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 異世界系
ロミオとシンデレラ風
朝はお手伝いさんのモーニングコールで目を覚ます。
 王子様のキスで目覚めてみたい、なんて妄想癖もいい加減にするべきだけど
 朝ごはんはもはや味がしないとも言えるようなほど高級、というのが正解だろうか、まぁいいものを食べている。
 正直飽きてきてはいるし、この生活にもうんざり。だからある日、1人の女騎士に嘆いたの。
 もうやだ、どっか遠くに行きたいって。
 そしたら、じゃあ、わたくしが姫を連れ出しますよ、どこまでも。って
 ベタだなとは思うけど、本気の目だった。信じていいのかは分からない。でも、今日も会いに行きたい。
 そして言わなきゃ。
 『逃げ出したいよ、叱られるほど遠くへ』って。
 そしたら、なんて言ってくれるかな、なんて考えながら城の鍛錬場へ向かう。
 今日はそこにいるかしら、なんて柄にもないこと口に出して早足に歩く。
 「!わお、姫様…今日はどうなさいました、か?」
 『その堅苦しい呼び方辞めてよ、わおでいい』
 青い髪が揺れ、彼女の上がった息が響く。
 『あのね、連れ出してほしいの、叱られちゃうほど遠くに…』
 「…!」
 澄んだ瞳を大きく見開き、続けてこう言った。
 『オヒメサマの仰せのままに!』