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目が覚めると目の前に・・・壁?
(あ、涼ちゃんの背中か・・・。)
涼ちゃんの背中久しぶりに見た気がする。
いつも俺が先に立ち、後ろに若井と涼ちゃんがいる
ランウェイやレッドカーペットを歩く時もそう
ライブでも歌番組でも大体俺が少し前にいて
二人が少し後ろにいる
そして俺が振り向いたら
涼ちゃんは笑顔で応えてくれて
不安になった時その笑顔を見ると安心した
なのに
同じベッドで寝ているのに
なんで貴方は背中を向けているの?
(こっち向けよ・・・。)
心の中で念じてみても、動く気配はない。
ふと、その白い背中に赤い何かが付いてることに気が付いた。
なんだろ・・・?
顔を近づけて見てみると、三日月のような赤い跡がいくつかあって・・・
あ、これ俺の爪跡だ
一分、一秒でも長く貴方を感じていたくて
必死にしがみ付いていた
痛かっただろうなぁ・・・
なんとなくその爪跡の一つにキスをする。
「ん・・・・。」
すると、涼ちゃんがゆっくりと寝返りを打ってこっちを向いた。
思わず息を呑んだその気配が伝わったのか、涼ちゃんは薄く目を開る。
「・・・あ、ごめん。起こした・・・?」
どうやら自分のせいで俺を起こしてしまったと勘違いしたらしい。
「大丈夫、丁度目が覚めただけだから。」
「そっか。」
ぽやぽやと音が聞こえてきそうな笑顔の涼ちゃんは、スマホを確認する。
「まだ六時だよ。もう少し寝よう。」
腕を広げた涼ちゃん。俺は大人しくその中に納まる。
「涼ちゃん。」
「んー?」
「背中痛くない?」
「背中?」
「俺が、その、爪・・・。」
素面で言うのは恥ずかしいので語尾を濁すと、察した涼ちゃんは小さく笑った。
「あぁ、アレか。大丈夫だよ。」
「でも痛そう・・・。」
「僕気付いてなくて、若井に言われて初めて気が付いたんだよね。」
「え・・・ってことは前から・・・。」
「気にしなくていいよ。それくらい良かったってことでしょ?」
ウィンクして見せた涼ちゃんは、寝起きで髪ぼさぼさのくせにかっこよかった。
「だから次も僕に元貴の跡付けてほしいな。」
「それは涼ちゃん次第じゃない?」
「う・・・ガンバリマス・・・。」
「で、なんで若井が涼ちゃんの背中の傷見てんの?」
「普通に衣装に着替えてた時だよ。」
「若井、次の曲は指もげコード決定。」
「スタッフさんより先に若井が気付いてくれて、こっそり教えてくれたんだよ。感謝しないと。」
「それでも!」( ー̀ н ー́ )
「・・・(若井、ごめん)」(´ーωー`; )
背中:確認