ナチと俺が両思いだったということが判明してからかなりの月日が経った
あの日から特に進展はなく、かなり穏やかな日常を送っている
だがこのままで良いのだろうか?と内心思い始めている
なんせ両思いだ。少しはこちらから仕掛けてみるのもありだろう
「ナチ、ちょっとこっち来てくれないか?」
少し緊張するが、それを表に出さないよう感情を押し殺す
「…?ああ…」
片方の手で近づいてきたナチの腕を引っ張り、もう片方の手で背中を抑える
「っ…え…?」
抵抗する間もなかったのか、その小さい身体はいとも容易く俺の腕に収まった
そして
「ナチ、愛してる」
と囁き、ナチの額に優しく口付けをした
やってみると案外悪いものでは無いとは思うが…如何せん後から恥ずかしさが込み上げてくる…
ナチに嫌な思いをさせていないか確認のために顔を覗き込んだ
そこには顔を真っ赤に染めあげ、何も分かっていないような顔で固まる可愛らしいナチがいた
そこで俺の感情を押し殺すスイッチは切れ、恥ずかしさと嫌がられていない嬉しさで何も言えなくなっていた
固まっていたナチが状況を把握したのか
「い、いきなりやるなバカっ…!!」
といつもより少し大きい声で言ってきた
ここで俺は意地の悪い返しをしたくなり
「…いきなりじゃなけりゃ良いんだな?」
と笑いかけながら返した
「いやっ…そういう意味じゃ…」
何か言いたげなナチの言葉を遮り
「もう1回するぞ」
今度は頬に口付けをした
「っ〜〜…!!ばっ…人の話を聞け…!!」
ナチがあまりにも反抗してくるものだから思わず
「嫌…だったか…?」
としおらしく言った
それに対しナチは
「い…嫌ではない…けど…」
「けど?」
「…するなら…その…」
「口にして欲しい…」
予想だにしなかった返答に、俺のタガは粉砕される1歩手前だった
だが口にして欲しいとナチに言われたんだ、多少イタズラをしても大丈夫だろう…
コメント
1件
普通に言葉の表現好き ちょっと私に言葉の表現わけてほちいな★