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『side out』
挑戦者『だってよコハク!もう出てきていいぞ〜?』
挑戦者の合図で出てきたのは、並行世界のゴクウブラックの専属メイド長、黒又コハクだった。コハクの表情には哀しみがあるものの、その足取りは何かを決意したかのように着実なものだった。そして、コハクはブラックの前までやって来たところで、ぽろぽろと涙を零した。
コハク「…ブラック様は……優しくてかっこいいご主人様だと思ってました。けど、違ったんです。」
ゴクウブラック;IF「………」
ブラックは『そりゃ当然だ。』と心の中で自責し、顔を歪ませた。だが、コハクの口から吐息のように出てきた言葉は、ブラックが思っていたものとは大きくかけ離れていた。
コハク「ブラック様は……私なんかのために必死になって飛び出していっちゃう、いい意味の馬鹿です……っ。」
ゴクウブラック;IF「は…!?」
いい意味の馬鹿………そんな言葉がブラックの脳を何度も行き来する。そして少しずつ、次第にブラックの表情が明るくなっていった。
コハク「…けど……そうだとしても、私に内緒で行っちゃうのは…寂しいです。だから…今度出かける時は私も連れてって下さいね?それが私の…………ブラック様の、専属メイド長の務めですから。」
コハクは目に涙を浮かべながらも、満点の笑みで言った。その言葉がブラックの凍りついていた心を溶かしたのか、彼の表情は幾分マシになっていた。
コハク「………す、すみません!私、変なことを……!」
ゴクウブラック;IF「いいんだよ。」
ブラックはコハクの小さな体を抱きしめてそう言った。そんな彼の眼には昔のような光があった。
ゴクウブラック;IF「悪かったな、コハク。………挑戦者も、サンキューな。」
挑戦者「ふふーん、もっと褒めてくれてもいいんだぞ〜?」
ゴクウブラック;IF「お前にはさっき言ったろ。」
…………………………
……………
『数日後……』
コハク「ブラック様?起きる時間ですよ?」
ゴクウブラック;IF「むにゃ……あと4時間だけ……」
コハク「ダメです!!」スパァァァン!!
ゴクウブラック;IF「あだっ!?」
あの日からシェアハウスに戻ってきたブラックは、コハクのハリセンによってほぼ強制的に叩き起こされていた。平和な日常が戻ってきた………と言いたいところだが、まだ問題は山ほど残っている。挑戦者が一度撃退したカイザーPMCがコハクを狙う理由も、その親玉であるカイザーPMC理事の行方も分からない。しかし挑戦者は、
挑戦者『あのド屑は僕に任せておきなって。お前はコハクとの時間を楽しんでおけばいいから。』
と言って、他の協力者と共に捜索へ向かったそうだ。
ゴクウブラック;IF「…………(コハクを狙う理由はわかんねーけど、今はもう少しだけこの時間を満喫するか。)」
コハク「ブラック様〜、朝ごはん冷めちゃいますよ〜?」
ゴクウブラック;IF「おう、今行く!」
疑問の念を心の奥にしまい込み、黒き偽りの孫悟空は勢いよく自室のドアを開けた。
Fin………
コメント
14件
途中まで読んだけどめっちゃすごっ
執行者:帰る時間早すぎやろワレェ… シャドウツー:スパァァァァン←これ好き ネナ:いい意味の馬鹿……マリオさんね メタナイト:カービィもだな。
みぅです🤍🥀 お疲れ様でした…「最終話:今はこのまま」読み終えました…。 コハクが「いい意味の馬鹿」って言ったところ、すごくグッときました。ブラックの心が溶けるシーン、読んでるこっちも温かくなりました。最後のハリセン起こし(笑)も可愛くて、日常が戻ってきたんだなってほっとしました。 13話完走、お疲れ様でした。 完結おめでとうございます…!🌙🤍