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昔昔、屋根裏に住む「ピーター」という少年がいました。
ピーターは外に出たことがなく、人の愛情を知らぬまま育ちました。ピーターが初めて家を出た時は知人のお葬式でした。
悲しみは奥底に眠っていて、なんとも言えない気持ちでした。
そんなピーターに光をくれた少女がいました。ベルはピーターのために絵本を持ってきて一緒に読んだり、お話をして過ごしていました。
でも、ベルはピーターに別れを告げなまま、遠くの国へ行ってしまいました。
ピーターは必死になって探しました。ベルを探す旅の途中で色々な人と出会い、色々なことを知りました。ベルがいなくなって一年、今日はピーターの15歳の誕生日です。旅で出会ったケーキ屋さんでケーキを買いました。
ふわふわのスポンジに塗られたクリームはそれはそれは甘くて、ほっぺが落ちそうでした。
ピーターの誕生日が過ぎた3日後、ふわふわと白色の雪が舞い落ちて来ました。
ピーターにとっては初めての雪で、こんなに美しいのかと感心しました。
でもピーターの目的はベルを探すこと。ベルに会うために色々な人に聞き回って話を聞きました。
もう聞くのが150回目になると思った時に遠くからベルの声がしたんです。どこか懐かしくて、大好きな声でした。
ベルの声がする方へと急いで走りました。ベルの声が1番近く聞こえます。
ベルは笑っていました。フェンスの隙間から見えるベルは最後に会った時と変わらなかったのです。
そして犬のリードを掴んで走り回っています。
ピーターは宿命を果たせたと雪の上を寝転びました。
ピーターの幸せはベルの幸せ。
ベルが幸せならピーターは何も望むことは無いのです。
ヒラヒラと雪が舞って、雪がだんだん固くなって来ました。ピーターは寒水石の上で眠っているのかと思いました。
カチコチに固まって雪は今朝とは違って氷の粒です。
ピーターは眠たい目を擦って歩きだしました。
もう時間は夜の7時。ベルの声もしなくなって疲れたピーターは宿に泊まることにしました。
「明日こそ、ベルに会えるだろう!」 そう張りきってピーターは宿の中に入っていきました。
───屋根裏のピーター───
「話はここで終わってる。ページはビリビリだ。」
ピーターは小さい頃よく母が読んでくれた、「屋根裏のピーター」を読んでいた。
自分の名前だからとふと屋根裏で見つけた一冊。
でも僕とは全然違う人生を歩んでいるんだ。