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はい主です⋯最近塾の宿題が多すぎる!先生めっちゃひどい!
じゃ始めます。
「あたしが大きくなったらになったら、あたしを海のお城につれてって!」
あたしはその子の手をぎゅっと握って言った。
「あたし、あなたのお嫁さんになる!」
その言葉にその子がなんて返事したのかは全く覚えていない
ただはにかんだ笑顔はとても覚えている
そして渡されたのは、バラの花びらのような朝焼け色の桜貝
約束の印だとわかった。あたしは何も持っていなかった。ちょうど黄色のヘアゴムが余っていたので
それを渡した。桜貝とヘアゴムじゃ釣り合わないけど、あたしは一生懸命だった
「大人になったら必ずここに来るから!あたしも行くから」
泣きながら言ったあたしの頬にキスして、その子は、大きな岩の上から海に飛び込んだ。
エメラルドグリーン色の尾びれが飛沫を跳ねあげる、向こうからあたしを探しに来たボートが遠くで見えた。
あたしの命の恩人で、そしてあたしの初恋の相手は、白色の髪と宝石のようなキラキラとした輝きを持つミヨゾティス色の瞳を持った人魚の男の子だった。
朝の日差しの下、亜麻先輩と佳奈ちゃんの笑い声が響く。
波打ち際で裸足になって追いかけっこをしている。まだ5月だというのに太股らへんまで水に浸かっている。
康太先輩は砂浜で寝ていて、隣に座っている隼汰先輩は、とても分厚い小説を読んでいる。
「こら!自由時間じゃないんだぞ!ちゃんと絵を描き始めなさい!午後までだ!ラフで提出だ!」
顧問の山田先生が口に手を当てて叫んでいる。佐々木先輩と真矢ちゃんは、砂のお城を作り出し、その少し後ろできたくんが
カニと遊んでいる。今のところクロッキー帳を広げているものはだれもいない。
5月のゴールデンウィークにあたしたち北の星中学の美術部は、栗上浜という港町に合宿に来ていた。
一泊二日で最低でも一枚風景画を水彩で描く、というのが目的だ。
あたし、魅潟 恋乃葉の母親の実家がこの浜にあって、おばあちゃんが民宿をしていて、格安で泊まれますよ、と、前々から
山田先生に薦めておいた。去年、一昨年と山の中のお寺だったので、新入生はともかく、あたしたち2年生や、3年生の部員は、とても喜んでいる。流木を枕に、砂の上でひっくり返っている街堂先輩を見つけ、そっと近づき声をかけた。
「テーマは決まりましたか?先輩」
声を掛けると先輩は、「驚かすなよ…魅潟」とちっとも驚いたふうもなく、起き上がった。
「寝てると午後のラフだしに間に合いませんよ!はやく!はやく!」
「もぉ〜急かすな、急かすな…テーマは決まってるから…((呆」
「じゃぁ何を描くつもりなんですか?」
「えーっと—海!」
「先輩は馬鹿ですか?もうちょっと考えてみたらどうですか?」
「馬鹿じゃねえし!?この海全体が綺麗だし!?」
「はぁ((呆」
あたしは街堂先輩の隣に座った
「うれしいな、この海、みんなに見せたかったんですよ…部員のみんなに」
あたしは『特に先輩に』という言葉は飲み込む
「この浜と海にはですね…昔っから人魚の伝説があるんです」
浜から見える鳥居を指さして、あたしは言った
「あの鳥居から人魚が上がってきて子供を生むんだって。なので、栗上浜の住民はみんな『人魚の子孫』っていう言い伝え?伝説?みたいなのがあるんですよ」
この海の流れは、とても穏やか。陸地から10mあたりに行くと、急に海の色が濃い青になるのは、あそこからとても深く落ち込んでいるため・・・だから結構大きな魚も釣れるし、迷い鯨も漂着したらしい。
「あたし、この海で溺れたことがあるんですよ…」
「え?人魚の子孫って言われているのに?」
街堂先輩は面白そうに言う。あたしは『ぷっく』と頬を膨らませ街堂先輩を見た。
「今はちゃんと泳げますよ!あのときはまだ幼かったし、夜の海だったもん!夜の海めっちゃ暗いんです!」
「夜の海に行ったのか?」
「その日もおばあちゃんの家―今日の民宿に泊まっていて。夜釣りに行くって言うお父さんにあたしが無理やりついてったんです…最初は楽しかったんだけど、急な高波が来て…あたしとお父さんが乗っていた船は、小さかったからあっという間にひっくり返って。全員無事だったんですけどね…」
「そうなんだ‥‥マジで魅潟が無事でよかった〜」
先輩があたしを心配する言葉をかけられて嬉しくなる。この浜に先輩とこれてよかった…
この浜いや海でなら先輩に告ることができる。大切な秘密と大事な一言を―
中学になって入部した美術部。そこで、一つ先輩の街堂 奏斗先輩と出会った。部長や副部長ではなかったけれど、水彩画と
油絵を一から教えてもらった。とてもとても優しく、よく笑う先輩。国宝級とか、ハヤリとか、アイドル級とかでは、ないけれどあたしにとってはとてもカッコよく見えた。
一緒にいるのが楽しくて嬉しくて、いつからかはわからないけど…先輩にドキドキするようになって…
『先輩の恋の沼』に落ちてしまったんだと気付いた。
中1のときのバレンタインデー
チョコレートを先輩に贈った。先輩はとても喜んでくれた。でも…照れ隠しに他の部員にもチョコレートをあげたから、ちゃんとわかっていないだろうな。先輩にあげたチョコレートだけは、『手作り』なんてことを…
それからよく話すようになって、下校も一緒にするようになって・・・・春休みには美術展に、誘ってもらった。先輩は、
「いい絵を見ることがいい絵を描くためには、とても大事なんだ。」って言ってたけど…あれは…デートだよね…
先輩といつも一緒にいると、あたしは正直で普段より優しくなれて。そして、たくさん笑う。
