匠海side
いつからだろう。
君のことを目で追うようになったのは
京介「また、るみちゃん見てんの」
そう京介に言われて無意識に
彼女を見ていたことを自覚する。
「彼氏おんのかなー?」
なんて疑問を口にすると京介に笑われた。
「なんで笑うねん、真剣やでこっちは」
京介「珍しいなって思って」
「何が」
京介「匠海ってみんなと仲良いから」
「話しかければいいのに」
「なんか、高嶺の花みたいやん?」
「やからそんな簡単じゃないねん」
俺が必死にそう説明すると京介は
「ふーん」と返事をしてどっかに消えた。
10月半ばの暑い日。
今日は体育祭。
京介「なんでこんな暑い日に体育祭やんの」
なんて文句を言ってる京介を
横目にあの子のことをみる。
いつもは下ろしてる髪を高めで一つに
括ってる彼女は新鮮で可愛かった。
京介「また見てんじゃん」
「今日めっちゃ可愛くない?」
京介「はいはい、そうですねー」
「ちょ、お前絶対興味ないやろ」
京介「開会式始まる」
その声と共に体育祭が始まった。
無事に体育祭は進んでいき、次は借り物競争
この学校では名物と言っても
過言ではない競技に応援席が盛り上がる。
京介「なんで俺これなの」
「お前が休んだのが悪いやろ」
「てか俺もやし」
体育祭種目決めの日に運命的に 熱を出した
俺らは勝手に借り物にさせられた。
京介「まじでやなんだけど」
「ずっこけてやろっかな」
なんてブツブツ文句を言ってる京介に
「その方が恥ずいやろ」ってつっこんだ。
ピストルの音と共に第一走者が走り出す。
それぞれお題の紙を引いて走り回る。
たまに人のお題もあるらしく
手を繋いで走る男女に歓声が上がる。
そんなこんなで次は俺の番。
京介「好きな人、とか出たりしてな」
後ろから話しかけてくる京介を
無視して俺はピストルの音と共に走り出した。
紙には”仲良くなりたい人”って書かれてた。
「そんなん、1人しかおらんやろ」
そう呟き、オレンジ団の方に走る。
「るみちゃん!」
大好きな人の名前を呼ぶと るみちゃんは
びっくりした顔でこっちに走ってきた。
「ごめんな、手繋ぐで?」
念の為そう聞くと小さく頷く彼女。
小さい手をしっかり握って走り出した。
そしてなんと俺らは一位でゴール。
「やったな、るみちゃん!」
嬉しくて彼女にハイタッチを求めると
可愛い笑顔で手を合わせてきた。
るみ「匠海くん?」
「ん?」
るみ「お題、なんだったの?」
「…仲良くなりたい人」
走ってる時には感じなかった
恥ずかしさが俺を襲った。
るみ「仲良くなりたい人、?」
「え、私と?!」
こうなったら言ってしまおう。
そう思い、俺はるみちゃんに気持ちを伝えた。
「俺、るみちゃんのこと好き。」
るみ「え、?」
「気づいたら目で追ってた」
「なんて、キモいか笑」
るみ「キモくないよ?」
「そんなこと言われたことなかったし、」
下を向いてそう言うるみちゃんの
耳が赤いのは気のせいだろうか。
「るみちゃん」
るみ「はい、」
「俺と、お友達になってくれへん?」
るみ「いいですよ、お友達」
陽だまりみたいな彼女の笑顔が俺を照らす。
恋人になれる日が来るかはわからないけど、
この瞬間をるみちゃんと
共有できるのが嬉しかった。
京介「あれ、もしかしていい感じ?笑」
いつのまにか出番を終えた京介が後ろに並ぶ
「お友達になった」
「な、るみちゃん」
るみ「はい、お友達です」
京介「なんかわかんないけど、よかったな」
大好きな人と大切な親友に囲まれた俺は
最強で どこまででもいけそうやった。
「ありがとな、京介」
京介「別に何もしてないけど」
今回はいつもコメントをくれる
るみちゃんを主人公にしたお話です!
本当にいつもコメントくれて嬉しいですね
そして今日も約束通り日曜に出せました!
これからもがんばります!
コメント
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最初名前出てきた時びっくりしすぎてすまほ飛んだんだが笑 もうおざ牧あいらぶゆーな私からしたら大好きな作品すぎるやばいやばい天最高☆