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先生と生徒(途中)

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先生と生徒(途中)

2 - 第2話

♥

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2022年03月29日

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「ねぇセンセ。恋って、どんなの?」


とある日の補習中、谷口がそんな事を聞いてきた。

…恋とは、


「恋…したらわかるんじゃねぇか」

「だから!恋かもしれないから聞いてんだって!」


少し揶揄うと、怒られた。

恋なんて、俺が感じてきたものはそんな優しくねぇよ、と言ってやりたかった。


「…そうだな、ふとした瞬間にその子の事を考えてて、気づいたら目で追ってたり、話したり近付いたりすると、胸がこう…どくんってなるんだよ」

「へぇ…」

「…なんだよ、文句あんのか。てか補習しろ補習」

「…じゃあ、この感情は、恋、なんだ」

「あ?」

「何でもないわ、ありがと、センセ」


そう笑ったソイツの顔は、やっぱり俺好みで輝いていた。


次の日


(今日もあっついな〜…)


アイツと出会った頃とは変わり、太陽の光が眩しくなった頃-

俺のじき恋人にピンチが訪れる



「谷口瑞葉君…なんで校長室に呼ばれたか分かってるか?」

「なんでって…聞かなくても」

「はぁ…元からそういう喧嘩はあったんだって?辞めて欲しいなぁ」


この日、谷口は他校の生徒を病院送りにし、学校に来た。

ただその顔は、罪悪感などはなく、怒りに満ちていた


「谷口君さぁ…これ以上問題起こすなら、学校辞めることになるよ?ご両親にも迷惑かかるよ?」

「それは…自分でも分かってます…でも、今回のは…!」

「…校長、俺が谷口と話してもいいですか?」

「ん?あぁ、構わないよ」

「せんせ…」


谷口は、あんな性格だから、相当キレてなければ相手をそう傷つけることなんてない筈だ。

俺も…今回のは、事情を聞きたかった。

…谷口を信じて


「で、なんであんなにボコしたんだ?」

「っ…それは…」

「ん?」

「…先生を馬鹿にされたから」


…一瞬聞き間違えかと思った

俺をバカにされたから??…はぁ…??


「…俺を?馬鹿に?」

「うん…”お前の担任、きもいよなぁ!お前もお前でベタベタとさぁ!きめぇよ!”って笑われて…」


(…そんな谷口ベタベタしてるか?)

とか内心ツッコミつつ、俺は話を続けた


「…谷口、お前がどれだけ俺を好いてたのかはおいといて、相手を病院送りはやりすぎだ。相手の家族とかに謝ったり、結局嫌な思いするのはお前だからな。やりすぎんなよ。今度から喧嘩ふっかけられたら、俺を呼べ。俺が解決すっから

「…うん、今回のは相手にも、謝ってもらうし、謝るよ…ありがと、、せんせ」


正直な話、谷口の気持ちは痛いほどわかる。

俺も谷口バカにされたら、病院送りじゃすまないかもしれない…ってのは置いといて、


「校長、1週間の停学でいいすか」

「…処分が甘い気もするが、相手も相手だったな、まぁいいぞ」

「ありがとうございます」


「谷口、1週間の停学だ」

「はーい…」

(先生に会えなくなる…)

「あ、課題届けんのと、観察のためにお前ん家毎日行くわ」

「…よっしゃ」

「あ?」

「なんでも…」


そんな約束をして、この問題は幕を閉じる。

谷口はその後、ちゃんとお見舞いに通って、相手にも謝ったらしい。

(相手の家族の方が謝る量多かったとか何とか…)






つづく

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