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君が悪いんだよ

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君が悪いんだよ

1 - クズ彼氏

♥

280

2025年01月31日

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今回は2、3ヶ月ほど前えっくすさんであひるちゃんと盛り上がったストーリーです🤭

めっちゃ書きたくなったので書かせてもらいますいえい

あひるちゃんありがとう🫶

屑彼氏が逆転されるの良いよね

にしても遅れすぎてすみません


注意⚠️

白×水×白

最終的に水白

屑です。もう2人とも屑。


なんでも許せる方のみ見て下さい。


性的表現入ります。



irxs様のお名前をお借りしていますが

ご本人様には一切関係ございません。






水 side.



1週間、昔馴染みの友人と旅行へ行っていた。

元々2週間の旅行の予定だったけど、色々あってちょっと早い帰宅。



荷物を詰め込んだスーツケースを引いて階段を上がる。


💎┆おもーい……何でこのマンションエレベーターないんだろ…


手伝って、と彼氏にLINEしたのも1時間前。

見事なまでに既読スルー。

…ほんっと、なんであんな奴と付き合ってるんだろうな。


💎┆僕は力仕事向いてないの…!!


なんて言いながら最後の階段を乗り越える。

5階に住むと決めた頃の自分を今更ながらに恨む。


メリットとデメリットが比例してないでしょ。


💎┆ああ、久しぶりのマイホーム…


半ばゾンビになりながらも鍵を取り出して鍵穴に差し込み、回す。


…と、その時に感じる違和感。


鍵が空いている時の、あの空振りのような感覚。


💎┆…あれ…、鍵開いてる…?

💎┆え、いやいや……閉めたよね、僕…


こんな長く家を空けるのに鍵閉め忘れる?

そもそも僕、出る間に何回も確認したし。


💎┆嘘……空き巣…?


そうひとつの考えに至った時、ドアノブを握る手が細かく震える。


💎┆この中に…いたり、しないよね…?

💎┆っ…とりあえず、誰かに電話…


スマホを取り出す為にドアノブから手を離した時、


がちゃ、と音がしてドアが開いて。


💎┆…え?


中から伸びてきた腕に、内側から引っ張り込まれた。


💎┆あ…ッ!?


助けを求めようと大声を上げる前に口を塞がれ、後ろから抱きしめられる。

振り返ることもできず、ドアが閉まった暗闇の中で固まるだけ。



しばらくその気味が悪い状態が続いて…やっと、後ろの誰かが口を開いた。


?┆…おかえり、いむくん。


耳元で囁かれた、その聞き慣れた低い声に心なしかホッとする。

と同時に、怒りにも似た呆れが襲う。

塞がれていた手を振り払って口を開く。


💎┆…初兎ちゃん。なんで居るの?メッセージは既読無視のくせに。


そんな問いかけに、へらりとした答えが返ってくる。


🐇┆えぇ…?荷物持ちなんて嫌やん。

🐇┆でもいむくんに久しぶりに会えるならって思って、家の中で待っとったんよ。

💎┆…合鍵なんて渡したっけ。

🐇┆作っちゃった。恋人やもんねー?

💎┆…恋人やもんねー…って…。僕に一言くらい言ってよ。

🐇┆サプライズってやつー?


どこか掴みどころのない彼の言葉。

一歩間違えれば警察案件の犯罪スレスレのことをやっているが、もう慣れてしまったのか怒る気力すらも湧かない。


一つため息を吐いて、荷解きをしようと動き出した時。

彼が今日一番の爆弾を投下した。


🐇┆あ、そうや。僕今日からここ住むな?

💎┆…え?

🐇┆やから。僕、今日からここに住むの。同棲!!

💎┆え、ちょ…家は?あったよね?

🐇┆んー?解約しちゃった。

💎┆は!?え、ちょっと…


くすり、と無邪気に笑いながら僕を置いて奥へと入っていく。


💎┆ちょ、初兎ちゃん…


彼を追いかけて我が家に足を踏み入れたが、リビングはまるで地獄絵図。

旅行に行く前にある程度片付けたはずだが、何故かペットボトルやらなんやらのゴミが散乱している。


だけでなく、明らか僕のものではない物もあちらこちらに落ちている。


💎┆え…っと…?なんでこんなに物が散らばって…

🐇┆僕が生活してたからやなー。

💎┆は?…え、ちょっと待って…?

💎┆僕が旅行行ってる間ここに住んでたって事!?