先輩もあたしのこと『好きなんじゃないかな』と自分で勝手に思っているけれど、まだ言ってくれない。
3年生の街堂先輩は、10月で部活を引退してしまう。放課後一緒にいれるのはあと半年…いや逆にいうとまだ半年もある。
先輩に告白するチャンスは、何回でもある。あたしは、その先輩に告白するチャンスは、『絶対に逃さない』と、心に誓った。
だから、あたしから言おうと思った。その前にどうしても聞いてほしい秘密の話がある。
民宿に戻って、昼食を取ったあとラフ出しがあった。予想していた通りできていない人、急いで描きなぐった人が続出して
先生を嘆かせた。夕方までにラフを完成させるということで自由時間になったけれど、やっぱり遊び優先になる。
あたしと亜麻先輩と佳奈ちゃんで港のスーパーに行って東京では見たこともないグロテスクな魚に悲鳴を上げたり、ローカルなお菓子や、飲み物を探したりして遊んでしまった。砂浜に戻ると5人くらいで繊細で大きな砂のお城制作に取り組んでいた。
もう、そのまま作品として提出しちゃえば?と、いうような出来栄えだ。動画を撮ってSNSに投稿すると真剣だ。
夕食の少し前、山の方に沈み、最後の光を海に投げかける時間。浜全体が少しずつ少しずつ星と月の明かりに染まり始めてくる時間。あたしは、浜辺でまだラフを描いている先輩の方へ行った。
「先輩、ちょっといいですか?」
「お!魅潟か。もう少しで終わるからいいぞ」
先輩が描いていた手元の絵を見るとモノクロームの世界の中に、少し薄暗い海に立つ立派な鳥居が立っていた。
「魅潟はもうできたのか?」
「もう終わってますよ。5枚ほど描いて、1枚選んで提出しました。」
「優秀な後輩だ」
先輩はラフの鳥居に濃い陰をつけた。このまま完成と言ってもいいくらい繊細で細密だ。
「先輩に、話したいことがあって来ました」
「怖いホラー系の話はやめろ」
先輩は冗談ぽく言ったが、あたしが黙っているので満面の笑みが姿を消した。
「あたしね、この海で、先輩に話したいことがあったの」
「うん・・・・・・?」
先輩の持っている鉛筆で書き込まれてゆく波を見つめながら囁く。
「朝の話ね実は続きがあるの」
7年前の夏
小学一年生だったあたしは夜の海の中を下へ下へと沈んでいった。
暗い海の中自分の白く細い腕が上に向かってゆらゆら揺れているのが見える。
自分のはいた空気がたくさんの泡になってどんどん上に向かっているのが見えた。
すべての泡を吐いてしまった。冷たく重い固まりが流れ込んできた。
胸が苦しくなって、嗚呼死んじゃうんだと思った。パパ、ママごめんね、バイバイ。
意識が消えようとしたとき、グッと力が加わり、下から押し上げられた。誰かに
すごい勢いであたしは、海の中をかけていく。海の中を進んでいく。
顔が海面から出たときに無我夢中で息を吸い込む。空気がガーッッと流れ込んできて、激しくむせた。
真っ暗な空に灰色の雲が筋を引きながら走っているー違う、あたしが進んでいるんだ。進んでいる…?泳いでいる…?
そう考えていたとき、誰かがあたしの体をグイッと押し上げられ、大きくて平らな岩に寝ていた。体の下の固くて冷たい岩の感触に、『初めて自分が助けられたんだ、助かったんだ』と実感した。と同時に目からたくさんの涙が溢れこぼれた。
あたしは、わあわあ泣いた。怖かったのとほっとしたのがグチャグチャになった。パパ、ママと泣き叫んだ。だってまだ6歳だったんだもの。ふいに、ぽんぽんと頭の撫でられた。目を開けると、びっくりするほど綺麗な顔が見えた。
暗い暗い闇の中から、ほのかに光るような真っ白な肌白色の髪と宝石のようなキラキラとした輝きを持つミヨゾティス色の瞳を持ち、赤色のリップを塗ったかのような赤色の唇。
女の子かと思ったでも、男の子だった。そして岩の上に横座りにしている足…ううん、そこにあるのはエメラルドグリーン色の
魚の尻尾?尾びれ?
「だぁれ?あなた、だぁれ?」
あたしは、恐怖よりも驚きが勝ってしまい、泣き止んだ。
「にんぎょひめ?」
アンデルセンの童話やアニメを見ていたからあたしは反射的にそう思った。
その子は首を横に振った。そして、あたしの手を握る。
(おひめさまじゃないよ)
その子は、言葉を話さなかったけれど、何故か頭に響いてくる
「じゃぁ、おうじさま?」
彼は照れくさそうに笑った。
(もう大丈夫だよ。君のパパも無事)
「ほんと?」
人魚の男の子は頷き、白くて細長い指先を伸ばした。
(あれは、まちのあかり)
人魚の男の子が指さした方を見てみるとチラチラと小さな光がいくつも見える。6歳のあたしにはその距離は、測れなかったけれど、あたしの町の光が見えたことにほっとして、心を撫で下ろした。
(きっときみのまちのひとたちがもうちょっとできみのことをさがしにきてくれるとおもうよ
多分もうすぐきみをむかえにくるよ)
「ほんと?ほんとにあたしのところにくるの?」
(あさになれば、きっと、ね)
「いつ、あさになるの?」
そう問いかけると、人魚の男の子は困った顔をしていた。濡れた服や体を風が冷やし、あたしは鳥肌がたった。
「さむい‥‥さむいよ。くらいし、こわい」
人魚の男の子は、「待っててね」と身振り手振りをし、一度海の中に消えた。数分後あの人魚の男の子は、海から顔を出した。
周りにポゥッと淡く青白い光が浮かんだ。その光が2つ3つと増えてくる。よく見るとそれはクラゲだった。
岩をクラゲで囲んだ。あたしが、怖くないようにしてくれたんだろう。また、人魚の男の子は潜った。次に持ってきたのは、
木でできた大きな宝箱だった。昔話の宝箱のような、蔓草の装飾がほどこされたそれを岩の上に押し上げ、よいしょ、とフタを開けると・・・・・・!
