放課後、一人で帰っていた所に若井が来た。
wkI「んねぇ、この後予定空いてる?空いてたらさ、カフェ行かないっ?」
omr「…行かない、」
自分であんな事を言ったのだから、顔なんか見れない。
wkI「なんでよぉ~、予定あるの…?でも木曜日は予定無かったでしょ?」
いつもは冷たい猫みたいな性格の若井がこんなに喋りかけてくる。
もう僕は友情なんか捨てた。
空を向いて歩いていると、足に大きいものが当たった。
omr「わか…っ!!」
wkI「んしょ…っと、じゃあ行こっか、」
“大きいもの”というのは、若井だった。
前に転け、若井の背中にちょうど乗っかった。
omr「…ちょっと、下ろしてよ、重いでしょ、?」
wkI「やだね~、元貴が落ち着いて話してくれるまで下ろさないもん」
僕は諦めてもたれ掛かる。
若井は構わず道を進んで行く。
omr「若井~…?ごめんね、酷いこと言って…」
喋りかけるのに勇気が必要だった。時間はかかったけど、喋りかけれて良かった。
wkI「びっくりしたよ…小学生みたいに泣いてさ、皆に大声出してまでなんか言ってたから…いつもとは全く違うな~って感じてさ、でも、俺はなんとも思ってない。元貴が謝ることじゃないからね?」
…やっぱり若井は優しいんだ。
omr「あんなこと言ってごめん、関わらないでって言ったけど、やっぱり若井と喋ってたい。」
wkI「良かったよ本当に…」
思わぬ優しさに、涙があふれる。自分はこんなにみっともなかったのか…
ずずっと鼻をすする。
wkI「泣いてる?どうした、話聞くよ?」
omr「ごめ…っ、迷惑だよね、っ…」
wkI「何が迷惑なの…たまには甘えなよ?もうすぐ元貴の家着くから、」
僕の家、?若井の方が近いのに、下ろしてくれてよかったのに…
若井の家から遠く逆方向の僕の家。若井の家に行くには、遠回りしなければならない。
omr「ぅあ”…~、っ」
もう限界を超え、涙が止まらなくなった。
wkI「大丈夫だよ?俺は元貴のこと嫌いになったりしないから、」
静かに僕のことを下ろし、下を向いている僕の頬を大きい手でつつみ、若井の方へ向かせた。
若井と目が合う。若井の顔は涙でよく見えないが、少し笑っているように見えた。
wkI「聞いて元貴、元貴は悪くないし、誰も嫌ったりなんかしない。友達なんか減っても、俺が居るから。毎朝顔見に行くし、補習は絶対着いていく。テストの勉強も絶対一緒にやるし、試験なんか絶対合格させてあげる、…ね、?元貴は、味方が沢山いるでしょ?」
頬を叩かれた時、もう僕は友達なんか居ないと思っていた。
涙を拭ってくれる若井。
omr「ひく” …ッん、”」
優しく抱きしめて、頭を撫でてくれた。
暖かい。若井の心臓の音が聞こえる。若井の匂い、すごく落ち着く。
僕の記憶はそこまでだ。
コメント
3件
え ぇ っ、 な ん か 切 な く 感 じ る の 気 の 所 為 、? で も な ん か 悲 し い 感 じ が す る (