぇ…」
突如として視界に現れた赤に思わずたじろいだ。鶏の白い羽毛が。踏みしだかれた土が。剣持さんの綺麗な肌が。真っ赤な血の色に染まっていく。
それは。その血は。鶏の首から噴き出していた。
剣持さんの手にはカッターナイフが握られていて、刃は鮮血で赤く濡れていた。
剣持さんが、殺した。
自分よりもずっと小さな生き物を。あんな無惨に。冷酷に。あんな顔で。あんなに楽しそうに。興奮したように。
身体が震え出す。声が喉に張り付く。脳が警鐘を鳴らす。心臓がばくばくと音を立てる。
早く離れよう、ここから。
その一心で震える足とうるさい心臓に鞭打って、ふらついた足取りで駆け出した。
なんで。どうしてあんなことを。
あの場から走って逃げて。少し距離を置いた今も心臓はまだ早鐘を打っているし、手は自分でも可哀想な程に震えている。縺れそうになる足を引きずるように、あの場からできるだけ離れる。纏まらない思考はぐるぐると眩む。
正門近くの倉庫の裏。誰にも見られないような場所で屈み込む。呼吸が荒い。心臓がぎゅうぎゅうとして痛い。
あの剣持さんが、なんであんな酷いことを。頼りがいがあって、ノリも良くて、文武両道に秀でてて、こんな僕にも優しくて。そんな普段の剣持さんからは想像も出来ないような顔で。いとも簡単にひとつの命を…
そこまで考えてふるりと身震いをした。
だって。あんなのいつもの剣持さんじゃなかった。僕の知ってる剣持刀也じゃない。こんなことってない。だって、あんなの、あんなの…..!!
「…好きっ♡すきぃぃ…っ♡♡」
思わず喉から絞り出された声。だって仕方がないだろう。あんなものを見せられてしまっては。
聡明で優しげな翡翠が蕩ける様も。 いつもは可愛らしい笑い声を奏でる口から吐き出される熱っぽい吐息も。白い肌に映える鮮血も。容赦のないあの態度も…!!
胸がきゅうっと鳴く。どうしようもなく顔が熱い。きっと自分は今、情けないくらい惚けた顔をしているのだろう。
もしもあの瞳に見つめられたなら。あの赤に染まった華奢な手で弄ばれたなら。 あの唇から吐き出される愚弄の言葉に心身を切り裂かれたなら!
興奮で震える手で自らの身体を抱きしめる。身体は熱っぽく火照っていた。
「…ほしい…..」
彼が欲しい。内側から込み上げる欲を素直に認めれば、また胸の奥がきゅん、と締め付けられる。
好き。好き。大好き。
身体に燻る熱をため息と共に吐き出した。
『…夢追、翔…さん』
なんだ、見られてたのか。鶏の死骸を人目につかない場所に投げ捨て、近くにある水道で顔と手を洗いながら先程の光景を思い出す。
柱の影からこちらを伺う紅い双眼。白い肌がほんの少し赤らんで見えたのは気のせいだろうか。思い込めばそうとしか思い出せない割に、頬を染める理由など僕には思いつかない。怒っているのならもっとそれらしい表情をすればいいはずだろうし、足をもつれさせながら逃げる理由も分からない。
彼の目に、僕はどういうふうに映っただろうか。
記憶から引きずり出してきた曖昧な映像。画質の悪いそれでも、つい意識してしまったのは、あの紅玉のような瞳で。あの瞳は僕をどのように捉え、どのような感情を映し出しただろうか。ちゃんと見ておけば良かった、なんて考えて、ふと気づく。いつの間にか、殺めた鶏よりも、飛び散る赤と鉄の匂いよりも、彼、夢追さんに興味をそそられた。
『…いいな』
ふつふつと湧いて出たそれに自然と口角が上がる。いつもは人と関わることに消極的で、それでも誰かと話す時は常に笑顔。そんな彼が恐怖し、傷だらけの身体に苦しんで、怯えた顔で涙を流して、そんな絶望に染まった瞳で僕を見つめたならどうだろうか。それはきっと綺麗に他ならないだろう。
別にあれが見られたことはもうどうでも良くなってきた。血が飛び散る様は綺麗だが、どうせこんなことでは満たされもしなかったんだ。そろそろ別のことをしてみよう。
彼はどうすれば僕好みになるだろうか。
幸い同じクラス、しかも隣の席なんだ。色々試してみようか。優等生というレッテルを利用すれば、多少強引でも問題ないだろうし。
期待と興奮に胸を膨らませながらも、紅潮する頬を諌めるように、顔に冷たい水を打ち付けた。
コメント
3件
有難う御座います...(突然死)
なんかもっと上手くかけた気がするんですねこれ。 誰かしらにリメイクして欲しいですね。リメイクください。私はもう限界です。ありがとうございました。