テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
えすおーえす
注意
本作品には自傷、自死を連想させるような表現があります。
精神的に不安のある方は、読まないことをお勧めします。
それでも読みたいという方のみ、この先にお進みください。
第一章 死にたいけれど
良いところを何も持っていない。
僕は生まれた時からそうだった。「優しさ」、「強さ」、「頭の良さ」…何もない。
昨日はたくさん荷物を持ったお婆さんを見て、少しだけ持ってあげようと声をかけたら、
「あんたみたいな人に助けてもらうほど、私は弱くない!」
と言われてしまった。
お婆さんの言うことは、
確かにそうだ。僕みたいな細身の男に助けてもらうなど、 プライドが傷つくだろう。
…こんな風に誰かのためにしようと思った行動が、いつも空振ってしまう。
そして毎日のようにこう思う。
「あぁ、ほんと、生まれてきてごめんなさい。生きててごめんなさい。」
……と。
当たり前だ。こんな人間のクズが生きていていい訳ない。
だがそう思う度に、「普通の人はこんな事を考えない」ということが頭をよぎる。
ーーーその事実が何よりも苦しくて、息ができなくなってしまう。
その息苦しさを紛らわせるためにカッターで自傷する。
クソみたいな人生だろう?
こんな人生早く終わらせてしまいたい。
そして真っ暗な暗闇で、誰の目も言葉も気にすることなく、ずぅっと眠っていたい。
そんな事を思って家を飛び出し、高速道路の橋の金網の上に立った深夜2時。
僕は全て終わらせようとそこから飛び降りようとした。
でも死ねなかった。
こんなにも辛くて辛くて仕方がないのに…飛べなかった。
怖かったのだ。全て終わってしまうということが。
今更そんな事を考えても無駄だというのに。
僕は金網の上から降り、家路に着いた。
…僕の家が見えてきた。15年住み続けた、見慣れた家だ。
そう思った瞬間、急に涙が溢れてきた。
今この家が目の前にあるという事は、僕は死ねなかったということだから。
「ほんと、何もかもが中途半端で嫌になるなぁ……」
そして僕は今日もベッドの上で息をする。
いつものように自己否定的な事を考えながら、眠りに落ちる。
これが僕の人生だ。