テラーノベル
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注意事項
・この作品はwrwrd様の二次創作です
・軍パロ
・死ネタ
・Not腐
・捏造
・本人様とは関係×
なんでも許せる方だけお進みください
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「はー…よくねた…」
体を起こし、背伸びをしながら、くあぁ…と欠伸をする。
カーテン越しの淡い光が目にはいってくる。
「まぶし…」
立ち上がり、普段の服に着替え始める。
白いウエストに水色のサスペンダー。
瓶底眼鏡をかけ、懐中時計を首にかけた。
その時、放送がなった。
『皆さんおはようございまーす。もうそろそろ朝食のお時間なので食堂へお越しください。』
「はぁ…行くかぁ…」
眠いけど。
✱
「ci。おはよ」
「おはようございます…」
食堂に入るとhtが挨拶をしてきた。
右手には白色の手袋が握られており、先程まで畑作業をしていたようだ。
「眠そうだね」
「ちゃんと寝てるんですけどね…しかもなんか身体怠いし…」
「そうなの?あまり酷くなるようならsnのとこ行くんだよ」
「はい…ありがとうございます…」
数分経つと、続々と幹部達が入ってくる。
「あれ、ci早いやん」
「え、あぁ…うん」
声をかけてきたのはこの国の書記長様、tn。
「なんか眠そうやな。寝不足か?」
「そういうわけちゃうねんけどな…はは…」
「…飯食い終わったら寝とき」
「でも、まだまだやらなあかん書類残っとるし…」
「ええよ。いつも頑張ってくれとるから。期限あれなら少しは延ばしたるから」
そう言って、tnは俺の頭に手をぽんと置いた。
「そぉ…?じゃあありがたく寝させてもらうわ…」
自分で言うのもあれだが、tnは俺に甘い気がする。
昔からの知り合いというのもあるのだろうけれど。
✱
ご飯はまったく喉を通らなかった。
というか、手が震えて口に運ぶことさえ疎か。
一応、念のために完全食を一つだけ自室に持ってきた。
「はぁ゙…だっる…」
ベッドに倒れ込むように横になる。
天井の模様がやけに歪んで見えた。
「…なんや、これ」
目を擦るが、視界はぼやけたまま 。
「ぃ゙っ…」
頭に痛みが襲ってくる。
さっきまで何をしていたのか、一瞬、わからなくなる。
「…あれ?」
俺、なんで横になっとるんやっけ。
✱
それから物事を忘れることが増えた。
小さなことから大きなことまで
ついには、自分の名前までわからなくなるときがあった。
仲間にどうしたかと心配されることもあったが、どうにか隠してきた。
でもとうとう、隠せないところまで来てしまった。
仲間の名前も、わから、ない…?
「あれ、仲間って、だれ…」
✱
「ci?なにしとん?はよ遊ぼーや!」
「とん、とん?」
「…どしたん?なんか変やで?」
「ぁ、いや!なんでもない!」
「そう?ならええけど」
ーーーーーーーーーーーー
「__の!_ーの!」
「ci!!」
「っ、ぇ…?」
「やっと起きた…床で倒れとるからびっくりしたわ…」
「……」
目の前に映ったのは、きっちりと七三分けされている髪に、真っ赤なルビーの瞳の青年。
どこか見覚えがある。
あぁ、tnか。
小さい頃のtnによく似ている。
tnが大きくなったらこんなんなのかな。
「ci…?」
「…えと、…だれ、?」
目の前の青年の顔が、ぐしゃっと歪む。
真っ赤な瞳が、ほんの少し揺れた。
「…俺や。tnや」
tn。
その音が、頭の中で転がる。
とん、とん。
さっき、誰かが呼んでいた。
「…とん…とん?」
「せや。お前の仲間やろ」
仲間。
その言葉に胸がぎゅっと締め付けられた。
知っている、はずなのに。
なのに、霧がかかったみたいに、輪郭が曖昧に映る。
「…ごめん」
掠れた声が出る。
「ちょっと、寝起きで頭ぼーっとしとっただけ」
笑おうとしたけれど、うまく口角が上がらなかった。
その瞬間、激しい頭痛が走る。
「っ゙…」
視界がバチンッと白く弾けた。
膝が崩れ落ち、床に手をつく。
「ci!」
青年が慌てて支えてくれた。
あたたかい。
あたたかいのに
誰なのか、わかなくなりそうで
とてつもなく怖い。
「…やだ」
ぽつりと零れた。
「やだっ゙……」
何が嫌なのか、自分でも説明できない。
でも、何かが、どんどん消えていく。
頭の中の、本棚から、本が一冊ずつ落ちていくみたいに。
名前。
顔。
思い出。
自分。
「…sn呼ぶから待ってて」
青年の声が、かすかに震えているのがわかった。
そのあと、白衣を着た青年が来た。
その青年はsnだと名乗ってくれた。
その後、いくつか質問をされたり、光を当てられたりした。
そして———
「…認知症だね」
「にんち、しょう、…?」
言葉が、うまく返せなかった。
喉の奥で絡まって、出てこない。
「うん。世間ではご年配の人だけのイメージがあるんだけど、最近では若い子も」
「じゃぁ、おれ、いつか…みんなを忘れてまうってこと…?」
「…うん」
「…ちー」
「tn…」
tnの言葉を遮るように口を開いた。
「おれが、みんなのこと、忘れそうになったら、ころしてくれる?」
「お前、何言って、」
「やって、みんなのこと忘れてまうなら…忘れる前に、憶えてるときにっ…」
涙が目から溢れていく。
ぽたぽたと下に垂れて、服が一部濡れる。
