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「心と身体」
⚠️紫×赫︎︎ (︎︎♀)
白い雪が夜空に舞った。
その雪達は冷たいコンクリートに落ちていった。段々と雪深く積もって行った。
その上を歩く私。
足跡がついて、相変わらず足は小さい。
女らしい足だ。
気づけば私は3322と番号がある、ドアの前に立っていた。そのドアノブに手をかけぐるっと回し引いてみると、ドアが開く。
鍵は閉められていない。
赫「……ぅい~来たよ。」
紫「ん、おかえり」
彼が小さなソファーに座って、テレビを見て居た。いや、おかえりって…ここ私の家じゃないんだけど…。紫は私の方に来て、私の頭の上に乗った雪を男らしいその手でぽんぽんと触って、払う。その仕草に少しドキッとしてしまった。
紫「雪降ってた?」
赫「うん、積もってたよ。」
紫「まじ?じゃあ後で公園でも行って、雪合戦しようぜ」
赫「小学生じゃないんだからさ…」
男はやはり、何年たって心は少年のままなのだろう。それに比べて私は、周りよりも少し大人しく、紫よりは精神年齢は高い。
紫「酒飲も、」
赫「冷たっ」
冷蔵庫からほろ酔いを2缶だして、片方を私の頬に当ててきた。冷たい缶を当てられ、私の頬は少し赤くなった。
紫「…公園行かね?」
赫「いや、雪合戦しないから」
紫「ちょっとぐらい良いじゃ~ん(笑)」
赫「やだよ、体力ないし…」
紫「手加減するから、」
赫「ちょ、」
紫はイヤイヤ言う私の手を引っ張り、強制的に私を公園に連れ出した。
赫「さむっ…」
紫「よし!雪合戦開始!」
そう言って、紫は私の方に雪玉を投げてきた。
私はそれを避ける。
赫「急に投げてくんなドアホ!」
紫「危なっ」
私も仕返しで雪玉を投げた。
そこから私たちは雪玉を投げ合った。
投げ続けること十分。
さっきから何かが可笑しい。
私には一度も雪玉が当たらない。
しかも、雪玉作るスピードも絶対遅くしてるし…。もしかして…、あいつ私に、 手加減してない…?女子だからって舐めてんだろあいつ。 確かに私は体力ないし、運動苦手だけども。 でも、あの精神年齢小学生に舐められるのはなんか普通に、ムカつく!!
ガキにガキ扱いされるのはなんか、癪だな…。
赫「!?」
紫「ぁ、」
紫に顔面を当てられ、私はそれにびっくりして
後ろに転けてしまう。幸い下が雪だから怪我は無く、その代わりに私の体に雪の粉がついた。
それ見た紫は私に駆け寄る。
紫「大…丈夫?」
何故か紫の顔は心配そうだった。
なぜ彼が私に手加減していたのかよく分かった。その瞬間、私の胸の鼓動は段々と早くなる。胸が苦しくなった。
赫「…か、帰ろ?寒いし…」
紫「…だな、」
赫「はぁぁ、寒い…雪合戦したから余計に手が寒いわ~」
紫「手袋貸そっか…?」
赫「…いや、雪玉作ってんだから、絶対びちょびちょでしょ」
紫「…使ってない、赫とは正々堂々戦いし、」
赫「……」
手加減していたくせに、どこが正々堂々だ。
どう考えても、紫の方が不利でしょ。
赫「じゃあ、片方貸して」
紫「ぇ?あ、うん」
紫の黒い片方の手袋を私の片手につけた。
そしてもう片方の手袋は紫の片手に。
赫「よし、」
紫「……じゃあ、片方はこうしよ。」
赫「ぇ…?」
紫は、もう片方の手袋のつけてない手を、紫の手袋をつけてない手と繋いだ。
赫「!…」
また、私の胸の鼓動は段々と早くなった。
赫「……んはっw、なにこれ…(笑)」
紫「これだったら寒くないでしょ、俺天才」
赫「なんそれ…w」
紫「帰りに神社寄ろう、」
赫「え?初詣?もう、結構経ってるけど…?」
紫「俺まだ行ってねえし…赫もだろ?」
赫「……まあ、うん…行くか。」
紫「うし!競争しよ!」
赫「はぁ!?」
神社に着く、人は全然居ない。そりゃあそうだろう。もう年を越してから何日が経つというのにこんな時間に初詣になんか来るわけがない。
だが、この馬鹿は来る。
紫「願い事どうする…?」
赫「ぇ~…紫は?」
紫「死ぬまで酒飲む。」
赫「www、弱いのに?(笑)」
紫「弱いの関係ないだろ!」
その時、紫のスマホに一本の電話が来た。
名前は女っぽい。紫は親指で『✖︎』を押した。
赫「……いいの?」
紫「ぁ~、うん…今はお前との時間だし」
赫「そう…」
期待させるような言動や行動をとる彼が嫌いだ。本当に嫌いだ。私は俺が嫌いだ。
赫「決まった。」
紫「何を?」
赫「願い事。」
紫「え、教えて?」
赫「秘密〜」
紫「はぁ?俺は言ったのに?」
赫「口に出した願いって叶わないらしいし」
紫「え”…俺言っちゃった…」
赫「wwwバカじゃん(笑)」
紫「馬鹿じゃねえし…」
神様。 どうか、来世は身体だけじゃなく、心も女性にして、またこいつと新年を迎えたいです。お願いします___。
終わり。
コメント
22件
タイトルから察せてはいたけど、うんシねル もうすごい! 誰かこの二人に永遠を!
最&高☆ 熱でたの...!?大丈夫!?
ねえやばいんだけど‼️ 感動系上手くない!? いっつも泣きそうでしょうがない😭幸せになってくれ‼️