「わぁ!」
あたしは思わず歓声を上げた。中にはレースとフリルをふんだんに使った、豪華なドレスがたくさん入っていたのだった。
それは、全て乾いていて、あたしの腕にさらさらとした感触を与えてくれた。
(むかし沈んだ船に入っていたんだ)
「きてもいいの?」
(もちろん)
「・・・・・・・・・」
モジモジしているあたしを見て人魚の男の子は、はっとして海の中にあわてて潜った。
あたしは、彼の姿が消えてから、服を脱ぎ可愛いリボンとフリルのついた淡いピンク色のドレスを着た。
人魚が海面に戻って来たので話しかけた。ドレスの裾を持って、くるくる回りながら。
「みて!すっごくステキなドレスね!おひめさまみたいなきぶんよ!」
人魚の男の子ーいや、彼はにっこりすると手を差し出した。
(とてもかわいい。にあってるよ)
と声が頭に響いてきた。そう言われたのが嬉しくて、アイドルのダンスを踊ったりした。彼はとても喜んでくれた。そして、楽しそうに沢山の拍手をくれた。他にも可愛い巻き貝や、海老、小さくてきれいな色の魚なんかを持ってきてくれた。
やがて、雲の間を月の光がさして、綺麗な満月が現れた。月の光は明るく、岩がステージ、月がスポットライトのようにあたしと、岩を照らし出す。彼は持ってきたいろいろなものの中から白い巻き貝を取り上げた。それは、当時のあたしの顔を覆えるほど大きくて、細長いとげとげがいっぱいついているものだった。それを彼が月光にかざすと、だんだんと透明になっていく。
とてもきれいなガラス細工のように。
彼はその貝を横にして、唇を当てると、今まで聞いたことのないとても美しい音色が溢れ出した。月光が、キラキラと波頭に砕けるような、細く高い音色。真珠が氷の上も転がるような澄んだ音。雪が波の上に降ってそっと溶けるような音…。
彼が奏でたメロディはあたしの知らない、どこか懐かしいような優しい歌だった。彼は、一晩あたしのそばにいてくれた。 やがて、朝日が昇り始めたとき、人魚の男の子はあたしの手を『ぎゅっと』握った。もうお別れの時間だ、と伝えられたような気がした。その時にはあたしは彼のことは何でもわかっている。あたしたちは、手も繋いでいるだけで何でもわかりあえて、『永遠の友達』ということが、わかりあえたのだった。彼には沢山の仲間がいて、普段は深い海の底にいて、人魚一人一人には、名前はないけれど、思うだけで相手と通じること。人間の世界での〚人魚姫〛も有名で、子どもたちは皆知っているということ。
そして彼は、海の人魚の国というところに住んでいるということ。その人魚の男の子は、その人魚の国の本当の『王子様』だったということ。あたしは優しい彼が大好きになった。あたしのために、寄り添ってくれていた彼と。だから約束した。
「あたしが大きくなったらになったら、あたしを海のお城につれてって!」
「あたし、あなたのお嫁さんになる!」
「大人になったら必ずここに来るから!あたしも行くから」と、そう人魚の男の子と約束した。
彼は桜貝を、あたしは黄色のヘアゴムで交換した。その交換は幼い子供の大きな約束だった。
あたしは、言葉を切って先輩を見つめた。先輩は、この話を信じてくれるだろうか?
「親に行っても信じてくれなかった。空想だって。岩の上でいる間寂しくて作った空想だって。小学生の友達にも話した。でも、みんなに笑われて…だから、それからはもうずっとその話は、心の隅にしまっているの‥‥‥」
それでも、来るたび来るたび、人魚の男の子をー彼を探した。1年2年3年と年がすぎるごとに、その憧れ、昔見たものは現実に打ちのめされて、絶望しその思いは、砕け散った。もう、諦めた。
「でもあの時に見た彼は、あたしにとっては『本物の人魚』だった」
人魚なんてフィクションの世界にしかいないと、今では知っている。海を見ればあの彼を思い出す。けれどもう彼を探すことはなくなった。そう先輩に出会ったから。
「これ、あの彼に貰った桜貝…あたしは、これは人魚の男の子ー彼からもらったと信じている」
あたしは彼にもらった桜貝を小さなお守り袋に入れて、いつ、どこへ行くときも持ち歩いている。その彼からもらった桜貝を先輩に見せた。
「先輩もやっぱりあたしの空想だったと思いますか…?」
確認だだそれをしたかった。先輩がこの話のどう思うか。中学2年生にもなってそんなの子供っぽいと笑われるかもしれない。
もしも、一瞬でもバカにするような目つきで見られたら…。
「・・・・・・・・・・・」
工藤先輩は穏やかな目つきであたしを見た。そしてその穏やかな目つきをそのまま海に落とした。
「それが、本当なのか俺にはわかんないけど、その時に魅潟が、『本物だ』って言ったんだろ?『本当だ』って思ったんだろ?だったら、魅潟がそう思うんだったらそれでいいんじゃないかな?」
「先…輩…」
やっぱり先輩は、最高だ。あたしの夢を、思い出を、初恋を、認めてくれた。全てを信じてわけではないかもしれないけれど、
否定はしなかった。
「ありがとう先輩。あたし、あたし—」
今だ、今言うのだ。一年生のとき、美術部に入ってからずっと好きだったということ。先輩が部活をやめても、好きだって。同じ高校に行きたいって。
「あたし先輩が・・・・・っ」
胸が痛い。ドキドキして苦しい。秘密の話をしたら、告白しようと決めていたのに!この簡単な一言を言うのがこれほど難しかったなんて。
「…、…、」
まるで溺れたときのようにあたしは口をパクパクさせた。海の中でもない浜なのに、息が苦しい。舌がこわばって動かない。
「…す、」
「おーい!」
言おうとしたその一言目を、山田先生の声が被った。
「夕食の時間だぞ!外にいるやつはお前ら二人だけだぞ!早く宿に入れ!」
「はい…今行きます…」
街堂先輩は山田先生に手を振りながら行った。
「よし!今から行くぞ!魅潟」
「…はぁい…」
あたしは先輩に促され、渋々立ち上がる。
折角の告白のチャンス…が…あぁー…告白のチャンスは逃さないと心に誓ったのに…山先生、絶対恨んでやる…!
