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はじめにこの小説はnmmnです。
ご本人様とは一切関係ございません。転載、拡散はおやめくださいますようお願いします。
ここに書いてある全ては捏造です。キャラの崩壊も含まれます。
関係者様を下げる意図や貶める意図は全くございません。あくまでもフィクションです。また、特定の宗教、思想を批判する意図もありません。反社会的行動の推奨もいたしません。
本作には😄の嫌われ要素等が含まれます。
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「おい!ぺいん!」
「どうしたの皇帝?」
「貴様、我のことを後ろから撃っただろ!」
「は?」
「おかげで銀行強盗の犯人を取り逃したんだぞ!」
「な……どういうこと…?」
「とぼけるのも大概にしろ!」
「パシフィックの時、アタックしてきたのってぺいんさんでしたよね?」
「え?何言ってんだよ。俺がそんなことするわけないだろ!」
「で、でも、見た目は完全にぺいんさんだったんですよ!」
「それは俺に変装した誰かが……」
事件はいつも俺が一人きりになったタイミング、いわばアリバイのない時を狙ったかのように起こった。背後から銃撃したり、高所から突き落としたり、ヘリアタックを邪魔したりと、小賢しい手段を使い、時には死人が出るまでにエスカレートしていた。けれど、偽物のぺいんを捕まえようとすると、なぜかあと少しのところで取り逃してしまい、いつも検挙することが出来ずにいた。
もちろん知り合いのコスプレ好きな犯罪者たちに確認してみても、皆口を揃えて「そんな悪質なことはしない」と言う。
俺、もといぺいんを本物か否かの判別は不可能で、事件対応を満足に行えない不満や、周りに裏切り者がいるのではないかという疑いが徐々に強まり、署内には不穏な空気が広がりつつあった。
「ぺいんくん……すまないが…君を2週間の謹慎処分とする」
「は……え、な、んで」
「現場からDNAが…証拠が出てしまっているんだ」
「君のような人が汚職をするとは考えにくいが、証拠が出てしまった分には何もしない訳にはいかないんだ。すまない」
「そう、ですか………分かりました」
署長から下された処分はあまりにもショックで、頭の中が真っ白になって咄嗟の弁解すら出来なかった。
必死に頑張ってきたはずだった。同期たちと肩を並べられるようにと、長く眠ってしまった分、たくさん努力をして後輩たちに追い付こうと。
どうして、こうなってしまったんだろう。
車を運転する気力も無くて、とぼとぼと宛もなく歩き続ける。一時的とはいえ、警察という肩書きを失った自分には一体何が残るというのだろう。
SWAT装備を外した身体は、やけに重怠く感じた。
道すがら肩をぶつけてしまった心無きはこんな時に限って機嫌が悪かったらしく、いきなり殴りかかってきた。殴り返す気にもなれず、繰り出される拳を受け続ける。やがて心無きは意味のわからない叫び声を上げ、どこかへ走り去っていった。
仮面は無惨にも割れてしまい、温かい液体が鼻の下を伝う感覚から、自分が鼻血を流しているらしいことは分かった。俺は人造人間。痛みには強いのだ。霞む視界だけが煩わしくて、頭を振ってみたが一向に治る気配はない。
「ぺいんさん、血が出ていますよ。大丈夫ですか?」
ふらふらと歩いているうちにレギオン横までやってきてしまったようだ。ホットドッグの売り子をしていたケインが目敏く俺に声をかけてくる。
「いやー、心無きに絡まれちゃってさ…」
あはは、と笑いながらハンカチを差し出そうとしたケインを片手で制し、袖口で血を乱雑に拭った。
「すぐ近くに病院がありますから、治療を受けてはいかがでしょう」
「いいや、このくらいなら自分でどうにかなるから大丈夫」
「ん?ぺいんさんじゃん。どうしたの、その顔」
「ちょっと心無きが暴走しただけだから」
「本当に?」
「ほんとほんと!」
「ふ〜ん」
へらりと笑みを浮かべ、またどこかへ歩き出したぺいんの背中を眺めて、レダーは口を開く。
「なんか警察内でいざこざがあったらしいけど……やっぱ口堅いなぁ〜」
「店長……」
なんか情報落としてくれると思ったんだけど、とギリギリぺいんには届かない声量で呟き、ロボットであるケインからも若干引いているような視線を送られたレダーは、からからと笑いながらホットドッグ作りを再開する。
「冗談だって。俺としてもお得意さんが減るのは悲しいしね」
「…それ、金ヅルってことじゃないですか」
「ま、伊藤さんにはこの街に来た時に貰った恩もあるから!」
「……そうですか」
この部屋に帰るなんていつぶりだろうか。
足を動かす度にちらちらと舞う埃に噎せながら窓を開ける。
ある程度換気をして、軽く掃除機をかけたベッドに横たわる。本当はご飯くらい食べた方がいいのだろうが、今は何を口にする気にもなれない。
不意に視界が滲み、どこからか現れた水滴が頬を濡らしていく。
痛みには強いはず。なのに、胸が痛くて痛くて仕方ない。
しゃくり上げる声を聞いて、それがようやく自分のものであると気づいた。
こんな時にらだおや電波が居てくれたなら、どんなに心強かっただろう。誰にも信用されないというのは、こんなにも辛く苦しいことなのか。
ぺいんは一晩中声を上げて泣いた。
長い夜が明け、朝日が射し込む部屋でぼうっと寝転がったまま黄ばんだ壁を見つめる。何もかもを吐き出したぺいんの心は渇ききった砂漠のようだった。
それから数日、食料を調達する以外に外出する必要も無いので、一日のほとんどをベッドの上でぼんやりして過ごす生活を送っていると、ある日突然インターホンが鳴った。
「はい、どなたで……」
半分ほど扉を開けたところでふと気がついた。
あれ、そういえばみんなにアパートの部屋の番号まで教えたことあったっけ。
「久しぶり。110番」
続……かない…………