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阿部の家に来た渡辺。
とりあえずソファに座ってる。
阿部はコーヒーを淹れてきた。
これからどうしようか。
ここに帰って来る前渡辺の家に寄り着替えやら必要な物を持ってきた。
阿部ー翔太、ゆっくりしてね。
渡辺は手話でありがとうと言いコーヒーを飲む。
泣き腫らした目、阿部が辛くなる。
そっと渡辺を抱きしめる。
阿部ー目黒もこうしたかったと思うよ?
渡辺ー・・。
阿部ー俺も誤解招くようなことして、ごめんね。
渡辺ー・・。
渡辺は緩く首を振る。
また涙が出てきた。
そこへ目黒からメールが届いた。
♬ EVERYTHING IS EVERYTHING の歌。
「君は僕の全て」「声が聞きたい」
渡辺は泣きながら何度も聴いている。
阿部は寝室に入って岩本に連絡した。
阿部ー見てられない。
岩本ー目黒の方には深澤が行ってる。
阿部ーふっかが?
岩本ーあの2人のこと気が付いていたみたいだ。
阿部ーそっか。
岩本ー明日の練習、翔太はどうする?
阿部ーまだ目黒には会わせたくない。
岩本ー休ませるか?
阿部ーみんな声が出ないこと知ってるんでしょ?
岩本ーあぁ。
阿部ー翔太が可哀想だから休ませよう?
岩本ー休ませるか。
阿部ー目黒が♬EVERYTHING IS EVERYTHING の歌を送ってきた。
岩本ーん。
阿部ー翔太は泣きながら何度も聴いている。
岩本ー今のあの2人のことのような曲だな。
阿部が寝室から出ると渡辺がソファで丸くなって曲をかけながら眠っている。
阿部は毛布を持ってきてそっと渡辺にかけた。
何度も渡辺の頭を撫でる。
阿部まで泣きそうになる。
渡辺が阿部の家に来て10日経った。
今まで変化はみられなかった。
この日も、目黒から送られてきた曲を聴いている。
阿部は、そばに座って本を読んでいた。
どこからか唄声が聞こえる。
阿部は渡辺を見た。
携帯を握り締め横になって歌を唄っている。
本人も自覚ないだろう。
阿部はそっと録音した。
晩御飯を食べている時、阿部が携帯からあの唄声を流す。
渡辺は不思議そうな顔をしている。
阿部ー翔太の声だよ。
渡辺ー・・。
阿部ー声出るよ。
渡辺ー・・。
阿部ー翔太って言ってごらん。
渡辺ー・・しょ・・た・・。
阿部ーね、声出るでしょう?
渡辺ーあ・・べ・・。
阿部ーちゃんと唄えてる。
渡辺ー・・。
渡辺は泣きながら自分の名前と阿部と言う。
阿部が♬ EVERYTHING IS EVERYTHING をかける。
渡辺は困ったような顔をして、それでも唄いだした。
ちゃんと唄えてる。
阿部は手を叩き渡辺を抱きしめる。
渡辺ーうた・・えた。
阿部ー照に連絡するね。
渡辺ーまだ・・しゃ・・べれ・・ない。
阿部ーみんなといればもっと声が出てくると思う。
渡辺ー・・。
阿部ー明日は一緒に練習に行こう。
渡辺ーこ・・わい。
阿部ー目黒が?
渡辺ーん。
阿部ー俺のそばにいたらいいよ。
渡辺ーん。
次の日、練習に渡辺が来た。
メンバーは大喜びして話しかけた。
渡辺は少しずつだけど話している。
目黒は岩本の側で行くのを止められている。
恐いと聞かされているから仕方ない。
でも、かすかな渡辺の声を聞き涙が出てきた。
この日は渡辺に岩本が集中して教えているから目黒は近づけない。
怖がらせたから仕方ないので自分の練習をしている。
休憩中は阿部が横にいる。
みんなと喋っているとだんだん声が出るようになる。
帰る頃には普通に喋ってる。
佐久間ー翔太、またな。
渡辺ーまたな。
ラウー翔太くん、明日ね。
渡辺ーおぅ。
宮舘ー翔太、無理するな。
渡辺ー涼太、ありがとう。
向井ー明日、楽しみに待ってるで。
渡辺ーうん。
深澤ーナベ、良かったな。
渡辺ーうん。
阿部ー帰ろうか。
渡辺ーうん、阿部ありがとう。
渡辺は自分の家に帰ってきた。
掃除をしてコーヒーを飲んでいる。
深澤からLINEがきた。
俺は2人のこと気が付いているから。
目黒も反省してるし許してやれ。
元通りになる事を祈ってる。
まだ、あの日を思い出すと恐い。
許せるかわからない。
でも、先に勘違いしたのは渡辺だ。
携帯の中にあるたくさんの目黒の写真を見る。
優しい思い出ばかりが浮かぶ。