第14話スタート
いつも思っていた
考えていた
彼は、いつになれば俺と一緒に居てくれるのだろうと
笑っていた
笑っていたはずだった
なのに、どうしようもない感情が
俺の中に湧いて、溢れて、俺を飲み込んでいく
どうして?
どうして、刀也さんは
その笑顔を他の人達に見せるの?
どうして
俺は、いつからこんなに醜くなってしまったのだろう
いつから、俺は。
彼の幸せを、願わなくなってしまったのだろう
剣持「ガッくん…?」
「っ…!」
少し怪訝な表情をしていそうな声が聞こえてくる
「刀也…さん…」
今まであんなに動けていた体が
その声を聞いた瞬間に止まった
加賀美「剣持さん!全ての主犯は伏見さんです!」
剣持「え…?」
少し震えた声で、彼は答えた
あぁ
やっぱり
俺は、幸せになったらいけないんだ
「…刀也さん」
剣持「ガッくん、どういうことなの?
ガッくんが主犯って…そんなわけ…」
「本当です」
剣持「ッ……!」
何かを止める気力もなくなり
口から事実が溢れ出す
「最初は、こんなのじゃなかったんです
刀也さんと少しでも長くいられれば、それでよかった。
だけど、一緒にいるほど、自分が抑えられなくなっていって、今回に繋がったんです」
少しの沈黙が流れる
それを破ったのは自分だった
「最低…ですよね。俺も、そう思います」
だから。
俺が、しなくちゃいけないことは。
「刀也さん、俺…もう刀也さんの側にいれません」
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