テラーノベル
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オレンジ色の夕焼け空。
私~et-は、学校の屋上から、住宅街の灯が順番についていくのを眺めていた。
私は、学校も部活も嫌で、みんなと一緒にいるのが厭で、いつもここに来ている。
空気を吸いこむと、町の晩御飯の匂い_カレーライスや味噌汁の匂いが漂っている。
いつもの私はやることもなく、ただただその景色を見るだけだろう。
でも,今日は違う。
親の離婚のせいで私の居場所が消えた。母は新しい義父と結婚した。
私はただのおまけ。奴隷のように扱われるだけだ。
学校も,「大人」に縛られる毎日。「子供」の私は何も出来ない。
だから、全て諦めることにした。
フェンスを乗り越ると、腰まで伸ばした髪が風に煽られ、ばたばたと暴れる。
遺書は、書く気になれなかった。
「何してんの、ッ」
…ぇ?
声がして,私は目を見開く。
整った顔がすぐ近くまで来ていた。
(yan裙、だっけ)
(余計なこと…)
「何してんの、止めないでよっ」
「命の恩人に何言ってんだよ!」
(助けてくれたんだ)
(でも、いつの間に?)
「飛び降りようとしてたの、?」
……
「どうせあんたにはわかんないよ、」
「分かるよ」
え?
「だって,俺、」
_余命宣言されてるし。
…………は?
「だから死ぬ前にさ、」
「俺の1ヶ月に付き合ってくんない?」
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