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何故だったかきっかけは覚えていないが、ほとけと俺ん家で飲んでいた。
いや正確に言えばほとけだけ、飲んでいた。
「ちょっとお、なんか僕だけ飲んでるじゃん」
「ダイエット中やから控えてんねん…ほとけのあほ面見ながらご飯食えば食欲も失せるやろ」
「はあ?最低なんですけど」
言葉の通り俺はダイエット中だったため、飲酒はなるべくしないようにしている。軽くほとけと雑談しながら少なめの夕飯をちまちまと食べていると、ほとけがもうビール2本目に手をかけていた。
「なんか今日飲むの早くね」
「んー?そうかなあ、喉乾いてるのかも」
「乾いてるんやったら酒じゃなくて水のめや」
「やだぁ….人と飲むビール久しぶりだもん….」
どうやら既に酔いが回っているようで、発す言葉の語尾が伸びている。ふわあと欠伸したほとけを見ていたら、仕事の疲れか、俺も眠くなってしまったようで、机にうつ伏せになって目を閉じるとゆっくりそのまま意識を手放した。
次起きたのは、俺が寝てから多分1時間半後だった。多分。がばっと起き上がって前に座っていたはずのほとけを見ると、ぽろぽろしくしくと涙を流していた。
「え、いや、ど….どうしたん」
困惑して声をかけると、ほとけはこちらを向かずにまたぽろぽろしくしくと涙を流す。
「いふくん、だってえ、死んじゃったかと、思ったあ、じゃん….ひぐ、」
「いや….は、?はあ…」
これは相当酔ってるな…と周りに落ちている空き缶を足でカランと蹴る。酔うと情緒不安定になるほとけ、日頃の疲れもあったのか飲みすぎたらしい。寝てた俺も悪いな….そう思い、ほとけに肩を貸す。
「おいほとけ、帰るぞ、歩けるんかお前」
「んう、いいよ、いふくん、」
「話通じひんこいつ」
ふらふらとしているほとけを肩で支えて玄関を出る。比較的ほとけの家は近い方なので運動がてらに担いだまま歩いていこうと思った。
….っと思ったのだが、その選択は間違っていたらしい。途中に唐突な雨に降られて、なぜかテンションが上がって水溜まりに入ろうとするほとけを必死に引きずり、俺自身の黒いズボンも雨まみれになりながら、やっとの思いでほとけの家に到着した。
とりあえずリビングにほとけを放り投げて、棚に入っていた適当な服とタオルを投げつける。
「ごめんほとけ、寒いから先にシャワー借りるわ」
雨で冷えて汚れた身体を温かいシャワーで流す。満足して出ると、ふと俺が服を持っていないという失態に気づいてしまった。しゃーない、服借りるか。腰にタオルを巻いて、リビングに向かう。
「ほとけ?おーい、ほとけ、服借りたいんやけど、おーい」
ほとけはまだ濡れたままの格好だった。こちらを見て少し目を見開いたあと、立ち上がったものの何も喋らない。
「まだ酔ってんの?俺もう服勝手に借りるからな」
そう言ってくるりと背を向け、棚に向かおうとした。
のだが。
唐突に後ろから思い切り抱きつかれて、ぐらりとバランスが前に傾く。
「い”っ、たぁ….んだよ急に….」
うつ伏せになっていてほとけの顔は見えないが、なんか変なテンションになってないか?
