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奇蹟あい
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#勘違い
かませ犬S
455
#男主人公
パラレル・ゲーマー
173
にとり
1
ヴァイオレットエレノーラ…
深緑の森。その奥深くに住む、孤高の麗しきエルフ。
二人の妖精王、四人の大精霊と契約し、二度の危機から世界を救った英雄。
その湖畔で静かに暮らす彼女の下を俺は訪れた。異世界の邪神と戦う仲間になってくれるように。
だが、彼女は首を縦には振ってくれなかった。
既に何かを諦めている風情だった。
「また来たのですか?」
美しい小柄な少女。歳の頃は15歳程度に見えるが、伝説から考えると300歳は越えているはずだった。緑の瞳に黄金のストレートヘアが眩しい。
「何度来ても私はここを出ませんよ」
引き篭もりのようなことを言うエルフ。
元々そのような気のある種族だからしかたがないが、幾度となく世界を救った英雄だ。その度に旅はしているはずだ。
「この世界の危機なのです」
「既に二度救いました…
三度あるということは滅びが必然なのではないでしょうか?」
「抗うなと?」
「……そうは言いません……
私が疲れただけです。
二度の戦いで愛するもの、かけがえのない友を全て失いました…私はもう戦えない…」
「だから、ここで一人でおられるのですか?」
「みんな私を残していなくなってしまうから…
最初から一人なら何も失わなくてすみます」
「わかりました。
また、明日来ます」
「…貴方、理解していますか?私は一人になりたいのです」
「貴方は、仲間と過ごす暖かさを知っている方だ。こんなところで一人寂しくさせてはおけない」
「人の話を聞きなさい!」
「友達になりましょう」
「だから止めてって」
「明日は何か差し入れも持ってきますね」
「ちょっと!コラー!」
◆◆◆
一ヶ月かけて俺は、大精霊使いの彼女を仲間にすることができた。
「あのときはノイローゼになったのよ」
宮小路さんもといヴァイオレットがゲッソリとした表情をする。
「まさか、宮小路さんがヴァイオレットさんだったなんて…」
「危機に瀕しなければ、私の意識は表にでないようにされていたみたい」
「隼人様に?」
「隼人…『様』?」
「「……」」
ヴァイオレットの視線に俺の目が泳ぐ。
「撫子モードだそうです…ヴァイオレットさんにもついてらしゃるのでしょ?」
俺は呟くように言った。
「ない…わよ…」
「そんな…」
(何だって!なんで俺には付いてるんだ!)
「私は一番最初に起動した石動の作品だった。
だから後の作品より機能も性能も落ちるの」
「最初?」
「そう。
そして…最初の作品として軍部によって検証試験をされて、肉体が普通の人とほとんど変わらない事がわかり廃棄処分が決まった」
「廃棄…」
「そのため石動が、廃棄したことにして。私の意識を奥に、別の人格を表にして知り合いに託した」
「宮小路さんの記憶はあるのですか?」
「ある…
…ねえ
ブレイクのその言葉遣い何とかならない?
気持ち悪いわ」
(気持ち悪い…泣)
「自分の意志ではどうにもなりません」
「難儀ね」
「はい…」
「ヴァイオレットさんは、何故私がブレイクだとおわかりになられたんですか?」
「人非ざる気配と身のこなしよ…」
「桜花の姿なのにですか?」
「どれだけ一緒に過ごしたと思っているの?」
(そう言われると照れるな)
「貴方の、敵に突っ込んでいく戦い方。全体を掴んでいそうで抜けているところ。危なっかしくて見ていられないわ」
(おい!)
「それと、私がこの世界に呼ばれたなら、貴方たちだって来る可能性もあった。
八千代のときに桜花さんと一緒にいると懐かしい気がとてもしていたの。だから無意識に気になったし、一緒にいたかったのかもしれない」
「寂しがり屋のエルフさんでしたものね」
「寂しくない!」
二人微笑み合う。
「では、積もる話もありますが」
「この拠点を制圧しましょうか」
俺はヴァイオレットと頷きあった。
この人攫いの拠点は制圧しなければいけない。
関わったものを捕縛。被害者を救出確保しなければ拠点を替えて続けられてしまう。
俺は倒した犯人と独逸軍人を衣服を使って縛り上げ転がす。念のため意識も刈り取っておこう。
「状況は把握できますか?」
俺はヴァイオレットに聞く。
「敵は残り約30人ほど、銃を持っているのは20人ね。
捕まっている人もいるわ」
「何人?」
「6人ね」
ヴァイオレットのこの情報は精霊から得ている。
「…軍は精霊魔法を不要に思われたのですか?」
「この世界には無いものだし、隠してたから…」
「軍はずいぶん勿体ないことをしたものですね」
大精霊使いを破棄とか、一国に値する損失だろうに。
「利用されたくないもの」
「その通りですね」
コメント
1件
うわああヴァイオレットさんの過去が重くて切なすぎる…!😭 二度も世界を救った英雄なのに、愛するものを全部失って“一人でいたい”って諦めちゃうのヤバすぎ…泣ける。でも主人公が「友達になりましょう」って何度も通って根負けさせたの、尊すぎて胸熱🔥 最後は一緒に戦うって決めてくれてホントよかった!隼人様問題とか気になる伏線もあるし、次回もめっちゃ楽しみです!!✨