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後半、ちょっとグロテスクです。
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家に帰り、まろから貰ったファイルから丁寧に折られた手紙を開く。
数えてみると七枚もあるらしく、そのうちの五枚がメンバーに向けての手紙だった。
俺は、一言目を見た瞬間から涙が止まらなかった。
もっと早く気付いてあげられていたらこんな思いしなくて済んでいたのに。
そう思いながら遺書と言う名の手紙を読み進めた。
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遺書
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いれいすメンバーへ
この前は、感情的になりすぎて強く当たってしまった。本当にごめんなさい。
俺が死のうと思ったのはいれいすメンバーのせいじゃないから、そこは安心してほしい。
俺はメンバー皆が大好きやし、大切やし、
家族みたいな関係で居られて本当に嬉しかったよ。
俺が休まれへんかったのは大切ないれいすメンバーに俺のことを心配してほしくなかったから。
いれいすの活動も仕事も両方頑張ってる頼れるお兄ちゃんみたいになりたかった。
ただそれだけ。でも、結果的に心配されることになって喧嘩にまでなってしまった。
勿論、メンバーにも相談しようって思ったこともあったよ。
ないことかあにきにアドバイス貰いたかった。
りうらとほとけに元気づけて貰いたかった。
初兎に褒めて貰いたかった。
いれいすメンバーに「六人で旅行して休もっか」って気付いてほしかった。
そんなの俺が溜め込んでるからできへんのは知ってた。なのに
そんなことを夢見てた。
ほんまに馬鹿やんね、笑
今の俺は謝ることしかできんくて情けない気持ちでいっぱいやけど、
許してくれるかな?
最後に、いれいすのいふで居させてくれてありがとう。
いれいすが東京ドームに笑顔で立てることを願っています。
空の上から見守っておくね。
If You alL caN make your dreamS come true, I will be Happy.
もし貴方たちの夢が叶ったら、私は幸せです。
いふより。
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桃 …なんであのとき強引に家入らなかったんだろっ
俺はもう一度まろの家へ向かった。
遺書を握りしめながら。まろとの思い出を思い返しながら、見慣れた道を走り続けた。
玄関前まで来てから恐怖と不安が入り交じった気持ちが俺の心を回る。
俺はその気持ちを無視して、家の中へ入った。
まろの姿は探してもどこにもなかった。残るはまろの部屋だけ。
大きい声でまろのことを呼び、部屋の扉を開けると
血の生臭い匂いと鉄の匂いが俺の鼻を刺激した。
そして目に映る景色は、俺の人生の中で最も残酷な姿で倒れているまろだった。
お腹には包丁が突きつけられており、その周りを血が垂れている。
脈はもう止まっていて、たぶんもうこれ以上動かすと傷が広がり、もっと悪化してしまう。
そう思い、目の前で大切な人を亡くした。