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久しぶりの桃瑞を作ろうかと…( ᐛ )
「傘を半分」
放課後の昇降口を出た瞬間、思わず足を止めた。 空は灰色に沈み、粒の大きな雨がアスファルトを叩いている。 今日は天気予報なんて見てこなかった。傘を持っていないのは、自分だけかもしれない。
桃「 やらかした… 」
独り言のようにため息を落としたとき、横から声がかかった。
瑞「 傘、忘れたの?」
顔を上げると、そこにいたのは瑞だった。
クラスでも目立つほど可愛らしい雰囲気で、睫毛の長い瞳に見つめられると、一瞬で言葉を失ってしまう。 彼の手には、小さな折り畳み傘。差し出す仕草が自然で、だけどどこか恥ずかしそうでもあった。
瑞「 良かったら 、入ってく ? 」
桃「 ぇ … ? 」
ほんの少しのためらいとともに差し出された傘。 それだけのことなのに、胸の奥がじんわり熱くなる。 狭い傘の下に、彼と並んで立つ自分を想像してしまい、心臓の鼓動が早くなる。
瑞「 ぁ、もしかして 嫌だった ? 」
桃「 いや、そういう訳じゃなくて …… じゃ、じゃあ… 」
ぎこちなく笑いながら傘の下に入る。小さな折り畳み傘は二人並ぶには狭すぎて、自然と肩がぶつかる距離だ。
桃「 … っ ! 」
心臓が変に跳ねるのを誤魔化すように、俺は少し体を引いた。
瑞「 ちょ 、そんなに 引いたら 肩 とか ぬれちゃうよ? 笑 」
そう言って俺の腕を少し引っ張り、狭い折りたたみ傘の下にきちんと入るようにしてくる。思わずその行動に、胸がキュッとなる。狭い傘の中、肩が触れ合う距離で、雨粒の音しか聞こえない。
桃「 ありがと … 」
小さな声で返すのが精一杯だった。
瑞 はふと俺の顔を見て、にっと笑う
瑞「 桃君 、変な顔してる … 笑 」
桃「 へ… ? 」
瑞「 桃君 って たまに 一人で ニコニコ 笑ってるよね ~ ぁ、もしかして 自覚ない 感じ?」
気づかなかった。瑞を見てて 、俺 何度も ニコニコ してたんだ 。傍から見るとやばいな。
しばらく無言で雨音だけが傘を叩く。
瑞「…あのさ、なんで傘忘れちゃったの?」
桃「うっかり、かな」
言い訳にもならない返事に、彼は小さく笑う。
瑞「うっかりって…水も滴る良い男になっちゃうよ?笑」
冗談っぽく言われて、思わず笑ってしまう。
桃「そんなことないって 笑 」
瑞「そう? でも、傘持ってて良かった」
にっこり笑うその顔に、俺は思わず目を逸らす。
桃「俺も……本当に助かった」
瑞「ねぇ、桃君って 、意外と顔整ってるよね」
桃「ぇ … ? 」
狭い傘の下で肩が触れる距離、雨音と彼の声だけ。 ちょっと照れた声でそう言われた瞬間、胸がじんわり熱くなる。
桃「な、なにきゅうに… ? ⸝⸝ 」
瑞「彼女さん とか 居ないの? 居なかったら 瑞 が 恋人 立候補 しようかな? 」
ニヤニヤ笑いながら言う彼はとても可愛らしくて愛おしい。俺はそんな彼に操られてるかのように釘付けだった。
瑞「 なーんて 冗談 っ ♪ 」
桃「あ、煽るのやめてよ … 笑 」
笑いながらも、平静を装っているけど、心臓はさっきからバクバクしている。
この時間がいつまでも続いていたらいいのに。それだったらきっと俺は思いを言える。けど、そうも上手くいかない。
桃「 … 俺 、こっちだから 。 」
瑞「 ぁ、そうなんだ 」
桃「 … うん 」
簡単な返事しかできず、視線を下に落とす。
雨音の中、ほんの少し笑顔を交わす。でも、気持ちはまだ胸の奥に隠したまま。
今日も、好きな気持ちは伝えられなかった。
でも、傘の下で過ごした一瞬の距離は、確かに暖かくて、切なかった。
小さな折り畳み傘を握る彼を見つめながら、心の中でそっとつぶやく。
「 綺麗 だなぁ … 」
言葉にはせず、二人は雨の中を別々に歩き出した。 それでも、片思いの気持ちは静かに、少しだけ満たされていた。
なんやろうこれ 🤔
桃瑞って片思い系がなんかいっちばん好きなんだよね 。𝖢𝖯によってなんか変わるよね。どーゆう系がいいのか。
ちな主は桃赮だと毎回ドロドロになります。
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