とにかく今日は休日だし 街に出てみる事にした。
いつもは下を向いて歩いている道も顔を上げて歩くと色々なことがわかった。
そこらじゅうに警察官がいるのだ
それもただの警察じゃ無くバットやグローブといった物騒なもので武装している…
これがイデアとか言うやつなんだろうか?
一瞬、世紀末を疑ったがそれ以外はほとんど変わりなかった。
その時…
思わず耳を塞いでしまったが間違いなく爆発音が街中に響いた。
俺が戸惑っているうちに警察官達が手慣れた様子で音のした方向に走って行った。
俺も何が起きたか気になったので追いかけてみる事にした。
現場について目に見えたものは俺の常識を超えていた。
銀行…いや銀行だったものが跡形も無く…
それどころか瓦礫の一つも残っていなかった。
一番驚いたのが、銀行”だけ”が綺麗に無くなっていた事だった。
その銀行の跡地に2人の男女が居た。
警察官が敬礼しているのを見るにお偉いさんなのだろう。
男の方は、メン・イン・ブラックのエージェントJ…つまりウィル・スミ〇みたいな顔だ。
女の方はアジア顔だがどことなく韓国みがある。
現場は野次馬でごった返していてうるさかったがなんとか盗み聞きする事ができた。
「これは…“例”のイデアの仕業ですね」
「はぁ…アメリカ、オーストラリア、韓国と来て今度は日本なわけ??」
異様だった…
明らかに育ちも出身も違う様に見える2人がどちらも流暢な日本語で喋っているのだ。
これもイデアの能力なのだろうか。
「あんたの仮A級鑑定スキルは確かに正確だけど、このペースで犯人が移動できるかしら?」
「相手が複数人のグループの可能性も…」
「さっき自分が言った事を忘れたの?現場の痕跡は全く一緒よ。」
そんな言い争いをしているうちに1人の中学生くらいの子が2人に近づいていった。
見た目はまさに日本人の中学生そのものだ。
「すいません、そろそろ本部会議の時間です」
「チッ…仕方ないわね、一旦戻るわよ」
「わかりました」
「それではしっかり掴まってくださいね、まだこのイデアが発現して10日も経ってないんですから…」
その子が2人の体に触れた瞬間…
音もなく消えてしまった。
話を聞くにテレポートでもしたのだろうか
結局、何も分からずに家に帰ってきてしまった…
テレビをつけるとちょうどそのニュースがやっていた。
「本日午前、◯◯市内の銀行がイデアによって破壊される事件が発生しました。」
「この事件の現場証拠からアメリカなどで発生している連続イデア建物爆破事件と関連性が疑われています」
「幸い、銀行職員は全員無事だそうです」
「この事件で国内でのイデア犯罪は8件目となりイデア使用に対しての危機感がプツッ… 」
….頭が痛い。
思ったよりもイデアの影響は大きいらしい。
そんな事を考えながら昼飯を作って食べる…
「はぁ…俺もあの子供みたいに便利なイデアが使えたらなぁ…」
半ば憧れだ。
一瞬で場所を移動できる能力、使いこなせたらどれだけ楽だろうか…
誰にも会わずにバイトや講義に行けて、周りを気にする必要がない。
とても欲しい能力だな、と思うものの…
いまだに自分のイデアの詳細がわからない俺は論外だろうか。
…ピロン!
「お知らせ、『孤独は創造の調味料』の能力により、『空間転移』の能力の創造に成功しました」
1.「空間転移」
任意瞬間移動、部分瞬間移動の使用が可能です
コメント
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なるべく更新早めにしたいけど、受験もあるし週一くらいが限界かも...