テラーノベル
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神楽のイラスト交換物語~!!✨️👏
頑張っていきますっ!!!👍
それではどうぞ!
「すれ違い」
雨音が、静かに夜の街を濡らしていた。
ビルの隙間を縫って落ちる滴の音は、まるで誰かの言葉のように聞こえる。けれどそれは、誰にも届かない。誰にも、聞き取れない。
傘も差さずに歩くひとりの影――、ふと立ち止まり、空を見上げた。
「……また、降ってる」
それは心と重なるようだった。止まることなく降り続け、誰にも求められずに地面へ落ちていく、そんな雨。
脳裏には、かつて共に過ごした仲間たちの笑顔が浮かんでは、また消えていく。
かつて、彼ら6人は音楽の中で出会った。
りうらの繊細な旋律、
まろのまっすぐな歌声、
初兎のラップのリズム、
仏にしか出せない特徴のある声、
アニキのロック的な歌声――、
そして、俺の音。
けれど、ある日気づいてしまった。
「俺の音だけ、みんなの音に馴染んでない」
それは錯覚だったのかもしれない。誰もそんなことは言っていないし、顔を合わせれば今まで通りの空気があった。
でも、耳に残る沈黙は確かにあった。
りうらは、音作りに集中していた。彼の才能は誰もが認めるものだった。でも、その分、他人の些細な変化には鈍感だった。
まろは、未来を見ていた。大きな舞台、たくさんのファン、遠くを目指す彼の背中に、ついていけないと感じていた。
初兎は明るかった。場を盛り上げるために、冗談を飛ばして、笑わせてくれた。でも、その笑顔の中に、悩みは入り込めなかった。
仏は優しかった。誰よりも寄り添おうとしてくれた。けれど、それに甘えたくなかった。弱さを見せたら、もう自分じゃなくなる気がして。
そしてアニキ――
彼だけは、時折ないこを見つめていた。言葉ではない、でも「気づいてるよ」と語るような眼差しだった。
だけど、アニキも何も言わなかった。
その沈黙が、胸を締め付けた。
「誰も、止めなかった」
それが本当かどうか、今となってはわからない。
ある日、俺は姿を消した。
メッセージも、連絡も、何も残さずに。
その日も、雨が降っていた。
Ifside
ないこがいなくなった朝、メンバーのグループチャットはいつも通りだった。
赤「今日の練習、15時からでいい?」
白「OK〜」
水「遅刻するかも」
黒「またかよ仏」
青「笑」
……ただ、ないこだけが何も返さなかった。
最初は誰も気にしなかった。たまたま見落としたのか、忙しいだけか、寝坊か――そんなありふれた理由で納得していた。
だが、スタジオに着いても、彼は来なかった。
電話も、メッセージも、どれだけ送っても既読にならない。
青 「……え、マジで?」
小さくつぶやく。
スタジオの空気が一気に冷たくなる。
赤「ないくん、前からちょっと様子おかしかったもんね…」
りうらが、床を見つめながら言った。
白「いや、でも……言えへんかったよ、そんなの」
初兎が苦笑いのまま目を伏せた。
水「ほんとは、気づいてた。僕らの中で一人だけ、立ち止まってた、」
仏の声は静かだった。
黒「でもそれ、怖かったんよ。だって、もし声かけて――それで壊れたら、俺らも、もう元に戻れへん気がして」
アニキはそう小さな声で言った。
ないこ「ごめん。俺、みんなみたいにはなれなかった」
その言葉が、雨のように心を濡らしていた。
数日後。
それぞれが、ないこを探し始める。
俺はないこの家の近くを歩き回って、
初兎はSNSを何度も見返して、
りうらは楽曲データの中から、ないこのボーカルだけを抜き出して聴いてて、
仏は、何も手につかずただノートに歌詞を書きなぐる。
アニキは静かに、ないこの痕跡をたどるように、共に過ごした写真を見ていた。
けれど、どこにもいない。
彼の声も、足跡も、どこにも残っていない。
ただ、雨だけが降っていた。
悠佑side
ある夜、俺はひとりで海辺にいた。
灰色の雲。見えない星。濡れた砂浜。
その先に、ふと見えた細い背中。
「……ないこ?」
遠く、波の音にかき消されそうなほどの声。
けれど、ないこは振り向かずに言った。
「……俺は、雨なんだ」
「え?」
「誰にも必要とされない。落ちて、消えてくだけの……通り雨」
俺はゆっくり、ないこの隣に立った。
「でもな、雨が降らなきゃ、星も見えへんやろ?」
ないこははっとして、彼を見た。
「星は、晴れてからじゃないと――」