夕食はおばあちゃんが振る舞った海の幸プレート。特にエビフライがてんこ盛りで出てきたときにはみんなが歓声を上げた。
「こんなに喜んでくれるならじゃぁ、今度は伊勢海老のエビフライにしようかね」
おばあちゃんもとても嬉しそうだ。
お風呂は旅館や館のような大浴場ではないけれど、5〜6人ほど一度に入れるから時間制で交代しながら入った。「恥ずかしい」と言っている子もいた。潮風で身体全体がベトベトのまま寝たくないでしょ、って言い訳して無理やり入らせた。お風呂のあとにある待ちに待った自由時間。大広間で部員全員で、カラオケ大会をした。途中でモノボケ大会とモノマネ大会になってしまったけれど、盛り上がって楽しかった。山田先生が初◯ミクの有名な神っ◯いなを披露したら余りのうまさに皆驚愕していた。
「街堂を知らないか?」
山田先生があたしたちに問いかけたが、部員みんなは『知らないです』と答えるだけ。『街堂先輩がいない』と気づいたのは、1時間も過ぎたあとだった。
「カラオケのとき最初の30分間は居たんだがな〜」
確かにカラオケのときめっちゃかっこよく歌ってたのは覚えている。街堂先輩かっこよかったな〜…いまは、そんなこと考えるな!
「まさか…外へ?」
あたしは恐る恐る言う。
「夜間、外に出歩くのは禁止しているからな。帰ってきたら一晩中正座だ」
先生は激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム(神)状態で、部屋を出ていった。どうやら、外へ探しに行くらしい。みんなに「ちょっとおばあちゃんに聞いてくる」と言って部屋を飛び出した。部屋を飛び出すと、こっそりと宿泊棟を抜け出し隣の離れに向かった。渡り廊下の窓を強い風が『ガタガタ』と音を立てて揺らしている。そのせいで、怖さが倍増する。 おばあちゃんは、テレビを見ながら縫い物をしていた。
「あれ、どうしたの?私に何か用があるの?恋乃葉ちゃん」
「おばあちゃん、先輩がいなくなったのこの海で溺れたりなんてことある?」
「知っとると思うけど、海は急に深くなっているからなぁ。あり得んことはない。それにこの海は、夜になると昼間よりも格段と、波が高くなってさらわれるもんもおったなぁ」
あたしは、窓ガラスに顔を押し付けた。ここからは海がよく見える。でも、月も星も出ていない今日の海はミッドナイトブルー色だ。ただ、波と風とあたしとおばあちゃんの喋り声だけがする。しばらくすると、窓の外は懐中電灯の光が沢山出てきた。
大勢の人の喋り声も聞こえる。
「ちょっと様子を見てくるさんなぁ」
おばあちゃんは心配そうな顔で廊下を出ていった。やがて、足音を立てながら戻ってきた。
「そのおらんようになった子が見つからん言うて、警察呼んださいな。きっと大丈夫戻ってくるよ。恋乃葉ちゃんは、部屋に戻ってもう寝んさい」
と言って安心させるように、あたしの背中をぽんと叩いた。
部屋に戻ると女子たちがなにかヒソヒソと話していた。あたしの顔を見て、『なにかわかった?』と聞いてきたがあたしは、首を横に振った。そう答えるとあたしはすぐに布団に潜った。
先輩どこにいちゃったの?大丈夫?早く戻ってきて…!
あたしは、涙を拭いながら願った。
あたしは暗い布団の中でしっかりと目を開けて、必死に泣くのをこらえていたが、やはり涙が溢れて、こぼれてしまう。
夜中の2時すぎ
部屋の中はみんなの寝息で包まれている。あたしは眠らなかった。逆に先輩と外の音が気になって寝られなかった。ずっと外で人の声がしている。さっきは、向こうでパトカーのサイレンの音がしていた。これ以上、ただ何もしないで、待っているなんて、できない。
あたしはそっと部屋を抜け出し、誰にも気付かれないように民宿の外に出る。浜にはまだ大勢の人がいて、警察のパトライトが回転し、懐中電灯の光が蠢いていた。海には漁船も出ていて、照明で照らして探しているらしい。時折光が海の中に立っている鳥居を照らして、赤い不気味な柱が立っているように見えた。
風はもうやんでいたけれど、上空はまだ強く吹いているらしく、雲がすごい勢いで流れていた。時々月が見えた。そのときだけ周りが明るく綺麗に照らされていた。月の白い光と闇のしましま模様。あたしの影も砂浜に写ったり、消えたりしている。先生にあたしの姿がバレたら…はぁ…叱られるどころじゃないと思うな。あたしは堤防を走り、人があまりいない暗い浜の方へ向かった。
「先輩…街堂先輩…!」
海に向かって叫んだ。だが波の音でかき消されてしまう。
「先輩!どこにいるの!」
足元に氷のような冷たさを感じる。あたしはいつの間にか、海の中に踏み込んでいた。
「返事して!…先輩…街堂先輩…お願い、戻ってきて・・・・・・・・!」
服が濡れるのも構わず、波の中に膝をつき、指を組む。無意識に人魚の男の子からもらったあの桜貝のはいったお守り袋を握っていた。いつの間にか持ってきていたらしい。あたしは、お守り袋から桜貝を取り出す。丁度月が現れ、ピンク色がはっきり見える。
「…助けて…お願い…」
桜貝に唇を押し当てる。あたしは当然のように、神様ではなく〝あの人〟に祈っていた。
思い出のある、あの海なら思いや、願いは届くのではないか…。
—どのくらい経っただろう。
寒さで膝の感覚がなくなり、あたしの体から震えながら波の中に倒れそうになったとき、ぱしゃんという音が聞こえた。
咄嗟に両手を顔を起こす。
起こしてすぐに視界に入ったのは—
