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どこからか声が聞こえる…。 私を呼んでいるのだろうか。
?「…ま………さま……ひ…さま…!姫様!朝ですよ!」
そっと目を開く。すると目の前に、執事のような格好の青年が立っていた。
you『おはようございます………ん?え?ちょっとどこから私の家に入ったんですか!?け、警察呼びますよ!?』
寝ぼけて挨拶したが、よくよく考えてみるとなぜ私の家に勝手に人が入って来ているのだろうか。混乱していると青年が口を開いた。
?「姫様?急に取り乱されていかがなさいました?昨晩のお夜食に変なものが混じっていたのでしょうか?」
執事のようなコスプレをした青年はオロオロとした様子で私を見ている。聞きたいことは沢山あるが、なぜこの青年は勝手に家に入っているのか。そしてなぜ私のことを″姫様″と呼ぶのだろうか。
you『ひ、姫様?って私のこと?…ですか…?』
?「あなた様以外にいらっしゃいますでしょうか。気高く美しいこの魔界の姫様です。」
魔界?何を言っているのだろうこの人は。とりあえず逃げようと思い部屋をパッっと見渡した。部屋には黒を基調としたゴシックな家具たちが並んでいる。やっと気付いたが、ここは私の部屋ではない。
you『えっと、ココはどこなんですか…?』
?「どこって、姫様の自室ですが?大丈夫ですか?やはり体調がよろしくないのでしょうか?」
どうやら青年は不法侵入でもふざけているわけでもないようだ。
警戒して周りを見渡していると、ガラス張りの棚に銀髪の目鼻立ちのシュッとした、辛口系の美女が映っていた。
思わず見惚れてしまい眺めていたが、その美女も私を見つめていることに気づいた。
少し頭を下げて礼をすると向こうも全く同じ角度で礼をした。違和感を覚え、私は自分の右手を鏡に向かって動かしてみた。
すると棚の中の美女も向かい合うように手を上げて動かしていた。
you『あれ、?これって鏡…?ということはこの美女は私なの…?!』
?「姫様、棚に手を振ってどうされたのでしょうか?」
これは夢だろうと思い、自分の腕をつねってみた。しっかりと痛みがあり、キメの整った白い肌が赤くなった。
私は一瞬にして悟った。
you「これが、異世界転生というやつか………!」