「忘れてもうて…、知らん奴に殺されるくらいなら、憶えてるうちに、なかまにころしてもらうほうが、何倍もええっ…」
「…ci。なんで忘れたら殺される前提なん?」
「え、」
「俺らは別にciが俺らを忘れてもう、殺そうとは思わん」
涙で滲んだ視界の向こうで、tnがまっすぐ俺を見ている。
「忘れたからって、終わりちゃうやろ」
「でも、おれ…」
「お前が俺らを忘れてもな、俺らはお前を忘れへん」
強くて、あたたかくて、頼りに声。
「名前忘れても、毎日教えてやる。
初対面でもええよ。何回でもやり直したるから」
頭に、ぽんと大きい手が置かれる。
きっと、この手は、あたたかいのだろう。
「一人で抱えんな。ciが怖いと思うこと、不安に思うこと、全部俺らで半分こや」
「…っ」
喉が震える。
こんなに優しいのに
こんなに救われてるのに
それでも、怖い。
自分が自分でなくなっていくのが。
みんなの顔が、少しずつ薄くなっていくのが———
✱
それから数ヶ月。
ciが忘れていく速度は、俺が想像してたより、遥かに早かった。
最初は名前。
「あの、ヘルメット被っとるって誰やったっけ」
ciは笑いながら誤魔化そうとしていた。
次は、書類を前に、手が止まることが増えていた。
そして、関係。
「…どなた、ですか?」
その言葉を向けられた日のことは、一生忘れられない。
俺を見る。
真正面から、真っ直ぐ、
知らない人を見る目で。
笑おうとしたけれど、多分笑えてなかった。
✱
「ちー、いー、のー」
ベッドの前で屈んで、今日も名前を呼ぶ。
返事はない。
それでも毎日呼ぶんだ。
そう決めたから。
忘れられても、俺は忘れないって。
「初めまして」
心臓が痛いなぁ。
「俺はtn。君の幼馴染であり仲間です。」
何回目かな、この自己紹介。
ciはきょとんとした顔で、俺を見るたあと、
ほんの少しだけ、申し訳なさそうに眉を下げる。
「…ごめんなさい」
その一言で、目尻が熱くなる。
謝るな。
謝らなくていいんだ。
お前のせいじゃないのだから。
言葉にすると、全てが溢れ出して、止まらない気がして、何も言えなかった。
✱
やがて、ciはあまり喋らなくなった。
飯もほとんど手を付けない。
ciの綺麗だった手は、日が過ぎる度に、骨が浮き出て、ずっと軽くなっていく。
記憶が削れていく度、身体も削れていくみたいだった。
止められない。
どんなに凄いsnでも
昔から一緒にいる俺でも。
✱
ある日、 いつもより早く目が覚めた。
嫌な予感がして、早足でciの部屋に向かう。
扉を開ける。
ciの目は開いていて、永遠と白い天井を見上げていた。
「ci」
声が、震える。
怖い。
返事がなかったらどうしようって。
「…だれ」
掠れた声。
いつもと言葉は変わらない。
でもいつもとは違う。
その一言で、全部理解する。
あぁ、そうか。俺は、こいつの中におらんのや。
「俺は…」
言いかけて、そこでやめた。
どうせ、伝わらない。
諦めてしまった。
滲んだ視界の中で、ciが俺を見る。
俺の目を、じっと見つめて。
「…きれい」
その言葉だけで、涙が出そうになる。
覚えていないくせに
最後に残ったのが、そこかよ。
「…ごめんなぁ」
なんで謝るんだ。
なんで最後まで優しいんだ。
俺のほうが、謝らなくてはいけないのに。
手をぎゅっと握った。
「冷たいなぁ…」
でも、まだ、微かに温もりはある。
「ci、俺はな」
“お前のこと、ずっと大切やで”
そう言うつもりだった。
でも、声が詰まった。
手の甲に、ぽたと何かが落ちた。
ciが、ゆっくりと瞬きをする。
目を見つめても、焦点が合わない。
「…ありがとう」
それが、最後の言葉なのか。
ありがとう、って。
俺の言葉なのに。
俺が言いたいのに。
言わなくちゃいけなかったのに。
次の瞬間。
微かに聞こえていた、呼吸音がぴたりと止まった。
静かに、眠るみたいに。
僅かに入っていた手の力が、すっと抜ける。
「…ci?ci、ci!!」
何度呼んでも、返事はない。
ciの胸に耳を当てる。
音は、もう聞こえない。
わかりたくなくて、現実を見たくなくて
何度も、何度も、名前を呼ぶ。
でも、戻ってこなかった。
「…ci…」
きっと、俺の声は震えていただろう。
「おやすみ…いい夢見てな…」
最後まで、手は離せられなかった。
忘れられても
何度“初めまして”を繰り返しても
名前を呼ばれなくなっても
俺は、最後まで———
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お久しぶりです。
このネタは前々から書こうと思ってメモってたんですけど忘れ去られてました。
メモには↓のように書かれてしまたね。
ciが認知症。
仲間のことも自分のことも、なんもわからなくなっていってそのまま死んじゃう話。
なんか想像と少し違うものができてしまい、これじゃない感やばいです
最後のほう納得できん!!!
そして最近全く投稿できてない!!!!
どうしよう!!!!って焦ってます
コメント
3件
まじで泣きかけたんだけど!!!!!!!! これでもまだ違和感あんの!?!?!? え、いや語彙力ありすぎねちみ やっぱりすげぇよ!!! 何食べたらこんなすごいん思いつくんだ!!!!
神作品過ぎて何も言えなさ過ぎる作品でめちゃくちゃ気にいりました。 ありがとうございます!!!