すっかり晴れた月の光を浴びて、〝彼〟がいた。
波の中、先輩を抱きかかえ、マッシュに切り揃えられた白色の髪を書き上げている彼
あの頃は—7年前の夏にあった彼とは全く変わっていた。あの頃は、女の子のように華奢で、可愛らしかった人魚の彼が、今ではすっかり成長している。ほっそりしているがしなやかな筋肉のついた腹や腕、広い胸、男らしく端正な美しい顔。
けれど変わっていないところが2つ。ミヨゾティス色の瞳と透き通ったエメラルドグリーン色の尾びれ。
「あぁぁぁぁっ!」
彼を見た瞬間、目から涙が溢れた。あたしは、泣き崩れた。泣き叫んだ。本当に彼が来てくれた。嬉しかった。
だけど、ゆっくりと立ち上がり彼に近づく。同時に泳いでこちらに彼が来る。
「先輩しっかりして!先輩…!街堂先輩…!」
先輩の頭を抱え込み、上半身を支えるようにして抱くと、あたしの目からまた、たくさんの涙がまた、溢れてきた。冷たくなった頬の上を熱く流れていく。
ちゃぽん、と小さな水の音がした。顔を上げると人魚の青年があたしに水をかけていた。その手にはあの黄色のヘアゴム…。
「あ…」
約束を交わした。あの、桜貝とヘアゴムで。ずっと、持っていてくれたのだ。あたしが桜貝を持っていたように。彼が手をこちらに出し、そっとあたしの腕に触れる。
(また、あえたね)
彼の声が頭の中に響く。優しい微笑みは美しく、あたしは見とれた。
(やくそくをはたそう。むかえにきた)
優雅な長い指がそっとあたしの手の甲に触れる。あたしは彼の指を見つめ、輝く瞳を見つめた。一度息を呑んで囁くように答える。
「ごめんなさい…行けないの…本当にごめんなさい」
彼は首を傾げた。
値は自分の腕の中の街堂先輩を見つめ、抱きしめた。
「あたし、ずっとずっとあなたのことは忘れなかった。恋に落ちた。…約束とあなたのことを一度も忘れたことはなかった。 …でも一年二年三年と時間がすぎるたびに、あなたのことを夢のように思えてきてしまって…」
普通な海だ。海に人魚なんていない。昔話だ、夢だ、空想だ。迎えに来てくれる王子様なんていない。あたしは現実に打ちのめされて、自分からこの思い出を心の隅にしまって、蓋をしていた。時々取り出して眺めていたけれど、心の隅にしまい込んでいた。そんなとき、手を取り笑いかけてくれる先輩に出会った。
「あたし街堂先輩が好きになったの。大好きなの。美術部に入って、ちっとも思うようにうまく描けないあたしに、根気よく絵の描き方を教えてくれたり、みんなの悩みを相談してくれたり、真面目なことも悪ふざけのところも、全部全部全力投球で…そんな街堂先輩を好きになったの…だから…」
人魚の青年はぽろぽろと涙をこぼすあたしをじっと見つめた。握っていた手をゆっくりとはなし、今度は先輩の顔を抱いている方のあたしの手をそっと取る。え?と顔を上げると、人魚の青年は微笑みながら砂の上に投げ出された街堂先輩の手を持ち上げ、その手をあたしに握らせた。上から自分の手を被せる。先輩とあたしと人魚の手が重なった。
(魅潟…)
その時、先輩の思いがあたしの頭の中に流れ込んできた。
(魅潟に桜貝…あの桜貝よりでかいやつ…やるから。…今度は俺が魅潟を守るって…約束の印を)
「先輩!?」
あたしは思わず叫んでしまった。先輩の顔を見たが、先輩は目を閉じたまま。
「あたしのためだけに夜の海で桜貝を探したの!?バッカじゃないの!?あの暗い海を?バカじゃないの!?危ないじゃない!」
少しキツく言いながら、強く体を揺さぶる。
(懐中電灯を持っていったから…)
気を失ったままなのに、先輩の声がまた頭に響いてくる。
「バカバカバカバカ!街堂先輩のバカ!」
あたしは先輩の額の上に顔を伏せた。あたしの涙が先輩の頬を濡らす。
(泣くなよ…魅潟…)
先輩の優しい声と優しい心。伝わってくる…繋いだ手から。
そう思ったとき、人魚の青年はそっとあたしと街堂先輩の手を離した。先輩の声は聞こえなくなった。あたしは人魚が街堂先輩の思いを繋いでくれたのだとわかった。静かにあたしを見つめている彼を見返す。
「あなた達人魚は触れ合えば何でも伝わるのよね。でもあたしたち人間は声に出さないと思いはわからない。なのに、簡単な一言さえも勇気が出なくて言えなかったりする」
あたしは夕方先輩に告白できなかったことを思い出しながら言った。
「でも、わかり合うためには話さないとね。それが、このあたしたちの世界なの。あたしはここで生きていく。大事な人と一緒に…だからね、海のお城には行けない」
あたしは御守袋を開いて桜貝を取り出した。
「迎えに来てくれてありがとう…そして、ごめんね」
指先に光る朝焼け色の桜貝。人魚はそれを受け取った。長い睫毛の下から、ミヨゾティス色の瞳が見つめてくる。少しだけ寂しそうな、切なそうな色を浮かべたあと、彼は手首につけたヘアゴムを外し、あたしに差し出した。
「うん—」
あたしたちは7年間の思いを交換した。人魚は顔を寄せ、あたしの頬に軽くキスをした。とても冷たい感触だった。
(もうないていないよね)
唇が離れ、触れ合った手のひらから人魚の彼の思いが伝わってくる。
(もう、うみでなくんじゃないよ…またしんぱいになっちゃうから)
「うん…」
(恋乃葉のことわすれないよ)
「あたしも…絶対に忘れない!」
(さようなら…そして、ありがとう)
手と同時に、人魚の体がすっと離れる。月光を跳ね返す波の間に、白色の髪が沈んでいく。
「ありがとう!ありがとう!さようなら!」
