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かは
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「一体全体どうしたらいいんだよー!!」
一人になった部屋で俺はそうつぶやく。
ベットに体を預け、うつぶせになり、枕に顔を当て、足をバタつかせる。
頭の中にいるのは幼馴染のすち。そう、ただの腐れ縁の……って、
「そいつに告白されたんだよな…」
思い出すのは、今日の放課後のこと。
いつも通り学校が終わり、すちが部活終わるのを一人図書室で待った。
約二時間もすればすちは美術部の活動を終え、絵の具で汚れた手で帰ってくる。
洗いなよ、と促し洗わせるまではいつもと変わらなかった。
校舎をバックに、二人話しながら帰る。
そこで言われたのが、『らんらんはただの幼馴染だって思ってるかもだけど、俺にとっては守るべきお姫様だからね』という言葉。その後『返事、待ってるね』と自分の家に帰っていくもんだから、変な悪夢だと思った。
けど…、スマホに届いたメッセージ。〈夢じゃないよ〉って言葉。
「お前は異国の王子様かよ!」
あー、もう明日どんな顔して会えばいいんだよ。ドレスでも来てこればいいのか?
「寝れるわけないじゃん。」
すちの顔を思い出しながら一人目を瞑った。
朝。いつも通りの時間…には起きれず少し早めに起きてしまった。
顔を洗って髪を梳かして母さんに作ってもらった朝食を食べる。
テレビでは星座占いがやっていた。上からバタバタバタと姉ちゃんが起きる音がする。
姉ちゃんに相談する?いやいや、絶対からかわれるにきまってる。すちのことを姉ちゃんは知ってるし、絶対めんどくさいことになる。
テレビでは俺の星座が最下位であることを告げていた。
「あ、姉ちゃん、おはよ」
「お、あんたまだいたの?すちくん来てるからもう出たのかと思ってた」
「は…?」
おかしい。いつもはこんな時間に来ないのに。
「いつもより早いねー、なんか忘れてるんじゃない?らん」
忘れてること…こと…あ、
「俺今日日直だ」
「はい、ばか。早くいかないと明日も日直だよ?行け弟よ。てか連絡来てないの?」
「えー…来てたわ。」
スマホを覗くとすちからのメッセージ。〈まだ寝てるのかな?かわいいお姫様〉と書かれてた。
「ばか。てかあんた顔赤くない?」
「な…っ、気のせいだから!」
皿を流し台に置き、制服を着て、鞄を持ち、玄関に行く。
「行ってきます」
「ん、お気をつけて~」
ドアを開けるとそこには案の定すちがいた。
「おはよ、お姫様。寝ぐせついてるよ」
そういい、すちの長くてきれいな指先が髪を触る。
「んっ、やめて」
「ごめんごめん。遅れると悪いし、そろそろ行こっか。お姫様」
「そのお姫様呼びもやめてっ、」
「照れてるらんらんがかわいいから無理~」
すちは当たり前という顔で俺の鞄を取り、隣に来る。
いつもはなんの変わらず、少し高いすちの顔をみて話せてたのに。
今は顔を上げることができないよ。
二人無言のまま学校へ向かう。この気まずさに耐えられず、俺の方からあの話をした。
「昨日の、あれ、本気なの?」
「んー、告白のこと?さて、どうだろうね?」
「茶化さないでちゃんと言ってよ」
「…らんらんのことは好きだけど重荷になりたくないから。情があるからって付き合わなくてもいいよ。きっぱり諦めるから。」
そう悲し気にわらった彼の顔が、頭から離れなかった。
学校についてもそれは変わらず。
日直の仕事をしてても授業を聞いてても、斜め前にいるすちに目が行ってしまう。
そんな悩み相談を、去年はクラスが一緒だったみことに聞いてみることにした。
「みこちゃん、どうしたらいいと思う?」
「えー、そんなこと急に言われてもなぁ。」
「おねがーい、大ピンチなの!」
「俺は恋したことないからわからへんけど、らんらんがすちくんのことが頭から離れられないってことは、それもう恋しとるってことなんじゃない?」
「そうかな…」
でもいまいちピンとこない。幼馴染で居た期間が長いからか。それとも…
