テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

渡辺は長年、頭痛と付き合っている。ちょっとくらいじゃ平気で仕事をするくらい。だが、油断していると、目も開けていられないくらいの頭痛が襲ってくる。




明日から東京ドーム。岩本も参加することが決まった。

朝起きて、渡辺はまた毛布の中に戻る。やって来たのだ、特大の頭痛が。手探りで携帯を探し、岩本に電話する。



渡辺ーひかる・・痛い。

岩本ー頭痛か?熱は?

渡辺ーない、痛い・・ひかる・・。

岩本ーすぐ行く。



毛布の海の中、丸くなって渡辺は目を閉じている。

静かに岩本が寝室に入ってきた。

薬と水を持って。だが、強い薬なので飲むと眠くなる。

今日は、通しリハ。参加出来るだろうか?



岩本ーどうする?

渡辺ー行く。

岩本ー昼ご飯食べた後くらいが、やばいか?

渡辺ーん、薬飲んでそれくらい。

岩本ーこんな強い薬、今飲んで、昼ご飯食べた後も飲むなんて言うなよ?

渡辺ーだって、痛いし。

岩本ー夕方、起きてられないだろう?

渡辺ーんっ・・んっ・・だって・・いたい・・。

岩本ー泣くな、余計に痛くなるから。俺はもう少ししたら行くから、目黒に連絡するから、準備出来るか?

渡辺ーんっ・・ひかる・・ひかる・・んっ・・。



岩本に抱きしめられ、熱いキスをし、薬が効いてくるのを待つ。

ひと足先に岩本が出かけて行った。

寝室から毛布を引っ張ってきて、ソファで丸くなって目黒の来るのを待つ。



目黒ー大丈夫?

渡辺ーじゃない。

目黒ー休んだら?

渡辺ー明日から東京だぞ。怖いこと言うな。

目黒ー薬持った?

渡辺ーん。

目黒ー着くまで目閉じてなよ?

渡辺ーありがと。



スタジオでは、岩本が気になるけど知らん顔してる。

目黒と渡辺がやってきた。そのまま控え室に。リハが始まっても、目黒は出てきて参加しているが、渡辺が出てこない。岩本が様子を見に行った。リーダーだから誰も何も言わない。



岩本ーどうだ?

渡辺ーばか、お前が来るな。

岩本ーリーダーとして、見に来てる。あんまり治らないなら、帰らす。

渡辺ー大丈夫。行く。



岩本と渡辺はスタジオに出てきた。

渡辺が目黒を睨む。笑う目黒。



岩本ー皆んな、続きから。

佐久間ー翔太、頭痛か?

渡辺ーん。

佐久間ー明日からだぞ、大丈夫か?

渡辺ーいや〜どうだろう?

佐久間ーおいおい。

岩本ー喋ってないで。



お昼前には、薬がきれてきた。

顔をしかめる渡辺。目黒がスタジオの隅に連れて行く。少し見学だ。眠くなる、うつらうつらとしてしまう。遠くから岩本がチラッと見た。渡辺は俯き眠ってるよう。

今日はそんなに遅くまでしない。

確認出来た時点で帰ることになる。



昼休憩。

渡辺は目黒と阿部とラウールといる。食欲がない。何か食べないと薬が飲めない。目黒が渡辺の前にプリンを置いた。渡辺が目黒を見ると、目が岩本を見ている。

黙ってプリンを食べる。そして薬を飲んでひと休み。



渡辺ー夕方までには終わるよな?

目黒ーどうだろう?そんな早く帰れるかなぁ。

渡辺ー確認だろ?午後5時には帰りたい。

目黒ー薬がきれるの?

渡辺ー4時くらいから怪しくなる。

目黒ー寝ちゃうんでしょ?

渡辺ーん、強い薬だから。

目黒ーそれを朝と昼飲んでるから。

ラウー確実に寝るね。

渡辺ー言うな。

阿部ーふらふらで、怪我しないでよ?

渡辺ー頑張るけども!