あたしは街堂先輩を抱きしめながら夜の海に叫んだ。答えるように美しい音が聞こえてきた。幼い頃に聞いた、貝の笛の音…。月光に砕ける波の雫のような、白いレースの泡が弾けるような、美しい海の歌だった。
先輩をおぶって民宿に帰ろうとしたあたしは、警察に保護され、先輩はそのまま救急車で近くの病院に運ばれた。あたしは民宿まで送ってもらい、連絡を受けていたおばあちゃんからたくさん怒られた。朝になって、先輩に付き添っていた山田先生が戻ってきた。先生が言うには、先輩は無事で、意識を取り戻したけど検査のため3日いっぱい入院することになったそうだ。朝食の後、合宿は、中断することになったらしく、全員帰宅することになった。あたしは先生に頼み込んで先輩の入院している病院にタクシーで連れて行ってもらった。病院につくと、先生はお医者さんに話を聞くからとあたしを先に病室に行かせた。鼻にツンとつくような消毒の匂いがする廊下を進み、教えられた病室につく。ドアの横には、『街堂 涼太』と先輩の名前のプレートが、かかっていた。あたしは息を呑んで、ドアをノックした。
「はい」
病室のドアを開けると、先輩の笑顔が迎えてくれた。
「魅潟…」
「街堂先輩…」
先輩はすっかり元気そうに見えた。昨夜はあんなに白かった頬にも血の気が戻っている。よかった。目の淵が熱くなってあたしは慌ててパチパチと瞬きをした。
「大丈夫ですか?」
と言いながら先輩の枕元による。
「あぁ、もう平気」
先輩は体を起こす。
「魅潟が俺のことを見つけてくれたんだってな。ありがとう」
「どういたしまして。でも、なんで夜中に出かけたりなんてことをするんですか?」
先輩は顔を赤らめながら小声で言った
「—夜の海を見に行きたかったから」
・・・・・・・・嘘だ。
あたしは知っている。先輩があたしのために桜貝を探しに行ったことを。
けれど言うつもりはない。きっといつか、先輩が話してくれると信じているから。
「魅潟から聞いた話を聞いたからか、人魚に助けられる夢を見たよ。かっこいい人魚だったな」
先輩は話を逸らすつもりか、そう言った。あたしは顔が緩みなりそうなのを抑えながら、「へぇ、素敵ですね」なんて雑に返事しながらも言ってみる。
「その夢で、さ—」
先輩はなにか思い出そうとするように首を傾げた。
「すごくきれいな音を聞いた。一回も聞いたことがないのに、なんか…少し懐かしいような感じの音。なんて言えばいいかわからないけど。」
その音をあたしは聞いたことがある。覚えている。人魚が海に帰ったあとに、波の中で響いた—別れの歌。
「忘れられない。…夢なのにな」
「街堂先輩」
「ん?」
言葉で伝えないとわからない。あたしは、人魚—彼じゃないから。
「あたし、先輩が好きです」
「—魅潟」
「ずっと好きでした。これからも好き。先輩と同じ高校に行きたい。行ってもいい?勉強の邪魔しないから、さ…これからもあってくれる…?」
言い募るあたしの頬を先輩の手が引き寄せた。
「俺も好きだ」
あっと思ったときには、キスされていた
「好きだ…恋乃葉」
触れ合っていても先輩の思い出は流れてこない。でも、わかる。吐息の甘さで、溶けるような熱い頬で。きっとあたしと同じ気持ち。人魚の彼とはまた違う温かいキス。耳に波音が蘇る。それは月明かりの静かな海の中を泳いでゆく、人魚の輝く尾びれが雫を跳ね上げる音だった。
はい!完結です!ありがとうございました!終わりの雰囲気出してるけど、まだ終わらないよ!今からは、本編の続編です! まぁ簡単に言うと[魅潟恋乃葉と街堂涼太のその後]みたいな感じのお話ですのでね、はい!全然読まなくても結構です!『読みたいよ』とか、『読んでみたいな』と思う人だけ読んでください!強制的では、ないので!
あっ一応ミヨゾティス色・エメラルドグリーン色・ミッドナイト色の順での画像を出しておきますね!この色です!この色をさんこーにすればOK!画質悪かったらごめんね!
あたしは、先輩に逆告白をして、OKをくれた。あたしは、嬉しかった。
その話から5ヶ月経ち、先輩の部活引退式があと2日に迫っていた。あたしは、先輩と付き合って、今度の土曜日に、
「先輩今までありがとう会」っていう、会があってそれで部員みんなで集まって遊ぶんだ。その会が、終わったあとに2人で『先輩今までありがとう会』の打ち上げをするんだ。それをあたしは、『デート』だと思っている。
『先輩今までありがとう会』は、もうおしまい。これから、先輩と一緒に打ち上げをする。する場所は、めっちゃ遠いけど、『今回は特別』と言ってくれて、1泊2日の家族一人ついてくる前提で、先輩との関西旅行をOKしてくれた。今回の旅行で、行く所は、キューズモール・三井ショッピングパークららぽーと甲子園に行く予定だ。チョー楽しみ!今から先輩の妹:街堂愛美って言う子もついてくるらしい。なんか愛美ちゃんは、あたしの一つ下で同じ高校らしい。あたしの家族からは、高校生の魅潟心乃羅(お兄ちゃん)がついてくる。どうやら、先輩はお兄ちゃんが行っている高校に行く予定らしい。お兄ちゃんは今高校1年生街堂先輩より一つ年上だ。
「よし、いっぱい買い物するぞー!」
「お兄ちゃん、はしゃぎすぎないで!」
街堂家は、まず服から買いに行くらしい。あたしたち魅潟家は、というとお兄ちゃんは電化製品のヘッドホンのところに行っていた。ここからは家族で別行動だ。お昼の1:00には、一番最初に集まっていたところに集まる予定。
《恋乃葉視点》最初はキューズモールから!