「ちょっと、聞いてんの…..って、ん”ッ!?」
口の中に指を突っ込まれる。ぐちゃぐちゃと歯のつけ根、舌、唾液を掻き回されて、あたまがぼんやりしてくるのが分かった。
「ッぅ….ふぁ….んっ//」
唾液が口の横からぽたりと垂れると、ほとけは指を抜いた。おれの唾液がほとけの指にまとわりついているのが見えた。
何が起こったのか考えようとすると、そのぬるぬるした指を後ろに突っ込まれてまた頭が働かなくなる。
「ぃ、!たい…っい”ッ….やめろ、!」
痛くて、気持ち悪いのに、自身の唾液で確実に奥まで進んでいく指。それと同時に、段々と感じてきてしまう快感。
「はあ、っ、ひ!….ッお前、まじで、んぅ!?//」
いい所をかすってぴりりと電気が流れる。前立腺あたりを刺激されて、俺自身も勃起してしまった。よだれがたれて、ふるふるとイきそうになる。
「んっ、は、もお、イ…ッ…って、ぇ、なんで」
イきそうだったのに、とうつ伏せの状態からほとけの顔を見あげようとする直前で指を抜かれてしまったのだ。すると、ぐるりと体制を仰向けにされる。
熱の籠ったほとけの目とあって、くらりと目眩がする。
「ほとけ…っんぅ!?」
「…いふくん、どうしてほしい?」
「しら、んわ、はよ抜けっ!」
また指を入れて、唐突に聞いてくるもんだから、抜いて欲しい一心で強く言う。それなのに、ぐにぐにと指を出し入れされて、またイキそうになってしまって情けない。
「ッふう、は、んん、ぁっ…//」
「どうしてほしい?」
「だから、はよ抜け、あほっ、」
「….ふ〜ん」
するりと指を抜かれた。何かすると思えば、そのまま萎えるまで放置。
「なあ、!なあ、ほとけってば!」
「……」
「っ”、!急に、いれんなぁ!ん”ぁ、あぅ…っ」
「…どうしてほしい」
「お前、まじで、死ね、変態っ!あん、ぅ」
「….いふくんって案外馬鹿なんだね」
「は、お前の、方があほやろ、あほ、このあほ…ひぅ、あ”、やっ、!」
何度もイきそうなのにイけなくて、焦れったくてしょうがない。はあはあと肩で息をする俺自身も痛くてしょうがなくて、色々と限界だった。
「はぁ、ひ、ほとけ、」
「どうしてほしい」
「…..っ指、触って、イかせて…っくださ..//」
羞恥心で死にそうだ、でも快感には抗えなくて。
必死に言うとほとけはにこりと笑って、指を動かした。
「ん、やめ、ん”ぁ、”〜ッ//」
やっとイけた。それだけで満たされて、気持ちよくて、何も考えられな
「ッひ…..ぇ、?」
いつの間にかバスタオルははがれて端っこの方に飛ばされていて、俺のうしろには、ほとけの熱いものが宛てがわれていた。
「どうしてほしい?」
その質量と熱を感じて、またくらりとする。そこも、聞くのか。つい、またおねだりをしそうになったところで。
「…..何やってんねん、ほんま酔いすぎやで。
お互い疲れてるんやしはよ、ほら寝よ。」
ふと正気にもどる。そうだ、早く寝よう、ほとけとするなんてあってはいけない。
ほとけを無理矢理べりっと剥がして寝室にはいる。案外あっさり引いたな、と思ったのもつかの間。
「これ、勃ってるのにどう寝るの?」
「つか、むなって、んっ….」
俺は勃起していて、たしかに、このまま寝るのはと気が引けるくらいには興奮していた。寝室の入口で、バックハグの状態で俺のものを擦られる。ぐちゃぐちゃと先走りがほとけの手について、汚れていくのが目に入ってしまう。
「っふ、触んな、ひ、ぁ、んぅ、ッ」
「ねえ、続き、ヤる?ヤらない?」
そんな耳元で聞かれて、拒否権なんて与えられるはずないだろう。また俺は快感に流されてしまった。
「…………ヤ、る」
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とりあえず起きた時に感じたのは、肌寒さだった。
それと、いふくんが僕の家にいるという疑問。
次に気づいたのは、僕もいふくんも真っ裸でべっどに並んで寝ていたという事実。そして、いふくんの身体にも僕の身体にもかぴかぴしたものがついている。
「…..まさか、まさかまさかまさか」
さあっと青ざめていくのがわかる。脳が処理しきれない。
「っ….ほとけ、?」
いふくんがむくりと起き上がって、目を擦り、こちらを見る。その目の周りは少し赤く腫れていて。布団から出た身体には赤いマークがいくつかついていて。
恐ろしい予感が確実なものとなった瞬間。
「ちょっ、ほとけ!?」
がばっとベッドの上で土下座する。布団に頭を擦り付ける。
「あの、本当に、ご、ごめんなさい….」
ちらりといふくんを見ると、昨夜を思い出したのか、怒っているのか、顔を真っ赤にするいふくんがいて、僕まで赤くなってしまう。ちがう、今はそんな場合じゃないんだって。
「な、殴っていいから、ほんとに、ごめ、」
はああ、とため息が聞こえてそろりと起き上がると、いふくんは僕のワイシャツとズボンを着ていた。
「….昨日のことはもう忘れろ、俺は帰る。
服、持ってないから借りるけど、後で返すわ」
「え、えっ、帰るの、ちょっと、いふく、っ」
ここでも引き止めてもっと謝ったりいたわったりした方がいいはずなのに、僕はまた何も出来ずにいふくんはパタンと家から出ていってしまった。
最悪だ。お酒の力で、好きな子にレイプしてしまった、もっと慎重にやるはずだったのに。もう合わせる顔がない。
そんな絶望している僕は、後日酔ったいふくんからキスされるとは、微塵も思っていなかった。