「ちゃうで。星は、雨が隠しとる。
でも、それは“見えへん”だけで、“無くなる”わけじゃあらへん」
静かに、でもまっすぐ伝えた。
「お前がいなくなってから、俺ら全員……めっちゃ濡れたんやで」
ないこは笑った。悲しくて、情けなくて、それでも嬉しくて。
「……ごめん。逃げてた。みんながまぶしすぎて」
「知っとったよ。けど、それでも戻ってきてほしいねん」
「……ほんとに、俺がいてもいいの?」
俺は即答した。
「いるべきやで。お前がおらんかったらサイコロは埋まらへんしな」
その言葉は、夜の海に響いた。
りうらside
ないくんの「ただいま」は静かだった。
彼が戻ったその日、スタジオにいた5人は、何も言わなかった。
でもその沈黙は、前とは少し違っていた。
責める言葉も、無理に笑わせる言葉もなかった。
ただ、受け入れるという意志だけがそこにあった。
初兎ちゃんがそっと差し出したコーヒー。
仏が音もなく置いたノート。
まろが何気なく開いたトラックデータ。
りうらが無言で流した新しいメロディ。
アニキが、それらをひとつにまとめる。
その日、誰も「おかえり」と言わなかった。
でも、全員が、心の中でそう言っていた。
sideなし
そして迎えた、久しぶりのライブの日。
ステージ裏、ないこは鏡の前に立っていた。
「……まだ怖いよ」
呟いた言葉に、りうらが後ろから言う。
「りうらも怖い、、けど、今度はその怖さを隠さなくていいんでしょ?」
「うん。ありがとう」
初兎がぴょこっと顔を出して、
「緊張しとんの? 大丈夫やで!!社長なんやし!!!」
「それ、全然励ましになってねぇから」
みんなが笑った。
仏が静かにないこの背中を押す。
「僕らは、6人で“ひとつ”なんだよ。どれかが欠けたら、もうそれは別物」
Ifが、マイクを渡しながらにやりと笑う。
「ほら、リーダー。準備はええか?」
ないこは、小さくうなずいた。
「……俺は雨。でも、みんなが風だから、届く場所があるんだ」
悠佑が、マイクのスイッチを入れる。
「さあ、答え合わせに行くで。」
ステージの光が差し込む。
音が、重なり合ってゆく。
ないこの声が、流れ出す。
不安も、痛みも、すれ違いも、すべてを含んだ声。
だけどそれは、美しかった。
曇り空に射し込む朝日のような、確かな希望がそこにあった。
客席の誰かが泣いていた。
誰かが、笑っていた。
誰かが、静かにうなずいていた。
誰かが、俺の色で応援してくれていた。
ないこは、歌いながら思った。
「この歌が、誰かの空に降るなら――
それは、きっと意味のある雨なんだ」
ライブ後、波の音が聞こえる海辺。
6人が肩を並べて座っていた。
「……昔のこと、思い出すな」
「最初に音合わせた時か?」
「違うよ、最初にケンカした時」
「やめろよ、それ言うなって~!」
ないこは、空を見上げる。
星が、にじんで見えた。
「ねぇ、みんな。俺、ずっとひとりだと思ってた」
「、、、!」
「でも、違ったんだな。すれ違ってただけで、みんな、同じところにいたんだ」
悠佑が、空を指さす。
「見ろよ。今日、星が見える」
りうらが言った。
「りうらたち、また前に進めるんだね」
仏がつぶやいた。
「今度は、ちゃんと手を離さないでいようね。」
Ifがにやりと笑う。
「ないこ、逃げたら怒るからな?」
初兎が無理やり肩を組む。
「もう一人にせぇへんからな。」
ないこは、笑った。
「ありがとう。……俺は雨。でも、それでよかったんだ」
夜が明ける。
雨は止んで、風が吹く。
世界は少しだけ、優しく見えた。
完
みなさん気付きましたか??
そう!!友人の書き方に少し似せてみたんです!w
私のいつもの書き方だとノベルに映えないんですよね(((
まぁかなりの謎作ができてしまったわけですが((((
神楽!!こんな神絵をありがとう!!!😭
またしような!!!!!((
それではおつちな~♪
コメント
10件
書き方!情景描写がとっても上手ですね! それに、場面を切り替える時も自然に切り替わってるんですよねぇ〜、本当にすごいです! 申し遅れました、僕の名前すずと申します
うまああああああああああ(((()え好きすぎてやばい😖💗ちゃっかり僕が言ったネタ採用してくれてるし🥹こんな神作出されたら僕頑張らなきゃやばいじゃん🙄こんな神作を僕のイラストで飾ってくれてありがとぉぉぉぉ😭僕もちまちま頑張ってきます🫡
友人って誰だ!!普通に知りたい!!うまいね‥かきかた‥私より上手、、