「お兄ちゃん早く!こっち!」
「はいはい、そっちに行って何をするんだ?」
「あたしたちはまず、プレゼントとお土産を用意するんだ!」
「プレゼント?なんでだ?お土産はわかるけど?」
「プレゼントはみんなで交換するんだ!交換というより…街堂先輩の妹の愛美ちゃんが4日後にお誕生日らしいから、その誕生日プレゼントを愛美ちゃん以外で用意しようってなって…」
「ふーん」
「買いに行く場所は、ハニーポップと言うところらしいです!」
「何階にあるんだ?」
「3階だそうです。」
「ふーん。じゃぁ行こうか」
「うん!」
選び終わった…
「あたしは、これを買いました!」
あたしは、愛美ちゃんがちいかわが好きと聞いたのでちいかわの5㎜方眼のノート一冊と消しゴム、クリアファイルとちいかわのうかんむりクリップ、めじるしチャームを買った。それで約2,500円を使った。
「俺はこれを買った」
お兄ちゃんは、淡い水色のバインダーファイル、淡いピンク色のクルトガのシャーペン、可愛い付箋とマステと0、5のシャーペンの芯だった。なかなか良いものだった。お兄ちゃんも2,500円やりくりして値段を抑えたらしい。マステと付箋とシャーペンの芯はLoftで買ったらしい。
あれこれしているうちに、集合時間になった。あたしたちは、少し迷いながらも5分ほどでついた。
《愛美視点》
「お兄ちゃん!この服どう?」
「めっちゃ似合ってるよ!この服とこの服を合わせるともっといい!」
「うわ!お兄ちゃん天才!」
今私たちは、GUでお買い物をしているんだ!お兄ちゃんがめっちゃ私に似合う服を選んでくれたおかげで、いい買い物ができた。4日後にあたしの誕生日って事もあって、ついてこさせてもらった。ラッキー!
「この服買って!」
「いいけど…この服高いから…どっちかの服を諦めてもらうけど」
「じゃぁこの服に似てる安いこの服にしよ!」
「これならいい!」
あたしは時計をふと見た。集合時間からは数分過ぎていた。
「お兄ちゃん!早く買って!もう集合時間過ぎてる!」
「ガチ!?」
「ガチ!」
「遅れてすいません。ごめんなさい」
「いいよ!それよりご飯食べに行こ!」
「うん!」
《恋乃葉視点》
あたしが選んだご飯はこれ!
カルボナーラ!半熟の卵が乗っているんだ!
お兄ちゃんは、ラーメン。KAMUKURAのラーメンらしい。美味しいラーメンっていうやつ。
街堂先輩は、お兄ちゃんと同じやつ。
愛美ちゃんは、バカでかいブロックステーキだった。愛美ちゃんの顔を有に超えるほどの大きさ。店員さんにも『それ、君一人で食べるの?大きいよ?変えるなら今のうちだよ?』と聞かれたそう。だから笑顔で、全然大丈夫です。こんな量一人でペロリですよ!といったらしい。そら、店員さんにも驚かれるは…。清々しい顔で戻ってきて何か店員さんに大丈夫?って聞かれたんだけどーって言っいて帰ってきた。本当にペロリと平らげて、デザート!って言ってクレープ二個食べてた。エグい!
今度はあたしたちが服を買う番!
似合う服を選んで買ってきたのさ!(画像は別、ページの名前は『夜の人魚 写真』って言う名前で一緒に出します!)お兄ちゃんも新しい服買ったらしいけど、紹介したくないらしいからよろ!
買い物もして。
夕ご飯も食べて。
宿に戻って。
お風呂入って。
今に至る。
もう寝る時間!その前にみんなに渡すプレゼントはこちら!
まず、愛美ちゃんから
愛美:ページに分かれているファイル。色は、可愛い淡いピンク色。参考写真は『夜の人魚写真』から!
電池式小型タイマー
色んな色が入った付箋
亮太:(愛美ちゃんに上げるファイルの色ち)色は、エネルギッシュな薄い黄色
電池式小型タイマー(愛美と色ち)
色んな色が入った付箋
こんな感じだね。
ふわぁ〜こんな話もあなたとしているうちに眠くなってきたおやすみ。
[※恋乃葉の夢の中]
(また、あえたね)
彼の声が頭の中に響く。優しい微笑みは美しく、あたしは見とれた。
(約束を果たそう。迎えに来た)
優雅な長い指がそっとあたしの手の甲に触れる。あたしは彼の指を見つめ、輝く瞳を見つめた。一度息を呑んで囁くように答える。
「あぁ、本当に迎えに来てくれたのね。さぁ行こう!海の中のお城へ!」
(じゃぁ僕の背中に乗って行こう!)
「うん!」
(見て!ウミガメがいる!あそこには、カクレクマノミ!)
「わぁ本当だわ。とってもきれい…」
(着いたよ!コノハ!)
「ホントだ!あ、あれれ?あたし人魚になってる…いつの間に?」
(ここの境界を超えると、強制的に人魚になるんだ。今、海の中にいるのに息ができてるでしょ?)
「確かに!」
最初ははしゃいでいたけど途中からあたしは、胸がキリキリと苦しくなった。ふと思い出した。街堂先輩に思いを伝えていない。そう思うともっと胸が痛くなった。今度は頭も痛くなった。街堂先輩に思いを伝えたかったな…告白してせめて、フラレてから来たらもっと今より、心が軽くなったのかな?もう、人間の世界にはいけないのかな?戻れないのかな?彼に聞こう。
「あ、あの…人間にもう戻れないの?」
(戻れないことはない。けど、人魚の世界の住人になってしまったら、一定の時間までに戻ればまた人間として生活ができる。でも、人間に戻ってしまったらこの人魚の世界に戻れなくなる。そして、人魚の世界に居座るのだったらもう人間の世界には、戻れない。でも、もう人間に戻れる一定の時間はとっくに過ぎているんだ。人魚の世界で5分は人間の世界では、もっと長いが、人魚の世界としての5分だったらとっくに過ぎているもうコノハが休んでいるときに、過ぎた。今更人間に戻りたいの?)
あたしは彼が言った、『とっくに過ぎてる』が言葉の棘になって、あたしの心のなかに深く刺さった。そして、もう一つ『今更人間に戻りたいの?』だった。これは、さっきの言葉のトゲよりも、深く深くとても深く刺さった。この言葉のトゲは、もう一生抜けないだろう。あたしはそう、確信していた。理由は深く刺さって、とても言った言葉に『印象』が残ったから。それには、あたしは悲しかった。残念だった。やっぱり街堂先輩に告白して、振られたかったな…はぁ〜
(大丈夫?ため息を付いて。コノハ?)