🐇┆だってアパート解約しちゃったしなぁ…。

💎┆…解約って、何それ…。


倫理的にとち狂ってるというか。

もうどうすることもできない既成事実に、呆れを通り越してもはや笑いたくなってくる。


腐りすぎてる人間性。

根っからなのか、なんらかが原因でこんなクズになったのか。


僕が出会った時はまだ優しい人だったから、僕の存在が彼をこんな風に変えたのか。

それとも、ただ隠してた本性が現れただけか。


…まあ、それも全部もういいか。


🐇┆…なぁ、ここに一緒に済ませてや?仕事はちゃんとするからさ。

🐇┆なーあー、いむくん聞いとる?


首を傾げて僕の顔を覗き込んでくる。

…こんな仕草の一つだけで、僕の怒りは収まっていく。


…僕の扱い方がよく分かってるようで。


ほんと、こんな人が何で好きなんだろうね。


自分でも分からない問いに、少し笑う。


そして、言った。


💎┆…働いて、お金稼いで、家賃も一緒に払ってくれるなら…良いよ。

🐇┆…ほんま!?やったぁ、これでずっと一緒やな?


無邪気な笑顔に、高鳴る鼓動を抑え込みながら。


これ以上初兎ちゃんが屑になったら、きっと僕もこの気持ちを抑えきれないのかな。


ずっと一緒だね、初兎ちゃん。




あれから4ヶ月。


思いの外初兎ちゃんはしっかりと仕事に行き、洗濯や軽い炊事などもこなしていた。


🐇┆いむくん、この服どこ置いといたらええ?

💎┆…ああ、それなら…机の上に置いといて。

🐇┆はいよー。


…ただ一つ。気になることがあるとすれば。


💎┆…初兎ちゃん、今日帰ってくるのって何時くらい?

🐇┆んー…?さぁ、分からへんかな。

💎┆…そう。早く帰ったなら、なんか作っといて。

🐇┆んぇぇ、めんどくさ…。


…最近、帰りの時間がバラバラであることくらいだろうか。

ちょっと前までは僕の方が少し早く家に帰っていたのだけど、何故か最近は初兎ちゃんの方が早く家に居る。

かと思えば、夜遅くまで家を空けていることもある。


でも、別に女と会っているような雰囲気では無い。

それなら別に良いか、と放置している。


💎┆…よろしくね、初兎ちゃん。

🐇┆はいはい…やっときますよ…。

🐇┆ほな、行ってくるな。いむくん。

💎┆…うん。行ってらっしゃい。


…まぁ、もう少しだけ信じてみるか。






事実が発覚したのはこの2週間後。

仕事帰り、初兎ちゃんの同僚達と出会ったことがきっかけだった。


💎┆…あ”ー…なんか、本当に疲れた。

💎┆家帰って、ご飯作って…?


いつも通り、帰路についていたところを呼び止められた。


🐤┆あれ?ほとけっち…?

💎┆…あ…、りうちゃん…?

🐤┆…良かった、元気だったんだね。

🐤┆てっきり、初兎ちゃんと同じかと…

💎┆…え?初兎ちゃん…?


いきなり聞こえてきた単語に、耳が大きくなるというか。

何か嫌な予感がして、りうちゃんに聞き返す。


💎┆初兎ちゃんが…どうしたの?

🐤┆…え?聞いてないの?

🐤┆…初兎ちゃん、仕事辞めたんだよ。心身の不調、…とかで。


ふ、と。

力が抜ける感覚がした。





そこからどうやって家に帰ったかは覚えてない。

ただ、重い身体を引き摺ってドアを開けて。


リビングに初兎ちゃんの姿が見えた時、そのまま崩れ落ちた。


💎┆…初兎ちゃん…仕事、辞めてたの…?

🐇┆え?…あぁ、バレた?


何も悪びれずに、少し微笑む初兎ちゃん。

…その笑顔に、何故か少し安心してしまう。


でも、続いた言葉は最早絶望の2文字で。


🐇┆…冷静になって考えてみてんな。

🐇┆僕が仕事せんくても…生活できるんちゃう?って。

💎┆…は…?

🐇┆だっていむくんの収入ってそこそこ高いやん?

🐇┆僕が家事全部やるしさ、分担しようや。

🐇┆やから、…俺、仕事辞めるわ。


ああ、しんどいな。生活も、しんどくなるな。

…嫌いになれたら、楽なのに。



でも、この人ならもういいや…って思っちゃうのは、手遅れかな。


💎┆…家事、ちゃんとやってね。

🐇┆…!ありがとーな!


