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太ドス ゴードス

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太ドス ゴードス

1 - 太ドス ゴードス

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27

2024年05月12日

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「ゴーゴリさん」

︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎

言葉の体温だけで分かるほどの不機嫌に、

少し肩を震わせてから一呼吸置き

彼の機嫌直しに付き合わされることとなった。




「今日も、校門の前で太宰君を待っていたのに逃げられました」

「ぅ…そっ、かぁー」


何とか痛みに耐えて相槌を打つが

返ってくるのはまた痛み、

人の髪をもふもふする手癖のある親友は

後ろへ 前へ と乱暴に私の髪を引っ張ってきて

――いたぁい

なんて言葉が自然と出てくる。


普段、担任からもクラスメイトからも

ドス君への一方的な絡み方について

怒られてばかりの己だが、

実際はドス君からだって

それなりの頻度で、――大半が愚痴ではあるが――話し掛けられている。


「どうして、ぼくは彼に出会えないのでしょう…?」

「わっ…ぃ、たいよ…ドスくん…!なんでだろうね…うぐっ」


親友からの突然の問いかけに

明確に答える事なんてできなかった。

『太宰君に嫌われている』と考えて

彼はまた怖がっているのだろう。

私だって本当はそう考えていて…、

でも、同じ考えだと同意を示してしまっては

彼に更なる追い討ちをかけるだけだと

理解している。


「――いてっ」


そうこう考えていれば、また痛みを訴える髪


手癖だからと言って、機嫌が悪くなる度に

こうも乱暴に扱われてしまっては

いつか禿げてしまう…!

大変だ!それだけは御免蒙りたい!

…ならば何故、手っ取り早く逃げもせず

大人しく愚痴に付き合っているのか?なぁんて


「チェスを指したかっただけなのに」


普段よりも感情の籠った声と

少しの幼さを感じる口調に、

知っているのはわたしだけ….

聞いているのはわたしだけ….

そんな小さな独占欲を感じられる、

唯一の時間であったから…

そんな簡単な理由だけだ。


「彼の元相棒と名乗る中原中也や友達と名乗る織田作之助は狡いんですよ。ぼくだって…ぼくだって…」

「親友になりたいの?」

「……うん」


途切れた言葉を繋げてあげれば

少し遅れてから、こくりと頷いた。



――こんなにも寂しそうな親友に対して

本来ならば同情を向ける場面なのだろうか?

慰めようと共感や励ましの言葉を

送るべき場面なのだろうか?

どうしようもなく口角が上がるのは

私だけなのだろうか?


「じゃあ、今は、私と遊ぶかい?ドス君」

「…また、クイズですか?」

「クイズじゃないとドス君に勝てないもん!!」

「ふふ、ですね」


正しいことなんて分からないが

彼が気持ちに答えるその時まで

ドス君を独占しようかな。






さぁて、ここでクイズ

この中で私の嘘は何処でしょうか?

この作品はいかがでしたか?

27

コメント

2

ユーザー

ひょぉぉぉぉぇぇぇええ?? 三角関係って奴か‼️💗 ↑↑↑↑↑(多分違う 片思いも好きなんですよねぇ🫣💞

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