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注意
・この物語はフィクションです。現実のあらゆるものとは一切関係ありません。
・誕生日にかこつけてイチャついてる🇬🇧🇫🇷です。(視点は🇫🇷さんです。)
・🇫🇷さんHPB
7月14日のめでたい夜19時、私は何処からか聞こえ続けるラ・マルセイエーズと共に、朝から打ち上がり続けている花火を自宅から眺めていた。
今日は私の生まれた日、、、と言っても大多数の人々にとってはただの素敵なお祭りであるし、私にとってもその意味が強いと思う。
だから勿論、朝から午後(17時ぐらいかしらね?)まではコンコルド広場でパレードを見たり、消防士達のダンスを見たり、中々満喫したものだ。
こんな素敵で特別な日、けれども私にとってはいつからか別の特別な意味をくれる日になった。
そんな特別がもうすぐ家に来るはずなのだ。
まぁ明確な約束事ではないから、私は期待を込めてワインを呷るのだけど。
まぁ仮に来なくったって、花火を見ながらワインを飲むのは中々良いものだ。こんな今日だからこそ、昔を振り返ってみるのも良い。
なんて、感傷に浸っているとインターホンの音が鳴った。どうやら特別な彼が来たらしい。私は急いで玄関へ向かった。
「Hello,フランス。誕生日おめでとう。」
玄関の扉を開けると、彼はにこやかに、開口一番にそう言い可愛らしい袋に包まれたものを私に渡した。毎年の事ながら、嬉しいものだ。
「ありがとう、イギリス。やっぱり来てくれたのね。」
「えぇまぁ、貴女とは古い仲ですから。」
彼はそう言うけれど、頬が薄っすら赤くなっている。それもそうだ、私と彼は恋人同士なのだから!
「もう、、、1番の理由を言って頂戴よ。」
「、、、言わなくたってわかるでしょう?私が愛するヒトを蔑ろにする筈が無いなんて。」
「それもそうね!、、、それで、今日は上がってく?」
そう聞くと、彼は少し考えて答えた。
「、、、まぁ、どちらでも。」
「ふぅん、、、私がイギリスともっと話したいって言ったら?」
「どうしてもと言うのなら、上がっていって差し上げましょう。」
「じゃあ決まりね!」
こんな問答も何度目だろうか。彼は私に対しては案外チョロいところがあるのだ。(勿論、プライベートに限るけれど。)まぁ近年のコレはそう言う遊びなのだけども。
彼をリビングに通し、お茶の準備をしようとキッチンへ行くと、彼も着いてきた。
「お茶なら私が淹れますよ?」
「あらそう?でも一応客人にお茶淹れさせるのってどうなのかしら。」
「良いじゃないですか、貴女が淹れるより私が淹れた方がマシなんだから。、、、それに、偶には恋人として頼られたいんですよ。」
「そういう事ならお願いするわ。」
、、、サラッとそういう事を言うからは彼はタチが悪い。そう言うところに惚れたのだけど、それはそうと今の私の顔はきっと真っ赤だろう。
「フランス、酒でも飲みました?w」
「、、、気のせいじゃない?それかイギリスの目が悪くなったか。」
「まぁ、そういう事にしてあげましょう。」
そう言い彼はお茶の準備を始めたので、私は軽いお菓子を2人分持ってリビングに戻った。
カチャコトとした小さな物音に聞き入りつつ、ソファーの上で4,5分程待っていると、紅茶のいい香りと共に彼が戻ってきた。
きっちりと程良く蒸らされたそれは、普段私が淹れるよりもいい香りがする。(私は待てなくてあまり蒸らさず飲んでしまうのよね。)
流石は紅茶に拘る国と言ったところだろうか、注ぐ手つきも丁寧だ。その慣れたような綺麗な手つきがどうにも好きで、私は彼がソレを注ぐ時はいつもまじまじと見つめてしまう。
そんな私の視線が気になったのか、彼は声をかけてきた。
「、、、そんなに私の手は面白いですか?」
「えぇとても、好きだわ。」
そう答えると、彼は複雑そうな顔で言葉を噛み砕いた。
「そう、ですか、、、やはり貴女は変わってますね。」
まぁそんな間にも紅茶は注がれていくもので、1分程度で私達2人分の紅茶が注がれ終わった。
、、、やっぱりイギリスは顔が良いな。早速と言わんばかりに紅茶を飲み始めた彼を横目に、この変な思考を飲み干すよう私も紅茶に口を付けた。
「、、、うん、美味しいわ。」
「なら良かったです。、、、このお菓子も悪く無いですね。」
そう言うと、彼は誇らしげな顔で頷きながらお菓子をつまみ始めた。
どうやらこのお菓子が気に入ったらしく、紅茶を飲みつつもお菓子に伸びる手のペースが早くなっている。
こんなに喜んで貰えるのなら、作っておいた甲斐があるものだ。尤も、これはきっと彼も抱いている感情でもあるのだろうけど。だって、私も紅茶を飲むペースは早くなっているのだろうから!