「う、うん、大丈夫だよ…もう人間に戻れないのかな?先輩に思いを伝えることができないの?」
(ちょ、ちょっと待ってて…はい持ってきた。これを使えば人間に戻れるはずだよ。陸に戻って使おう!)
「うん!早く行こう!」
あたしは、速く泳いだ。水を切り、全速力で泳いだ。早く先輩に会いたかった。あたしは願った。先輩は待っていてくれているかな?先輩はあたしのことが好きなのかな?あたしは、悪い思考が少しよぎりながらも、先輩が大丈夫なことを願うばかり。速くもっと速く…あたしは、泳ぐスピードと考えるスピードをもっともっと速くした…あたしは、早く先輩に会いたかった。
(陸についたよ)
あたしは、陸の方を見た。すると赤い光と細長くて白いたくさんの光がゆらゆらと揺れているのが見えた。あたしはすぐに分かった。赤い光は、パトカーと救急車、細長くて白いたくさんの光は、懐中電灯だと。あたしは少し背伸びをして見てみると、ストレッチャーに乗せられた人がいた。それは、顔が青白い街堂先輩の姿だった。街堂先輩は救急救命士により救急車に乗せられていて、隊員にごちゃごちゃ言われていた。『彼は、入院が必要か?』とかの話をしていた。街堂先輩は、起きようとする気配はなさそうだ。
「先輩…街堂先輩」
(コノハ…落ち着いて。深呼吸をしよう。はい、吸ってー…吐いてー…吸ってー…吐いてー。どう、落ち着いた?コノハ?まずこの薬を飲んでから、陸に上がってくれ。これを飲んでから、陸に上がって。そうしないと、僕が怒られるから、さぁ、飲んで)
「ごめんね…ありがとう」
あたしは、そう彼に伝えると…
「恋乃葉!起きろ!朝ごはんの時間だぞ!いつまで寝てるんだ!?」
はぇ?街堂先輩?生き返ったんだ…先輩。
「街堂先輩…」
さっきのは…夢?か…これは現実だよな…
「おはようございます!」
「お、おう…おはよう!」
吹っ飛ばーす!bay主
もう街堂先輩とは、お別れ。次似合うのは、明日の帰り、明日はあたし部活だった気がするな…会える頻度が減ったな…寂しいな。先輩とは会えるけど、高校で会う時間が減っていく…寂しい。
「街堂先輩、明日また学校で会おうね!あと、愛美ちゃんもね!」
(俺って…空気?bay恋乃葉の兄)
「じゃぁばいばーい!」
あたしは先輩と別れたあと足早に駅へと向かった。理由は…課…課題が終わっていないから…やべぇ明日提出なのに…(日曜日のお昼の時間)電車に乗った。
家に帰ってきた瞬間買ってきたものを片付け、課題を始めた。
もうすぐ夕ご飯の時間。ギリギリで、課題が終わった。早く先輩に会いたい!そう願いながら。寝る支度をして、自分の部屋に戻ってきた。すると先輩から、*L◯NEが*届いた。内容は『恋乃葉!今日はありがとうな!また、一緒に関西とか、買い物に行こうな!おやすみ…Zzz』そう、LINEが来た。あたしは、フッと鼻で笑い、『はい!街堂先輩…おやすみなさい!』送信すると、すぐに先輩から、返信が来た。『俺のことは…涼太って呼んでくれ!』と。『わかりました!街堂…じゃなくて、涼太くん!』あたしは、そう返事をしただけど・・・ちょっと先輩はキレてるみたい。どうやら、あたしが街堂先輩のことを『涼太くん』と、呼んだのが、気に食わなかったそう…なんであたしのせいになるの!?先輩は、『涼太って呼んで!』って言っていたから、急に呼び捨ては、失礼かなと思ってさ、最後に『くん』ってつけただけで、怒られるの!?まぁ、いい。あたしは『先輩!あたしは、もう寝ますからね!』とLINEを送り、布団に顔を潜らせた。
《次の日の朝》
もう学校へ行こうと思う。今は、7:30だ。まだ、家を出なくても良い時間だ。今日はとびっきり早く家を出た理由は、早く先輩にあって、昨日のラインの件を謝りたいから。だって、ラインだけじゃ伝わらない気持ちがあるから。それを伝えるために、あたしは、いつもより少し早く行動したんだ。街堂先輩…いや、涼太待っててね。
《涼太視点》
今日は少し早くした。理由は、恋乃葉に夜のラインの件のことを謝りたいから。俺が勝手にキレ始めて逆ギレされて、俺ってできない彼氏だな。はぁ。今日謝ろう。もう家を出よう。
あたし/俺は、早く家を出た。外の天気は『くもり』だった
《恋乃葉視点》
高校に行くまでに途中で街堂先輩と同じ通学路を通らなければならない。そこでん先輩と出会ったら…なーんーか気まずくない?www先輩に出会いたくない・・・
「街堂先輩!?」
「恋乃葉!?」
めっちゃ気まずーい。よしあたしからここで謝ろう!
「あ、あの涼太?昨日のラインの件はごめんなさい…」
「俺こそ…急にキレてごめん…恋乃葉は何も悪くないからな…」
「じゃぁ仲直り!」
あたしと涼太は仲直りの握手を交わした。すると、さっきまでは曇りだったのに途端に雲を切り太陽の光が指してきた。
「いい天気だね!」
思わずシンクロしてしまった。あたしと涼太は『フフッ』と笑った。嬉しかった。その日からあたしと涼太は、学校中から 『世界一喧嘩しないカップル』っていう謎の称号を貰っている。
数年後
あたしはコスメの会社を立ち上げ社長になっていて、SNSで美人社長と言われているの!それに、あたしはプロゲーマーとしてドズル社に所属しているのさ!そして、涼太くんは超超超有名アイドル、超有名モデル、超有名俳優なの!超セレブってわけ!
毎日に楽しいわ!
終了!やっと終わった!
じゃぁ終わるね
バイビー!