数年前。 狂唖。
「お前って本当に声出ないよね、、全然喋んないし、、ここにきてもう1週間経つんだからそろそろ声聞かせてよ〜」梵はそう教科書の問題を解く手を止めた。「、、、、」声、、か、、最後に声を出したのはいつだろう、、「8歳は我儘な時期なんだし、、お前ももうちょい専務にねだって欲しいもの買ってもらおうぜ」「コラコラ、、気にするな、、えっと、、お前にもお前のペースがあるからな、、」「、、、、」話すって言っても、、何を話せばいいんだろ、、声が聞きたいって、、「、、、、」なんでそう思うんだろ、、声を出せたとして、、なんて言えばいいんだろ、、「、、よし!!じゃあ俺がお前さんに発声練習させてやる!!」「、、??竹口さん??」梵はそう竹口さんの方を向いた。「俺は声がデケェからな!!お前らの教官でもあるし!!ガッハハ!!」
ーーーーーーー
現在。 船。 狂唖。
「、、、、」今じゃあ声も普通に出る。普通に、、。でもたまに出なくなる、、出なくなるたび怖くなる、、このまま一生出なかったら、、「、、、、」すると「狂唖」「、、あ、、翠、、」「見張りの交代だ、中で休め」「、、うん」「、、なんだ、、その写真、、随分と昔のだな、、」「え、あ、あぁ、、大切な任務の日はいつも持ってんの、、捨てたいけど
捨てられなくて、、そのうち無くなっててくれないかなって、、」「、、懐かしいな、、竹口さんの誕生日プレゼントのことで喧嘩した日だよな、、ww本当によく喧嘩した、、」翠はそう俺の隣に座った。「竹口さんの誕生日プレゼント、、俺はネクタイが良くて、、梵はハンカチが良くて、、お前は確かどうしても苺があげたかったんだっけな、、」「誰も一歩も譲らなくて、その結果喧嘩って、、今思えば本当くだらない、、」「しかし喧嘩しても毎回お前(狂唖)が勝つんだ、、俺たちの中で1番強かったし、賢かったからな、、ww」「、、この写真の後ろの人って確か竹口さんだよな」「、、え??」「、、??違うの」「、、いや、、あぁ、、確か竹口さんだったような、、」「、、そっか、、」なら、、「、、なら、、この写真は大切に保管しとく、、竹口さんの為にも、、」「、、そうか、、すまなかったな、、守れなくて、、」「別に翠の所為じゃなくね、、」「、、そう言ってもらえて嬉しい、、ありがとう、狂唖」「、、、、」
ーーーーーーー
数年前。 狂唖。
「よし!!じゃあ好きな言葉から言えるようになろう!!」そう竹口さんは拳を叩いた。「んー、、お前は何が好きなものはあるか??」「、、、、」、、好きなもの、、??好きってなんだろ、、「、、あぁ、、じゃあ、大切にしてるものにしよう!!この紙に自分が大切にしてるものを描いてくれ」「、、、、」「、、ゆっくりでいいぞ〜」「、、、、」大切、、大切、、「、、人とかでも良いぞ??」「、、、、」、、大切にしてる人、、
ーーーーーーー
数分後。
「お!!書けたか??」俺は頷き、髪を見せた。「、、すい、そよぎ、、ハハッwwお前も良い奴だなww」そう竹口さんは俺の背中を叩いた。「、、!?」「よしっ!!言えるようになろう!!」
ーーーーーーー
「そ!!だそ!!梵のそ!!」「、、っ、、」「沢山息を吸うんだそ!!そ!!」「、、っ、、ゔっ、、」なんだこれ、、声なんてどうやってみんな出してるんだろ、、「、、、、」
ーーーーーーー
数分後。
「、、ほら、食べて良いぞ??」そう竹口さんは俺に苺を渡した。「、、、、」「、、お前さん、喋ることに何か抵抗があるのか??例えば、、その、、なんだ、、両親に喋るなって言われてたとか、、」「、、、、」両親、、「紙に書くと良い、、何時間でも待つ」
ーーーーーーー
数時間。
俺は竹口さんの袖を引っ張った。「お、、書けたか??見せてくれ、、」「、、、、」俺は紙を竹口さんに渡した。「、、それはそうだ、、わかんないよなwwこんなこと聞かれたってww」「、、、、」俺は紙にただ一言、わからないとだけ書いた。「、、、、」、、でも声に対してトラウマがあったのは事実だ。年上の男性の性器を何度もねじ込まれた、男たちは俺の喘ぎ声が聞きたかったらしい、、俺は何度も叫んだ。声が枯れるほど、、でも、男たちが言うにはあの行為は愛そのものらしい、、「、、、、」、、本当なのかな、、それは正しい愛なのかな、、愛するってなんですか、、そう、、この人(竹口)に聞けたら、、「、、ま!!お前は好きなように生きろよ、言いたい事言って食いてぇ物食べて、アイツ等困らせるほど自由人になれば良いww」「、、、、」アイツ等って、、翠と梵のことか、、「、、、、」
ーーーーーーー
数週間後。
「翠!!梵!!コイツがお前に言いたい事があるらしいぞ〜!!」竹口さんはそう勉強をしていた2人をこちらに向かせた。「え、何何!!」「、、何だ」2人はそう目の前まで寄ってきた。「、、っ、、え、、」「、、ハハ、、大丈夫、沢山練習したじゃないか」「ん??何を??」「何だ??」「、、す、すい、、そ、、よぎ、、」「、、え」「え」「、、、、」「えぇぇぇぇ!!!!喋ったぁぁぁぁ!!!!」梵は俺に抱きついた。「初めて声聞いた」「え!!凄げぇ!!可愛い声だな!!ねぇ、もう一回!!」「俺も」「すい、、そよぎ、、」「うぇぇ!!」「やべ、泣きそう」「翠!?」「そんなん言ったら俺もっ、、ゔっ、、」「え、、な、泣かないでよ、、」俺は梵の目を擦った。「ガハハwwやったな!!」「、、、、」俺は竹口さんの顔を見た。「じゃあさ!!竹口さんって言ってみなよ!!」梵はそう言った。「え、、」「おいおい、俺は良いよww」「頑張れ」「、、た、、」「た〜」「、、っ、、た、たけ、、ぐち、、」「、、まさかの呼び捨て」「それはまずいって」「ハハww構わねぇよ」すると竹口さんは俺の頭を撫でた。「、、!?」「ハハッww撫でられて照れてるww」「、、、、」「これからはたくさん話そうな!!え〜っと、、」「、、前々から思ってたんだが、、そろそろ名前をつけた方がいい、、」翠はそう俺に向かって言った。「、、確かに、、名前がなきゃ不便過ぎる、、」「、、名前、、いるの、、」「いるよぉ〜!!まぁ、、名前はそのうち考えよ、、大切な言葉を名前にしようよ」梵はそう腕を組んだ。「、、ん、、わかった、、探しとく、、」