「んー、調べてみたら、嫉妬したら愛情があるかも、らしいで?」
「嫉妬…」
「そうそう!独占欲がわき始めたらいいんのかな?」
「ん、わかった。いろいろとありがとうね。」
「ううん。お役にたてたなら何より。」
「また遊ぼうね、みこちゃん」
「うん。ばいばい。らんらん。」
俺は自分のクラスへ向かって歩き出す。
考え事をしていたから、
「これでいいんよね。すちくん」
というみことの声は聞こえなかった。
放課後。先生に日誌を届けている間、すちは教室で待っていてくれてる。
「せんせー、持ってきました」
「お、桃瀬。ありがとな。」
「いえいえ。」
「んじゃ、帰っていいぞ」
「はーい。失礼しました」
職員室から出て、教室に向かって歩き出す。
その時も頭の中はすちのことでいっぱいだった。
幼稚園の頃泥団子を作ったあの日。小学生のころ公園で遊んだあの日。中学での勉強会。そして昨日の告白。
思い出がいくつもよみがえる。そのたびに胸が熱くなる。これが恋なのかもしれない。けど幼馴染としての愛かもしれない。わからない。この答えがどこにあるのか。
「すち、お待たせ、ってあれ?」
教室に戻ったらすちがいなかった。俺の机にはメモ用紙が張ってある。
「〈呼ばれちゃったから体育館裏にいるね。〉…?」
告白…女子からの?誰に?誰から?俺を置いて。
心がもやっとそしてチクリとする。
これが嫉妬。あ、俺すちのこと、好きなんだ。
体育館裏まで猛スピードで向かう。まだ学校に残ってた生徒が不思議そうな顔をしていたけど気にならなかった。
取られるかもしれない。あいつは俺のことお姫様なんて呼んでたけど、他ができるかもしれない。
だめ、だめ、絶対に嫌だ。そんなことを思っているうちに、すちのいるところへ着いた。
手紙を差し出すブロンドの髪をした可愛い女の子。
「ごめんね、俺には大切なお姫様がいるんだ。」
そう言って断るすち。よかった。死角になってる壁に寄りかかり、深いため息をつく。
告白、邪魔しちゃわるいよね?成功を祈らない時点で邪魔してるかもだけど。そう思い、その場を離れようとしたとき、
「だよね、らんらん」
突然俺の名前が呼ばれる。驚いて声がでそうになった口を両手でしっかり塞ぐ。
「隠れなくていいよ、ここにいるの変装したみこちゃんだから。」
「ごめんね…らんらん」
突然の発表と申し訳なさそうなみことの声。
「…っ、取られると思ったんだから、ばか…っ!」
俺は二人の前に飛び出し、すちの胸をたたく。すちの長い腕が、俺の体を抱き寄せる。
「ごめんね。騙しちゃって」
「ほんとだよ。気が気じゃなかった」
「うん。よかった。…改めて。らんらん」
「なに、」
「俺と付き合ってください。」
「うん、喜んで。」
俺はそう言ってもう一度すちに抱き着く。これは情なんかじゃない。正真正銘の初恋だ。
しばらく余韻に浸っていると、後ろから申し訳なさそうな声が聞こえる。
「え、俺はどうすれば…?」
あ、みことの存在頭から抜けてた。大好きな親友なのに。
「あ、ごめん。みこちゃん。協力ありがとう。」
「ううん。お役に立てて何より。らんらん、騙してごめんね」
「大丈夫だよ。」
「ありがとう。じゃ、お先に。またね」
「うん、また」
「またね」
手を小さく降るみことに別れを告げ、俺たちも歩き出す。
「さて、お姫様。初デートはどこに行こっか?」
「その恥ずかしい呼び方変えたら行ってあげる。童話の王子様め。」
「それは無理かな~。だって俺の大事なお姫様だから。」
昨日まで幼馴染だったすち。でも今日からは恋人として、隣にいるよ。
俺の、王子様。
~end~
コメント
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みぅです🤍🥀読み終えました〜 幼馴染から恋人に変わる瞬間の、らんらんのドキドキと気づきの過程がめっちゃ丁寧で可愛かったです。「お姫様」呼びとか、すちくんの執着っぽい一途さがもう…。みこちゃんの裏協力もあって、最後の体育館裏のシーンは胸がぎゅっとなりました。恋かどうかわからないって悩むところ、すごくリアルで共感しました。これから二人がどう変わっていくのか、もっと読みたいです🌙