部活の休憩中、エースが話しかけて来た。
「ユウさー」
『なに』
「体操服の丈長くない?」
…たしかに。股下まであるわ
『あー』
『おさがりだからじゃない?』
『姉ちゃんか兄ちゃんか知らんけど』
「…ふーん?」
おさがりが当たり前の生活だった。
だから大きめのサイズなのは全く気にしていなかった。
『ま、だぼだぼのほうが可愛いしいいんだけど~』
.
「お姉さんってあれでしょ?被害者第1号」
『そーそー』
『だから体操服とかは持ってるんだよね』
「忘れたらどーすんの」
『んー』
人の服を着るのはあまり抵抗がない。洗濯してあったら別に誰でもって感じだし。
『ハーツの子か先輩に貸してもらう』
すると、エースがピシッと固まった
「…オレの貸すからそれはやめて」
『え』
おろしれぇ〜 冗談なのに本気にしてら~
「オレは兄貴の着るから」
『あたしのこと大好きじゃん』
「あー、そうだよ 大好きだよ!」
ちょっと笑いながら言うと、エースは照れながら声にした。
「…休憩終わり! 先いくぞ!」
『待ってよ 真っ赤なエースクン』
あたしは笑いながら背中を追いかけた。