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「REAL」あるアイドルの光と影の告白

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「REAL」あるアイドルの光と影の告白

第22話 - 第四章　ウチ　３

35

2025年08月07日

#アイドル

#いじめ

#学校

#ストーカー

#第5回テノコン

#ドラマ

蒼乃　月

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蒼乃　月

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あたしは、こんなんだから、

パパにもママにも、頼ったことなんて一度もなくて。

そんなにひねくれたりせずに、ちゃんと親とも話せば、きっとわかってくれるからって？

何を？何をわかってくれるの？

手のかからない、いい子だとしか思っていないような親が、あたしの何をわかってくれるっていうの？

なんにも気づかないくせに。気づこうともしてないくせに。

そんなパパやママになんか、言いたいことなんて、ひとつもない。

理解し合えない、くだらない、うわべだけの家族。

あんたたちが家族として深く絆が繋がってるなんて思ってるんだとしたら、バカとしか言いようがない。

家族の絆なんて、もうとっくに離れちゃってるのに……。

いつまでたっても幼稚なパパとママは、あたしが物心ついたときから、ケンカばっかりしてる。

いつもいつも、つまらないことで言い合いをしては、その度に、

「もう離婚するから！」

と、ママはあたしに泣きついてくる。

最初のうちは離婚してほしくなくて、ママの話を親身になって聞いてあげてたけれど、

もう何度も何度も同じことばっかり聞かされて、いい加減聞きあきた。

離婚したかったら、すればいい。

あたしに、いったい何を求めてるのか知らないけど、

「パパとママにいてほしい」なんていう、安っぽい家族愛に満ちたセリフでも、もしも言わせたいんだとしたら、

ホント、バカじゃないかと思う。

あたしは、もうこんな家族となんて、別にいたくもないのに。

どんな顔して、

「パパとママといっしょにいたいから、離婚なんかしないで……」

とか、言えばいいの？

涙流して、引き止めるなんていう、

ウソくさいお芝居でも、今さらしてほしいの？

パパも、ママも、自分たちのことばっかで、

あたしの声にもならないような心の叫びには、何ひとつ気づかない。

ケンカした後で、パパが言う、お決まりのセリフ……

「ケンカはしても、やっぱり家族でいたいよな。パパとママとかわいい娘と、これからも３人で、ずっといっしょに暮らしていこうな？」

あたしを抱きしめて、パパが言う。

……触らないで。大っ嫌い……。

あたしは、こんな家族のことなんて、ちっとも好きじゃない。