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wki視点
「なんか、寂しそう。」
そう呟いて腕を左右に広げると、近づいてくる元貴。
気がつくと、抱きしめられていた。
触れるとわかるくらいに筋肉を秘めているガッシリとした腕。
背中に回っている大きな手。
華奢に、儚げに見える彼の、人間らしい、漢らしい部分が垣間見える。
服越しに感じる体温、呼吸、心拍数。
心臓早い、俺の、?元貴の、、?どっちかわかんない、苦しいから俺なのか、
脳の整理が追いついてきたと同時にじわじわと血液が上昇する感覚がした。
「ぁ、、え、?」
一定のリズムで背中をさすられて、何とも言えない気持ちになる。
「こうすると少しは大丈夫になるでしょ?」
耳元に響く低い心地よい声、息がくすぐったい
生きてるって感じするな、
「、、ん、大丈夫になった」
身動きが取れないのでコクリと首だけ動かすと、元貴はそっと俺の背中に置いていた腕をしまった。
体温が、香りが離れていく。柔軟剤に混じったフローラルで爽やかな香り。
「ハグは万能薬だから、また寂しくなったらね」
ニコッとこちらに笑いかけながらエアハグをする元貴に釘付けになっていた。
玄関までお見送りされ外に出ると、夜風が頬に当たる。上がった体温が風にさらされ心地よい。
俺が、あの元貴に、特別扱いされている認識が一方に強くなり、心が幸福で満たされる。
風が少し強くなり、鼻先がツンと痛くなった。
視界が見えなくなる前に気持ちを切り替え、俺は自分の部屋に戻った。