ポツポツと喋りつつ、イギリスと穏やかな時間を過ごす中、私は1つ思い出した。そういえば、プレゼントを貰ったのだったと。
彼は私に何をくれたのだろう?好奇心が増大してしまったので、私は彼に断りを入れ開封することにした。
「そうだ、イギリス。あなたがくれたプレゼント、開けてもいいかしら?」
「えぇ勿論。」
彼が了承の言葉を吐くとともに、私は袋を縛る私色の3色リボンを解き、中の物を取り出した。どうやらまだ開封は終わらないらしい。私の手には光沢のある黒い箱があった。
「、、、?何かしら。」
「ふふっ開けてみてくださいよ。」
少し眺めていると彼から開封を促されたので、私はその箱の蓋をそっと、ゆっくりと開けた。
蓋を開けると、そこにはツヤのある赤い薔薇をあしらい、一部にパールを通した、金のチェーンで出来たチョーカーがあった。
「、、、綺麗ね。ありがとう、こんなに素敵なプレゼントをくれて!嬉しいわ。」
「ふふっ喜んでもらえたのなら良かった。」
お礼を言うと、彼は混じり気のない顔で安堵した。
偶に見せる彼のこの顔が、言葉が、どうにも愛おしくって仕方がない。
「そうだイギリス、早速だけど私これを付けたいの。付けてくれる?」
「仕方ないですね、、、仰せのままに,My dear?」
少しイギリスに甘えてみると、彼はわざとらしく了承し、されども丁寧に、優しくチョーカーを付けてくれた。
「、、、やっぱり、似合いますね。」
「貴方が選んでくれたんだから当然でしょう?」
「それもそうですね。」
そう言うと彼は得意げな顔になり、またそれを隠すように紅茶に口を付けた。だがどうやら紅茶は冷めていたらしく、眉をひそめている。
「、、、冷めてしまいましたね。」
「まぁ良いじゃない、今日は暑いんだから。知ってる?今日は40℃を超えたのよ!ほんとやんなっちゃう。」
「どうりで暑いわけだ。まぁこっちも30℃超えで大変なのでお互いさまですね。」
「あぁ、、、」
30℃なんてのはここじゃ日常茶飯事ではあるけれど、イギリスと言う国で考えるととても暑い。何故彼は干からびていないのだろう。
「まぁもう日が沈み始めて来ましたから、昼ほどの暑さでは無いでしょう。」
「それはそうね。、、、ありがとう、美味しかったわ。」
そう言い、私は中身を飲み干した茶器を机に置いた。
「それは良かった。、、、これを片付けたら、私はそろそろ帰りますよ。」
そう言いながら、彼は立ち上がった。
「あら、もうちょっと居てくれても構わないのよ?」
「だってフランス、明日は平日で仕事があるんですよ。」
「、、、サボりましょう!」
「Whats the hell 、、、本当に貴女は仕方のないヒトだ。」
そう言うと、彼はまた座り直した。チョロいものである。
「うふふ、ありがとうイギリス!」
「、、、えぇ。」
お礼を言うと、彼は少し照れてしまったらしい。顔が若干赤みをましている。彼のこう言う案外照れやすいところも私は好きだ。
こんな素敵で面白い恋人と誕生日を過ごせるなんて、私はなんて幸福なのだろう!
あぁ願わくば、来年も再来年も、10年後も20年後も彼と共に居られますように。
、、、なんて、私は未だ照りつけている太陽に向かって普遍的な願いをかけた。
おまけ
プレゼントを普段使いしている🇫🇷さん。