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貴方の恋人になりたいのです

第1話 - 1

2025年01月05日

#創作

#小説

ﾗﾝ

イヤホンを付けながら自転車に乗るのは罰金の

対象になった。そのニュースを聞いて、塾帰りイヤホンを

付けるのをやめた。

｢あれ、イヤホン無くしたの？｣駐輪場で、後ろから声をかけられた。

｢いや付けてないだけ。｣そう言うと、

｢いつも音楽聴いてるから、話しかけずらかったんだよね。｣

と、彼は笑う。

同じ中学だったけど、違う高校に入ってからは久しぶりに話す。

｢せっかくだし一緒に帰ろうよ｣と誘った。

誰も居ない夜道を、自転車で2人で帰った。

ゆっくり漕いで、たまによろけて、結局2人とも自転車を押して歩いた。

｢やっぱ、音楽ないと寂しいね｣そう言うと、

｢じゃあ俺が歌うわ｣腕まくりをして見せながら彼は無邪気に笑った。

━━貴方をもっとちゃんと知りたいけれど

今よりもっと仲良くなりたいけど

深入りしたら嫌がりませんかそう思うと聞けなくて━━

少し音痴な歌に、顔を見合わせて2人で吹き出した。

｢なんて曲なの？｣そう聞くと彼はニヤリとしながら言った。

｢まだ教えない｣

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ﾗﾝ

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