目黒ー眠気が勝つんだ?

渡辺ー4時に1度、声かけてくれ。

目黒ー分かった。



ハードなダンスも軽く流していたら、岩本が睨む。

心の中で「ムカつく〜」と思っているが、ちゃんと踊らない渡辺が悪い。小さく手を上げる。



渡辺は、だんだんふわふわしてきた。身体も熱い。熱が出たかも。

目黒が支えて控え室に行く。

岩本がもう「無理だから帰れ」と言ったのが聞こえてなかった。



渡辺ーあ、俺どうした?

目黒ー岩本くんがもう無理だ帰れって。

渡辺ー分かった、ごめんな、着替え手伝ってもらって。

目黒ー岩本くんちに行くんでしょ?

渡辺ーん、寝てる。

目黒ー分かった。気をつけて帰って?

渡辺ーありがと。



タクシーで岩本の家へ。

適当にあった服を着て、ベッドで丸くなって眠ってる。

夜7時前に岩本が帰って来た。



岩本ー寝てるか?熱はっと。



体温計を渡辺の脇にはさみ、頭を撫でる。体温は38.4度。

明日からのことを考えたら病院に行った方がいい。

まだ、入院患者も起きている。

病院に電話して、人目につかないようにしてもらう。



岩本ー寝てるんで、抱えて行きますので、誰にも会わないようお願いします。



夜間入り口から入り、すぐストレッチャーに乗せ、岩本はいつもの部屋だと聞いたから、水を買って後から部屋に行く。



医師ー強い薬を2度飲んでるようなので、夜中まで起きません。渡辺さん、すぐ薬飲んでしまいますが、あの薬は1度の方がいいんですけどね。

岩本ー言ってるんですけど、耐えられないみたいで。うちのメインボーカルなんで、治ってもらわないと。

医師ー明日からでした?

岩本ーはい。何とかなります?

医師ー点滴で、熱は下がると思います。でも、薬は1度にしてください。

岩本ーどうしてもの時は?

医師ー東京にいらっしゃるから、夜中でもいつもみたいに連れてきてください。

岩本ーありがとうございます。

医師ー点滴あと1時間くらいなんで、お大事に。

岩本ーいつも、ありがとうございます。



1時間過ぎて、岩本の家に帰って来た。渡辺はぐっすり眠ってる。

岩本はシャワーを浴びて、晩ご飯を食べ、渡辺の様子を見て、深澤と電話で話していた。



渡辺ーひかる・・。


岩本ーふっか、ごめん誰か来たみたい。

深澤ーチャイム鳴った?

岩本ーん、小さく。

深澤ーじゃあ、明日。


渡辺ーひかる・・ひかる・・。


岩本ー明日な!



渡辺ーひかる・・そばにいなかった。

岩本ーふっかと電話してた。

渡辺ー熱ない。頭痛も楽になった気がする。

岩本ー当たり前だ、病院行ったんだから。

渡辺ーいつ?

岩本ーお前が寝てる間に。

渡辺ーだから、身体が楽なんだ?

岩本ーいつもの看護師さん、まだ来てなくて先生が処置してくださった。

渡辺ーん、ありがと。

岩本ーふっかに、翔太の声聞こえたかなぁ?

渡辺ー嘘!

岩本ー俺を呼ぶ声、聞こえてないといいけど。



渡辺が両手を広げている。

岩本は少し考えたが、渡辺を抱きしめた。ベッドで岩本に抱きしめられながら。




渡辺ーまだ寝れる。

岩本ーもう寝よう?

渡辺ーシャワー浴びてくる。

岩本ー熱いの浴びて、すぐ服着ろよ?

渡辺ー分かった分かった。



さっぱりした渡辺は、岩本の横にするりと入ってくる。

岩本は熱を測って、大丈夫だと確認して渡辺を抱き寄せる。

「ふふふ」と笑う渡辺。熱いキスをして、大人しく寝た。





深澤ーナベの声に似てたけど・・。






loading

この作品はいかがでしたか?

1,163

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