…本当、馬鹿。



笑顔だけで、すぐ許しちゃう僕も。



その僕のことを、操れてると思ってる君も。





そんな狂信的な僕を追い詰めた出来事は、更に半年後に起こるだった。






…いつもの日常だった。


朝早く出社して、上司からの叱責に耐えて。

疲れた身体でそのまま家に帰る。


家に着いたら、彼氏の初兎ちゃんが出迎えてくれて。


🐇┆おかえり、いむくん。

💎┆…うん。


温まってるご飯を一緒に食べて、お風呂入って。

休日、気が向いたらそのまま一緒にベッドに入って朝まで寄り添う。


そんな日常の繰り返し。


寝る時はいつまで経っても僕が下。

それなのに、働くのは僕。


こんなご時世、そんな差別だなんだ言われそうな言葉はあまり言えないが、

元来の価値観からすれば普通におかしいよな。


そう気付いた時、彼を“彼氏”として見る目は急速に色を失っていった。




そんな時だった。


彼があんな一言を放ったのは。



🐇┆…いむくん、これからもさ。

🐇┆僕の分まで、働いてな?

🐇┆自慢の、彼女やからさ。



それを聞いた時、僕の体は勝手に動いてて。


初兎ちゃんを床に押し倒していた。


🐇┆い”っ……


いきなりの事に顔を顰める初兎ちゃんの上に、そのまま馬乗りになる。

流石に焦ったのか、瞳が震えて左右に揺れる。


💎┆…ねぇ、初兎ちゃん。


そんな彼に顔を近づけて、囁く。


💎┆普通に考えてさぁ、彼女が働くのっておかしくない?

🐇┆ちょ、…いむくん…?

💎┆僕ら別にどちらも男だけど。…彼氏が働くでしょ、普通。

💎┆昔っから、家の事をするのは彼女側だよね。

🐇┆…何、…何が言いたいん…っ?

💎┆…えぇ?そうだなぁ…。


怯えたように震える瞳。

押さえ付ける僕の手を振り解けないほどの力の弱さ。

…どれもこれも、仕事をしてこなかったことの弊害。


今の僕に好都合でしかないシチュエーションに、つい頬が緩む。

結局、僕はこれを狙ってたのかな。



💎┆今日くらい、僕にお前を抱かせてよ。

🐇┆ぇ、…?


揺れる瞳が一際大きく見開かれる。


🐇┆い、むくん…?何言っとんの、やめてや…

💎┆身動きが取れない状態でよくそんなこと言えるね。

💎┆…やっぱ、ニートだから力がないんだ?

🐇┆ちが、

💎┆…まぁ、好都合だから良いや。…ね、初兎ちゃん。


馬乗りになっている僕から逃げ出そうともがく。

…でも全く動かない僕を見て、

少しずつ脱がされていく自分の服に気が付いて、

彼は泣いた。

手で口元を押さえるようにして、静かに。


その手を解いて、床に押さえつけるように口付けをすれば

純恋色の澄んだ瞳は、諦めたようにゆっくり閉じられた。




…そのまま僕は乱暴に、それでいて優しく彼氏を抱いた。



僕は君の笑顔が好き。

…でも、それ以上に絶望する君の顔が好きだったみたいだ。






💎┆…しょーうちゃん、起きて?

💎┆7時だよ。お仕事間に合う?


水色の髪をした彼は、不気味に笑って囁いた。


💎┆初兎ちゃんファイト!僕の分までしっかり働いてきてね?

💎┆…このままずっと、2人で幸せになろうね。



🐇┆…ぁはっ……、…行ってきます、いむくん。




こうなったのも、全部、…全部。



____君が悪いんだよ。


Fin.

この作品はいかがでしたか?

280

コメント

4

ユーザー

いやもうほんとにお互いに屑とか 最高すぎます…💕‪🫶🏻️︎ なんで水さんと白さんって こんなに屑似合うんですかね? 雪名さん書くの上手すぎませんか? 白さん多分水さんは 自分の手の中におる ~ って感じだったんでしょうね 笑顔より絶望した顔が好きとか 歪みすぎてて大好きです♥️

ユーザー

めっちゃ前に話したクズ彼氏良すぎた😭なんかちゃんと仕事も辞めてくれてるし、見返したら幸せになろうねも入ってて、話してたニートになった白さんが力弱いの本当に好きすぎました🤦🏻‍♀️俺の分まで働いてもあって、最後に水さんがニート側に行ったの好きすぎた、 まじ屑って沼るよね本当に 白さん屑似合う

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